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カードローンの借金は自己破産できる?手続きや注意点も解説

自己破産

2024.06.302024.07.05 更新

「カードローンで作った借金を自己破産することはできるのか」気になっている人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、カードローンで作った借金は、自己破産手続きにより、免責を受けることができます。

本記事では、カードローンの借金を自己破産するべきケースやカードローンの借金を自己破産した時のデメリット、注意点などを解説します。

こんな人におすすめの記事です。

  • カードローンの借金で困っている人
  • カードローンの返済が絶望的で無理だと感じている人
  • カードローンの借金を自己破産するべきか悩んでいる人
  • カードローンの借金を自己破産したときの影響が知りたい人

記事をナナメ読み

  • カードローンの借金は自己破産できる
  • 自己破産をすると家や車を処分する必要がある
  • 総量規制を超えた借金となっている人は自己破産を検討するべき
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カードローンで作った借金は自己破産できる

カードローンは、銀行やクレジットカード会社などが提供する、無担保の個人向け貸付サービスです。カードローンで作った借金は、自己破産手続きにより破産者本人の借金の免責を受けることができます。

自己破産手続きを行うと、カードローンの借金は法的に免責の対象となり、支払う必要がなくなります。もちろん、利息を支払う必要もありません。

ただし、自己破産は誰でも無条件にできる債務整理ではありません。財産状況や収入によっては自己破産できない場合もあるので、まずは弁護士などの法律の専門家に相談するようにしてください。

なお、自己破産が破産管財事件となった場合には、破産手続開始決定後破産者宛ての郵便物が全て破産管財人に転送されることになります。

カードローンで作った借金は自己破産以外の債務整理も可能

カードローンで作った借金は、自己破産以外の債務整理を行うことができます。

任意整理は、債権者との話し合いにより、毎月の返済額を減額することができます。裁判所を通さず、債権者との直接交渉により行うため、手続きが簡単で、費用が安く済むのが特徴です。

個人再生は、裁判所を通じて借金の返済方法を変更する方法です。個人再生では、原則として、借金の総額が3,000万円以下であること、定期的な収入があることなどの要件があります。個人再生では、借金の総額を減らしたり、返済期間を延長したりすることで、月々の返済額を減らすことができます。

カードローンの借金を自己破産したほうがいいケース・タイミング

カードローンの借金を自己破産したほうがいいケースは以下の通りです。

  • 総量規制を超えた借金となっている
  • 3年以内に借り入れを完済できる見込みがない
  • 住宅ローンを組んでいない
  • 税金を滞納している
  • ライフラインとなっている電気やガス、水道や携帯料金を滞納している

それぞれについて解説します。

総量規制を超えた借金となっている

カードローンで作った借金が、総量規制を超えている場合は、自己破産を検討した方が良いでしょう。総量規制とは、貸金業法で定められた個人向けの借入限度額(上限金額)のことです。総量規制では、借入総額が年収の3分の1を超えることを禁止しています。

総量規制を超えた借金がある場合には、返済能力以上の貸付が行われていると判断されます。借入限度額を超えているということは、収入に見合った借金ではないということです。

したがって、総量規制を超えた借金を抱えている場合は、早めに自己破産を検討することをおすすめします。自己破産をすることで、借金の返済義務を免除してもらうことができるため、借金返済のプレッシャーから解放されるでしょう。

3年以内に借り入れを完済できる見込みがない

カードローンからの借り入れを、3年以内に完済できる見込みがない場合は、自己破産を検討した方が良いでしょう。借金は、できるだけ早く完済するべきです。しかし、収入が低かったり、他の支出が多かったりすると、なかなか借金を完済できない状態に陥ってしまいがちです。

また、3年以内に完済できる目処が立たない場合には、それだけ金利が高くなることになるので、借金の返済総額も膨らんでしまいます。

そのため、3年以内に借り入れを完済できる見込みがない場合は、早めに自己破産を検討することをおすすめします。

住宅ローンを組んでいない

カードローンからの借り入れがあり、住宅ローンを組んでいない場合は、自己破産を検討した方が良いでしょう。住宅ローンを組んでいない場合は、自宅を失うリスクがないため、自己破産のデメリットが少なくなります。

自己破産をすると、原則として、全ての借金の返済義務が免除されます。そのため住宅ローンの返済も免除されることになりますが、自宅は手放さなければなりません。

そのため、住宅ローンを組んでいる場合には自己破産をするべきかどうか、法律の専門家に相談して判断するべきです。しかし、住宅ローンを組んでいない場合は、自宅を失うリスクがないため、自己破産をしやすくなります。

税金を滞納している

カードローンからの借り入れがあり、税金を滞納している場合は、自己破産を検討した方が良いでしょう。税金は、国や地方公共団体に対する債務であり、非免責債権に該当します。言い換えると、自己破産をしても、税金の支払い義務は免除されないということです。

税金を滞納していると、延滞金や加算金が発生し、税金の額が膨らんでいきます。また、税務署から差し押さえを受けるリスクもあります。差し押さえを受けると、預貯金や不動産、給与などが差し押さえられ、生活水準が下がってしまうでしょう。

そのため、税金を滞納している場合は、早めに自己破産を検討することをおすすめします。自己破産をすることで、カードローンからの借金の返済義務は免除され、税金の支払いに専念することができます。

繰り返しになりますが、自己破産をしても税金の支払い義務は残ります。税務署に状況を素直に相談し分割納付を申請することで、毎月の支払額を減らすことも可能ですが、必ず税金は支払わなくてはいけません。

ライフラインとなっている電気やガス、水道や携帯料金を滞納している

カードローンからの借り入れがあり、電気やガス、水道、携帯料金などのライフラインを滞納している場合は、自己破産を検討した方が良いでしょう。

電気やガス、水道が止まってしまうと、生活が成り立ちません。また、携帯料金を滞納していると、携帯電話が使えなくなり、仕事や生活に支障をきたします。

そのため、ライフラインを滞納している場合は、早めに自己破産を検討することをおすすめします。自己破産をすることで、カードローンからの借金の返済義務は免除されるため、生活に必要な料金の支払いを再開することができるでしょう。

カードローンの借金を自己破産したときの影響

カードローンの借金を自己破産したときの影響は以下の通りです。

  • 信用情報機関に事故情報が記録される(ブラックリストに載る)
  • 家や車は処分される

それぞれについて解説します。

信用情報機関に事故情報が記録される(ブラックリストに載る)

カードローンの借金を自己破産すると、信用情報機関に事故情報が記録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。信用情報機関では、債務整理した事実や延滞などの情報が記録されます。

信用情報機関は以下の3つがあります。

  • JICC(日本信用情報機構)
  • CIC(クレジット・インフォメーション・センター)
  • KSC(全国銀行協会信用情報センター)

これらの信用情報機関は、金融機関から事故情報を収集し、データベース化しています。自己破産をすると、信用情報機関は事故情報を登録する仕組みです。事故情報は、原則として、自己破産の手続きが終了してから5年間〜10年間は削除されません。金融機関は10年間、信販会社・消費者金融は5年間で自己破産した情報が消滅すると言われています。

事故情報が登録される(いわゆるブラックになる)と、クレジットカードの作成や住宅ローンの借り入れが難しくなり、携帯電話の契約や賃貸物件の契約にも影響が出ることもあります。

家や車は処分される

カードローンの借金に限ったことではないですが、自己破産をすると家や車などの財産は処分されることになります。自己破産は、債務者の財産を換価して、債権者に公平に配当するための制度だからです。

自己破産をすると、破産管財人が選任されます。破産管財人は、債務者の財産を調査し、換価可能な財産を処分します。

自宅については、原則として、破産管財人によって売却されます。ただし、自宅が「自由財産」に該当する場合は、売却を免れることができます。自由財産とは、生活に必要不可欠な財産のことを指します。

例えば、自宅の価値が低く、売却しても債権者への配当に充てられない場合は、自由財産として認められる可能性があります。また、自宅を売却すると、家族の生活に支障をきたす場合なども、自由財産として認められる可能性があります。

車についても、原則として、破産管財人によって売却されます。ただし、車が「自由財産」に該当する場合は、売却を免れることができます。ただし、評価額が高価な車や複数の車を所有している場合は、自由財産として認められないため、処分が必要です。

そもそも自己破産とは?

自己破産は、借金の返済が困難になった個人が、裁判所に申し立てを行い、債務の免除してもらう制度のことです。消費者金融や貸金業者からの借金でも利用することができます。

自己破産を申し立てると、裁判所が債務者の財産状況や収入状況などを調査し、破産手続開始決定を下します。これにより、債務者は、原則として、全ての債務の支払い義務が免除されます。

ただし、自己破産にはデメリットもあります。例えば、自己破産をすると、信用情報に事故情報が登録され、一定期間、クレジットカードの利用や借入れができなくなります。また、自宅や車などの財産を処分する必要があります。

自己破産は、あくまでも最後の手段であり、安易に選択すべきではありません。いずれにしても、借金の返済に困ったときは、まず、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、他の債務整理の方法も検討することが大切です。

なお、破産管財人が選任された場合は次のような制限を受けることがあります。

  • 移住制限
  • 郵便物が破産管財人に転送(郵送)される
  • 現在の財産状況を正直に破産管財人に説明する

自己破産できる条件

自己破産ができる3つの条件は以下の通りです。

  • 支払不能状態であること
  • 債務が非免責債権出ないこと
  • 免責不許可事由に該当しないこと

それぞれについて解説します。

支払不能状態であること

自己破産を申請するには、まず、支払不能状態で完済の見込みがないことが条件となります。支払不能状態とは、借金の返済が絶望的な状態のことです。

支払不能状態であるかどうかは、債務者の収入や財産、生活状況などを総合的に判断します。単に借金の金額が多いだけでは、支払不能状態とは言えません。債務者に返済の意思と能力があれば、支払不能状態とは言えないのです。ただし、最低でも30万円以上の借金がないと自己破産できません。

また、支払不能状態は、一時的なものではなく、継続的・恒常的なものであることが必要です。一時的な収入の減少や、緊急の出費があったために、一時的に返済が滞ったような場合は、支払不能状態とは言えません。

債務が非免責債権でないこと

自己破産を申請するには、債務が非免責債権でないことが条件となります。非免責債権とは、自己破産をしても免責されない債権のことを指します。

非免責債権には、以下のようなものがあります。

  • 子供の養育費や配偶者の生活費などの養育費・慰謝料
  • 故意または重大な過失によって発生した損害賠償債務(交通事故の損害賠償金など)
  • 罰金、科料、追徴金などの刑事債務
  • 税金などの公租公課

これらの非免責債権は、自己破産をしても、支払い義務が免除されません。自己破産をしても、その債務の支払い義務は残ります。

なお、非免責債権は破産法で以下のように定められています。

(免責許可の決定の効力等)

第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。

一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
四 次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
七 罰金等の請求権
2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権者のために供した担保に影響を及ぼさない。
3 免責許可の決定が確定した場合において、破産債権者表があるときは、裁判所書記官は、これに免責許可の決定が確定した旨を記載しなければならない。
4 第一項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。

引用:破産法 第二百五十三条

免責不許可事由に該当しないこと

自己破産を申請するには、免責不許可事由に該当しないことが条件となります。免責不許可事由とは、自己破産をしても免責が認められない事由(理由)のことです。

免責不許可事由には、以下のようなものがあります。

  • 破産手続開始の申立前に、債権者を害することを知りながら、財産を隠したり、譲渡したりした場合
  • 破産手続開始の申立前に、賭博や投機的取引によって著しい損失を生じさせた場合
  • 破産手続開始の申立前に、浪費や遊興によって著しい損失を生じさせた場合
  • 破産手続開始の申立前7年以内に、自己破産を行ったことがある場合
  • 破産手続開始の申立時に、重要な事実を隠したり、虚偽の陳述をしたり偏頗弁済をしたりした場合

これらの免責不許可事由に該当する場合は、自己破産をしても、免責が認められません。特に、再び自己破産をしようとしている場合には7年経過している必要があります。

また、免責不許可事由に該当するかどうかは、裁判所が判断します。破産手続き中に虚偽の申告をしたり、重要な事実を隠したりすると、免責が認められなくなるだけでなく、刑事罰の対象にもなりかねないので絶対にしないようにしましょう。

自己破産の流れ

自己破産の流れは以下の通りです。破産者本人が申し立てをすることも可能ですが、通常は弁護士などの専門家が申し立てを行います。

  1. 弁護士に相談
  2. 受任通知が発送(取り立てストップ)
  3. 自己破産の申し立て
  4. 裁判所が破産手続き開始決定
  5. (破産管財事件の場合)破産管財人の選任
  6. (破産管財事件の場合)財産調査・換価
  7. (破産管財事件の場合)債権者集会の開催
  8. (破産管財事件の場合)配当手続き
  9. 裁判官面接
  10. 免責許可決定
  11. 免責決定により債務の免除を受ける

自己破産にかかる期間は、基本的には同時廃止事件で6ヶ月~1年程度、管財事件で1年~が目安です。内容の複雑さによって完了までにかかる期間が異なりますので、まずは法律の専門家に相談してください。

なお、破産手続開始決定の時点で破産者が保有している財産が換価の対象となります。それ以降に取得した財産(お給料)などは含まれないので注意してください。

自己破産のデメリットや注意点

どっち?

自己破産のデメリットは以下の通りです。

  • 免責不許可事由に該当すると利用できない
  • マイホームやマイカーを処分する必要がある
  • ギャンブルや浪費が原因だと自己破産が認められないことがある
  • 手続き中は一部の職業や資格に制限がある
  • 手続き中は引っ越しや旅行の許可が必要
  • 官報に自己破産した事実が掲載される

それぞれについて解説します。

免責不許可事由に該当すると利用できない

自己破産を申し立てる場合には、借金をした理由を問われることになり、借金した理由がギャンブルや浪費などの免責不許可事由に当たる場合には、免責が認めてもらえないことがあります。

具体的な免責不許可事由は以下の通りです。

  • ギャンブル(競馬やパチンコなど)
  • 換金行為
  • 名義貸し
  • 株、先物取引
  • 財産の不当な処分、隠匿
  • 偏頗弁済(一部の債権者のみを優遇して返済する行為)
  • 虚偽の債権者一覧表の提出
  • 詐欺的借入れ

マイホームやマイカーを処分する必要がある

自己破産は、借金の全額を免除してもらえる債務整理手続きですが、マイホームや車などを処分する必要があるというデメリットがあります。

自己破産では、原則として債務者の財産はすべて処分され、債権者に配当されます。これは、債務者の財産を売却してできる限り多くの債権者に弁済するためです。そのため、債務者が所有するマイホームやマイカーも、原則として処分の対象となります。

なお、個人の破産事件の場合は、一定の財産については、換価の対象外(自由財産)とされています。換価の対象外となる資産は以下のとおりです。

①99万円以下の現金
②差押えが禁止された財産
③残高が20万円以下の預貯金
④見込額が20万円以下の生命保険解約返戻金
⑤処分見込価額が20万円以下の自動車
⑥居住用家屋の敷金債権
⑦電話加入権
⑧支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権
⑨支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7
⑩家財道具

ギャンブルや浪費が原因だと自己破産が認められないことがある

自己破産は、借金の全額を免除してもらえる債務整理手続きですが、ギャンブルや浪費が原因だと自己破産が認められないことがあります。

自己破産では、債務者の財産を処分し、債権者に配当することで、債務者の経済的な再生を図る制度です。ギャンブルや浪費によって借金を負った場合には、裁判所が債務者の更生が困難であると判断し、自己破産を認めないことがあります。

ギャンブルや浪費が原因であっても、債務者が真摯に反省し、更生の意欲を示している場合は、自己破産が認められることもありますが、否認される可能性があることを覚えておきましょう。

手続き中は一部の職業や資格に制限がある

自己破産は、借金の全額を免除してもらえる債務整理手続きですが、手続き中は一部の職業や資格に制限があるというデメリットがあります。

自己破産の手続き中は、債務者の経済的な再生を図るために、一定の制限が課されます。

  • 金業(貸金業法6条1項2号)
  • 教育委員会の委員(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条3項1号、第9条1項1号)
  • 行政書士(行政書士法第2条の2 2号)
  • 銀行の取締役・執行役・監査役(銀行法第7条の2  2項2号)
  • 警備員(警備業法14条1項、3条1号)
  • 建築士(建築業法8条1号)
  • 公安審査委員会の委員長および委員(公安審査委員会設置法7条1号、第8条)
  • 公証人(公証人法14条2号)
  • 公正取引委員会の委員長および委員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律31条1号)
  • 公認会計士(公認会計士法4条4号)
  • 国家公安委員会の委員(警察法7条4項1号)
  • 質屋(質屋営業法3条1項6号)
  • 司法書士(司法書士法5条3号)
  • 社会保険労務士(社会保険労務士法5条2号)
  • 商工会議所の会員(商工会議所法15条2項2号)
  • 信用金庫等の役員(信用金庫法17条1項3号)
  • 生命保険募集人(保険業法279条1項1号、307条1項1号)
  • 税理士(税理士法4条2号)
  • 宅地建物取引士(宅地建物取引業法18条1項2号)
  • 土地家屋調査士(土地家屋調査士法5条3号)
  • 日本銀行の役員(理事を除く)(日本銀行法25条1項1号)
  • 不動産鑑定士(不動産の鑑定評価に関する法律16条2号)
  • 弁護士(弁護士法7条4号)
  • 弁理士(弁理士法8条10号)
  • 旅行業の登録(旅行業法6条1項6号、26条1項3号)

自己破産をして復権するまでの期間は3ヶ月〜6ヶ月程度です。

手続き中は引っ越しや旅行の許可が必要

自己破産手続き中は、債務者が自由に引っ越しをしたり、旅行に行ったりすることができません。引っ越しをする場合は、裁判所の許可が必要です。これは、債務者の財産状況に変更があった場合に、適切に対応するためです。

また、旅行についても、原則として、裁判所の許可が必要です。これは、債務者が財産を隠したり、逃亡したりすることを防ぐためです。ただし、これらの制限は、手続きに必要な範囲で課されるものであり、必要以上に債務者の行動を制限するものではありません。

官報に自己破産した事実が掲載される

自己破産は、借金の全額を免除してもらえる債務整理手続きですが、官報に自己破産した事実が掲載されるというデメリットがあります。

官報は、国が発行する公報であり、法律や政令などの公文書や、裁判所の決定などが掲載されます。自己破産の手続きでは、免責決定があると、その事実が官報に掲載されます。

ただ、実物を見ればわかることですが、全国各地の裁判所で債務整理手続をした人が掲載されているため、全てに目を通すのは不可能と言ってよいでしょう。特定の誰かを指名で検索することもできないので、バレる心配はありません。

カードローンの借金を自己破産するときの注意点

カードローンの借金を自己破産するときの注意点は以下の通りです。

  • 自己破産後は7年〜10年カードローンを利用できなくなる
  • 自己破産後は7年〜10年クレジットカードを利用できなくなる
  • 銀行系カードローンは口座が凍結される

それぞれについて解説します。

自己破産後は7年〜10年カードローンを利用できなくなる

カードローンの借金を自己破産すると、自己破産後は7年から10年の間、カードローンを利用できなくなります。これは、自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されるためです。

この間は、キャッシングも利用できなくなるため、計画的にお金を使うようにしましょう。また、事故情報が削除されても、すぐにカードローンが利用できるようになるわけではありません。事故情報が消えると、クレジットカードを利用したこともローンを組んだこともない状態と判断されます。履歴がない人は債務整理をしたことがあるのではないかと疑われて、ローンを断られる可能性が高くなります。

そのため、事故情報が消えた後はクレジットカードヒストリーを積み上げるようにしてください。

自己破産後は7年〜10年クレジットカードを利用できなくなる

カードローンの借金を自己破産すると、自己破産後は7年から10年の間、クレジットカードを利用できなくなります。この間は、ショッピングクレジットも利用できなくなるため、現金払いが基本となります。

また、自己破産後にクレジットカードを作るためには、信用情報機関の事故情報が削除されるのを待つ必要があります。事故情報が削除されても、すぐにクレジットカードが作れるようになるわけではありません。事故情報が消えると、クレジットカードを利用したこともローンを組んだこともない状態と判断されます。履歴がない人は債務整理をしたことがあるのではないかと疑われて、クレジットカードの審査に落ちる可能性が高くなります。

自己破産後にクレジットカードの審査に申し込む場合には、できるだけ審査の甘いカードを選ぶようにしてください。

銀行系カードローンは口座が凍結される

銀行系のカードローンの借金を自己破産すると、口座が凍結されることがあります。これは、当該口座に残っている預金を全て回収するためです。

口座が凍結されると、預金の払い戻しができなくなります。また、給与の振込先が凍結された口座になっている場合は、給与の受け取りにも影響が出ます。

そのため、銀行系のカードローンを利用している場合は、自己破産をする前に、口座の凍結対策を考えておく必要があります。自己破産の申立てをする前に、別の金融機関に新しい口座を開設しておくことで、生活への影響を最小限に抑えることができるでしょう。

自己破産後にキャッシングできるって本当?

「自己破産後にキャッシングできた」というような話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、信用情報機関に金融事故情報が登録されている5年から10年ほどはキャッシングやローンの審査に通過できず、申込をしても借りることはできません。

しかし、自己破産をしたからといって、二度とキャッシングができなくなるわけではありません。信用情報機関の記録から自己破産の事実が消えれば、キャッシングの利用が可能になります。ただし、すぐにキャッシングが利用できるようになるわけではありません。

自己破産から一定期間経過後、安定した収入があり、健全な財産管理ができていると判断されれば、キャッシング会社が融資に応じてくれるでしょう。ただし、審査基準は厳しくなりますし、金利も高めに設定されることとなります。

自己破産から7年〜10年後にローンを組むためにやるべきこと

自己破産から7年〜10年後にローンを組むためにやるべきことは以下の通りです。

  • 複数の金融機関に申し込みをしない
  • 頭金を多めに用意する
  • クレヒスを積み上げておく
  • 過去に利用した金融機関以外から借入をする

それぞれについて解説します。

複数の金融機関に申し込みをしない

自己破産から7年から10年が経過し、ローンの申し込みを検討する際は、複数の金融機関に同時に申し込みをしないことが大切です。

複数の金融機関に同時に申し込みをすると、信用情報機関に複数の照会履歴が残ります。照会履歴とは、金融機関が信用情報を確認した記録のことです。照会履歴が短期間に複数残ると、金融機関は、債務者が今すぐお金が必要で焦っているのではないかと疑われてしまいます。

複数の照会履歴があると、信用リスクが高いと判断され、審査に通らない可能性が高くなります。

そのため、ローンの申し込みは、1つの金融機関に絞ることをおすすめします。また、ローンの申し込みをする前に、信用情報を自分で確認しておくことも重要です。信用情報機関に開示請求をすれば、自分の信用情報を確認することができます。自己破産の記録が残っていないか、他に問題となる情報がないかを確認し、必要に応じて対策を講じておきましょう。

頭金を多めに用意する

自己破産から7年から10年が経過し、ローンの申し込みを検討する際は、頭金を多めに用意するようにしてください。

頭金を多く支払うほど、ローンの借入額が少なくなり、金融機関の審査に通りやすくなるでしょう。また、頭金を多く支払うことで、返済期間を短くしたり、月々の返済額を減らしたりすることができます。返済負担が軽くなれば、延滞のリスクも低くなります。

自己破産後は、計画的な貯蓄を心がけ、頭金づくりに励むことが重要です。

クレヒスを積み上げておく

自己破産から7年から10年が経過し、ローンの申し込みを検討する際は、クレヒス(クレジットヒストリー)を積み上げておくことが大切です。

クレヒスとは、クレジットカードやローンの利用履歴のことを指します。クレジットカードの利用や、ローンの返済を延滞なく行うことで、クレヒスが積み上がっていきます。

クレヒスを積み上げるために、まずはクレジットカードを作ることから始めましょう。自己破産後は、クレジットカードの審査が厳しくなるので、審査が比較的甘いカードに申し込むようにしてください。

クレジットカードの利用や、家賃・公共料金の支払いを延滞なく行うことで、信用情報が回復し、ローンの審査に通りやすくなります。計画的な資金管理を心がけ、着実にクレヒスを積み上げていきましょう。

過去に利用した金融機関以外から借入をする

自己破産から7年から10年が経過し、ローンの申し込みを検討する際は、過去に利用した金融機関以外から借り入れをすることが大切です。

自己破産をした時に利用していた金融機関では、あなたが自己破産をした人物であることが記録されています。信用情報機関の事故情報とは違い、金融機関のデータベースにある情報は何年経っても消えません。

そのため、自己破産後に借り入れを行いたい場合には、自己破産をした時に利用していた金融機関以外を利用するようにしましょう。

まとめ

本記事では、カードローンの借金を実際に自己破産するべきケースやカードローンの借金を自己破産した時のデメリット、注意点などを解説しました。自己破産はお金と時間がかかり、精神的にも大きな負担となります。

今回の記事を参考に、カードローンで借りた借金を自己破産するべきか判断してください。

なお、債務急済では東京や大阪などエリア別に債務整理におすすめの実績のある法律事務所・司法書士事務所を紹介しています。こちらから法律の専門家の検索・検索結果一覧の確認ができるので、借金問題を解決したい方は比較・検討しつつ、気軽に相談してみてください。

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まずは悩みや不安、事情を相談して、払えなくなってしまった借金の対処法や問題解決のためにできることのアドバイスをいただくことをおすすめします。弁護士などの法律の専門家に調査してもらうことで、新たな解決策が見つかり、安心できるはずです。

また、債務急済には債務整理に関連する情報を準備してあります。自己破産に限らず、借金に関する悩みがある場合にはチェックしてみてくださいね。

この記事の監修者

この記事に関係するよくある質問

自己破産の流れが知りたい
自己破産手続きの流れは以下の通りです。 1.弁護士に自己破産手続きを依頼 2.受任通知を債権者に送付 3.申立て書類の作成 4.地方裁判所へ自己破産の申し立て 5.面談(破産審尋) 6.破産手続開始決定 7.(同時廃止のみ)同時廃止決定・免責審尋 8.(管財事件のみ)破産管財人による財産の調査・清算・債権者集会 9.(管財事件のみ)債権者集会 10.免責許可決定・免責許可決定確定
自己破産をした時に残せるお金は?
個人の破産事件の場合は、一定の財産については、換価の対象外(自由財産)とされています。換価の対象外となる資産はご覧のとおりです。 ①99万円以下の現金 ②差押えが禁止された財産 ③残高が20万円以下の預貯金 ④見込額が20万円以下の生命保険解約返戻金 ⑤処分見込価額が20万円以下の自動車 ⑥居住用家屋の敷金債権 ⑦電話加入権 ⑧支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権 ⑨支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7 ⑩家財道具
自己破産した時に注意するべきことは?
自己破産は借金がゼロになる債務整理ですが、信用情報機関に事故情報が記録されます。車や自宅も原則として手放す必要があるため、どうしても借金をゼロにしたい場合のみ申立てをするようにしてください。
自己破産できる資格や条件は?
自己破産をするためには「支払不能状態であること」「債務が非免責債権出ないこと」「免責不許可事由に該当しないこと」を満たす必要があります。ギャンブルが原因の借金は基本的に自己破産できませんが、誠意をもって対応すれば免責が認められる可能性があります。
自己破産をすると所属先や職場に在籍確認などの連絡がいく?
裁判所から所属先や勤務先に在籍確認などの連絡をされることはありませんので安心してください。

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