COLUMN

法人破産で代表者個人の責任はどこまで?連帯保証と財産への影響を解説

お金の悩み

2026.04.302026.04.30 更新

「会社が倒産したら、社長個人も全財産を失うのでは」と不安を抱えていませんか。

法人と代表者は法律上別の人格(法人格)であり、原則として会社の借金が個人に及ぶことはありません。ただし実務では、銀行融資や日本政策金融公庫からの借入に代表者が連帯保証を付けているケースが多く、個人の自己破産まで必要になる場合があります。

この記事では、法人破産で代表者個人が負う責任の範囲と、連帯保証や財産・生活への影響をわかりやすく解説します。

こんな人におすすめの記事です。

  • 法人破産を検討中で、代表者個人がどこまで責任を負うのか不安な中小企業の経営者
  • 銀行借入に連帯保証をしており、自分も自己破産が必要かどうか判断したい社長
  • 自宅や家族名義の財産が処分されるのか、破産後の生活がどうなるのかを知りたい人

記事をナナメ読み

  • 法人と代表者は別人格であり、連帯保証がなければ会社の借金が個人に及ぶことは原則ない
  • 金融機関への連帯保証や個人名義でのカードローン借入があり、個人資産で返済しきれない場合は、代表者個人の自己破産が現実的な選択肢になる
  • 99万円以下の現金や生活必需品、家族名義の財産は守られ、免責確定後は再起業も可能
借金減額診断

法人破産で代表者個人が負う責任の範囲

法人破産で代表者が負う責任の範囲

法人と代表者個人は法律上別の人格として扱われるため、原則として会社の借金が個人に及ぶことはありません。ただし実務では、銀行借入への連帯保証や法人税・消費税の滞納など、代表者個人に責任が生じる例外も存在します。

法人破産で代表者個人が負う責任の範囲を整理するポイントは、以下の3つです。

  • 原則として個人に返済義務は生じない
  • 連帯保証がある借入は個人に請求が及ぶ
  • 税金や社会保険料の滞納は第二次納税義務を負う

自身のケースでどこまで責任を負うのか、判断の基準を一つずつ確認してください。

原則として個人に返済義務は生じない

法人と代表者個人は、法律上まったく別の人格(法人格)です。会社名義の借金はあくまで法人の債務であり、会社の預金・売掛金・在庫などの法人資産から返済される仕組みになっています。

たとえ代表取締役であっても、会社の負債を個人の預貯金や給与で肩代わりする義務は原則として発生しません。

もちろん例外はありますが、まず押さえていただきたいのは「法人の借金=個人の借金」ではないという大原則です。

合わせて読みたい
会社が倒産した時に残った借金は誰が負う?法人と代表者の責任を解説

会社が倒産した時に残った借金は誰が負う?法人と代表者の責任を解説

「倒産を考えているが、会社の借金はどうなるのか不安…」そんな悩みを抱えている経営...

連帯保証がある借入は個人に請求が及ぶ

中小企業が銀行から融資を受ける際、代表者個人の連帯保証を求められるケースが多くなっています。

連帯保証人は、法人(主債務者)とまったく同じ返済責任を負います。通常の保証人であれば「先に会社へ請求してほしい」と主張できる権利(催告の抗弁権・検索の抗弁権)がありますが、連帯保証人にはその権利がありません。

債権者である金融機関は、法人の破産手続きの進行を待たず、代表者の自宅に内容証明郵便を送り、個人へ直接全額の支払いを請求できます。

法人が破産しても、連帯保証債務は消滅しません。

合わせて読みたい
会社の倒産によって社長の生活に何が起こる?家族や財産への影響について解説

会社の倒産によって社長の生活に何が起こる?家族や財産への影響について解説

倒産は会社だけでなく、社長個人にも多大な影響を与えます。倒産が社長にどのような変...

税金や社会保険料の滞納は第二次納税義務を負う

連帯保証とは別に、税金や社会保険料の滞納では法律上の仕組みとして代表者個人に責任が及ぶ場合があります。

国税徴収法32条〜41条により、法人の財産だけで法人税・消費税・源泉所得税などの滞納税金を完納できないとき、一定の条件を満たす代表者等が「第二次納税義務」を負わなければなりません。

社会保険料についても同様の仕組みが存在します。厚生年金保険法89条により、滞納処分には国税徴収法の規定が準用されるため、事業主である代表者個人に第二次納税義務が生じる可能性があるのです。

税金・社会保険料は「非免責債権」(破産法253条1項1号)に該当し、代表者個人が自己破産しても支払い義務は消えません。滞納額が延滞税で膨らむ前に弁護士や税理士へ相談しましょう。

【専門家の回答】会社が倒産したら役員の家族の財産も差し押さえられる?

専門家プロファイルでは、不動産コンサルタントでFPでもある野口 豊一さんが、父親の会社が倒産しそうな方の以下の質問に回答しています。

質問
どこに質問していいのかわからないのでどなたか教えてください。

父の経営する建設業(従業員は父親の兄弟など身内のみ)が再来月あたりに不渡りを出してしまいそうです。 仕事が全然ないわけではなく今も工事を行っている状況ですが 夏頃に引き当てで借りていた金が返せる見込みがありません。

他の従業員等には一切知らせてませんが、両親は自分名義で借りた金をかなり会社に入れています。 両親ともに倒産等の知識がほとんどないため、倒産→自己破産のような事になると頭を悩ませています。

会社が倒産に至った場合、会社の借金は代表取締役である父や取締役になっている父の兄弟のものになるのでしょうか? 父は兄弟たちに迷惑をかけたくないと言っていますが、実際父にはもう貯金等がほとんどなく 兄弟たちはそのような現状を知らない事もあり、貯金があると思われます。 このような場合、兄弟の貯金等が押さえられる事になってしまうのでしょうか?

また、個人の借金だと任意整理や個人再生等もあるようです(私も詳しくはわかっていません)が 会社の借金の場合にも倒産→破産などをさけるような手段があるのでしょうか?
回答(要約)
まず、取締役であるご兄弟に事情が知らされていないのは大きな問題です。取締役は連帯して経営責任を負うため、まずは状況を説明して協力を仰ぐべきでしょう。ご兄弟が借入金の個人保証をしていなければ、法的に財産を差し押さえるのは困難です。しかし、代表者であるお父様は個人保証をしている可能性が高く、その場合は個人財産が処分の対象となります。2度の不渡りを出すと破産手続きに進んでしまうため、民事再生なども視野に入れ、早急に対策を立てることが重要です。

引用:専門家プロファイル|父の経営する建設業が倒産しそうです。

会社の経営が悪化し、ご自身やご家族の将来に大きな不安を感じている状況は、非常にお辛いことでしょう。

しかし実績と経験のある専門家に相談することで、破産や廃業以外の選択肢が見つかったり、守れる財産を明確にできたりと、解決の道筋が見えてくるケースは少なくありません。相談先の事務所によっては相談無料、初期費用0円で対応してくれるところもあります。

当サイトでは、債務整理に強い全国の弁護士・司法書士を検索できますので、一人で抱え込まず、まずは第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

借金問題の専門家を探す

代表者も自己破産が必要になる3つのケース

法人破産で代表者も自己破産が必要な3つのケース

代表者個人にも自己破産が必要になるのは、法人と個人の債務関係が実質的に結びついているケースです。原則は別人格でも、実務上は個人の自己破産が避けられない状況が生じます。

代表者にも自己破産が必要になる典型的なケースは、以下の3つです。

  1. 金融機関の借入に連帯保証をしている
  2. 会社のために個人でカードローンなどを借り入れている
  3. 経営者保証ガイドラインの要件を満たさない

自身の状況がどのケースに該当するかを、順に確認してください。

1. 金融機関の借入に連帯保証をしている

代表者が連帯保証人になっている場合、金融機関は法人の破産手続きとは別に代表者へ直接全額を請求できます。たとえば銀行借入3,000万円の連帯保証をしていて、代表者の個人資産が500万円しかない場合、残債は以下のように整理されます。

項目金額
銀行借入(連帯保証)3,000万円
代表者の個人資産500万円
個人に残る返済義務2,500万円

個人の収入や自宅・預貯金では到底返しきれない金額を抱えた場合、代表者自身の自己破産が現実的な判断になるでしょう。

合わせて読みたい
自己破産とは?借金をゼロにする仕組みと手続きの流れと注意点

自己破産とは?借金をゼロにする仕組みと手続きの流れと注意点

借金の返済に追われ、「もう限界だ…」と一人で抱え込んでいませんか?自己破産は、決...

2. 会社のために個人でカードローンなどを借り入れている

代表者が個人名義のカードローンや消費者金融で借りたお金を会社の運転資金に充てているケースは、中小企業では珍しくありません。

たとえば、個人名義で消費者金融や銀行カードローンから500万円を借り入れ、全額を会社の給与支払いや仕入れ資金へ貸し付けているとします。この場合、法人破産により会社からの返済は見込めなくなりますが、金融機関への500万円の返済義務は代表者個人が負い続けます。

個人の給与収入や退職金だけで返済できる見込みがなければ、代表者自身の自己破産を検討する段階です。

合わせて読みたい
カードローンの借金も自己破産の対象にできる?手続きの流れや注意点を解説

カードローンの借金も自己破産の対象にできる?手続きの流れや注意点を解説

カードローンの返済が厳しくなってきて、「これって自己破産で解決できるのかな?」と...

3. 経営者保証ガイドラインの要件を満たさない

「経営者保証に関するガイドライン」は、全国銀行協会と日本商工会議所が策定した、裁判所を通さずに保証債務を整理できる私的整理の仕組みです。

この制度を使えば、代表者が自己破産をせずに連帯保証債務の免除を受けられる可能性があります。99万円を超える一定の生活資金(インセンティブ資産)を手元に残せる運用もあり、通常の破産より有利な条件で再出発を図れます。

ガイドライン適用には、主に以下の条件を満たす必要があります。

  • 法人と経営者個人の資産が明確に分離されていること
  • 法人に一定の債務返済能力が認められること
  • 事業再生計画が策定され、債権者に承認されていること

法人破産の段階まで追い込まれているケースでは要件を満たせないことが多く、代表者個人の自己破産を選択せざるを得ません。自身のケースで適用可能かどうかは、資金繰りに余裕がある早い段階で弁護士に判断を仰いでください。

合わせて読みたい
合同会社の倒産で危ないのはココ!破産の責任と解決策を解説

合同会社の倒産で危ないのはココ!破産の責任と解決策を解説

合同会社の破産や民事再生は、借金問題を抱えた際に選択される法的手続きです。経営が...

【専門家の回答】連帯保証人である親に迷惑がかかる?事業失敗による高額な借金の相談事例

専門家プロファイルでは、事業失敗による多額の借金を抱え、連帯保証人である父親への影響を心配する相談が寄せられています。この質問に、ファイナンシャルプランナーの大間 武さんが回答しています。

質問
約10年前に事業融資で借りた1億円の残高がいまだに9千万円あります。レストランビジネスに失敗してまいました。もともと貯金もなく全額借金(レストランの敷地約100坪を担保に、現在72歳の父親を連帯保証人)でスタートしました。現在は建物と土地を他人に貸してその家賃で返済中ですが、毎月元金が5万円づづしか払えません。父親には相続財産がかなりあり、無借金です。わたしの借金を父親に移転できるとしたら、どんなケースが考えられますか?派遣社員の自分にはとうてい返済できる金額でではありません。返済不能とみとめられるには自己破産などしか方法はないのでしょうか?
回答(要約)
情報が不足しているため確実な回答は難しいとしつつ、まずは返済状況や担保となっている土地の所有者などを確認する必要があると指摘しています。返済困難と金融機関に判断されれば、連帯保証人である父親に請求がいく可能性が高いです。自己破産は人生に大きな影響を及ぼすため、安易に判断すべきではありません。まずは父親や他の相続人ともよく相談し、法的手続きについては弁護士へ依頼するなど慎重に進めるべきだとアドバイスしています。

引用:専門家プロファイル|借金9000万円返済不能

会社の借金で連帯保証人になっている場合、ご自身だけでなく大切なご家族の将来にも影響が及ぶ可能性があります。一人で抱え込まず、まずは債務整理の専門家である弁護士・司法書士に相談してみませんか。

相談無料初期費用0円で対応してくれる事務所も数多くあります。当サイトでは全国の弁護士・司法書士を検索できますので、あなたのお悩みを解決できる専門家がきっと見つかります。

借金問題の専門家を探す

法人破産後の代表者の財産と生活への影響

法人破産後の代表者の財産と生活への影響

連帯保証等により代表者自身も自己破産をする場合でも、個人の財産すべてが処分されるわけではありません。家族名義の資産や生活再建に必要な現金は守られる仕組みが整っています。

法人破産後の代表者の財産と生活への影響で押さえるべきポイントは、以下の5つです。

  • 家族名義の財産は処分されない
  • 99万円以下の現金や生活必需品は残せる
  • 手続き開始前の役員報酬は自由財産で残せる
  • 手続き開始後の収入は自由に使える
  • 信用情報は5〜10年登録される

何が残り何を失うのかを、一つずつ正確に把握してください。

家族名義の財産は処分されない

法人破産はあくまで「会社」の手続きであり、配偶者や子ども名義の財産は原則として処分の対象になりません。

ただし、家族名義でも原資が代表者の収入である預貯金や代表者が保険料を負担していた保険は、実質的に代表者の財産と判断され処分対象になる場合があります。

また、破産直前に代表者の預金を配偶者口座へ移したり自宅の名義を子どもへ書き換えたりした場合、詐害行為として名義変更が無効になる可能性があります(民法424条)。

「財産隠し」と判断されれば名義変更が無効になるだけでなく、免責が認められなくなるリスクも生じるため注意が必要です。

不安な場合は、弁護士に財産の帰属関係を早めに確認してもらいましょう。

99万円以下の現金や生活必需品は残せる

代表者が自己破産しても、手持ちの現金が99万円以下であればそのまま残せます。破産法34条3項が定める「自由財産」に該当するためです。

現金以外にも日常生活に必要な物品は処分の対象になりません。具体的には以下のようなものが手元に残ります。

  • 衣類・寝具・タンスや食卓などの生活家具
  • 冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・テレビなどの家電(同種1点まで)
  • 1ヶ月分の食料や燃料
  • 実印・認印
  • 仕事に必要な道具(パソコンなど)

現行法は破産者の生活再建を前提に設計されており、当面の生活資金と日用品は法的に守られています。

合わせて読みたい
自己破産による7つのデメリットとは?|生活への影響を解説

自己破産による7つのデメリットとは?|生活への影響を解説

自己破産を検討されているとのこと、そのお気持ちよく分かります。借金からの解放は大...

手続き開始前の役員報酬は自由財産で残せる

破産手続の開始を決定する前に毎月受け取っていた役員報酬は、家賃・食費・光熱費などの生活費としてすでに消費されているのが通常です。手元に残っている現金が99万円以下であれば、自由財産としてそのまま保持できる可能性があります。

ただし注意すべき点があります。破産を検討し始めた段階で、未払いだった数ヶ月分の役員報酬をまとめて受け取るような行為は、偏頗弁済とみなされるリスクが高いのです。この場合、破産管財人から返還を求められたり、免責が認められなくなったりする可能性があります。

一方で、事業停止前に生活費の範囲内で支払われる役員報酬は実務上許容される場合があります。許容される金額は従前の報酬額や家族構成によって異なるため、弁護士に確認してください。

手続き開始後の収入は自由に使える

破産手続開始決定後に得た給与や事業収入は「新得財産」(破産法34条1項)と呼ばれ、破産財団には組み込まれません。破産管財人の管理下にも置かれないため、家賃・食費・子どもの学費など自由に使えます。

破産手続中であっても就職・転職・副業で収入を得ることに法的な制限はなく、稼いだお金はすべて自身のものです。

信用情報は5〜10年登録される

代表者が自己破産すると、個人信用情報機関に事故情報が登録されます。登録期間は機関ごとに異なります。

信用情報機関登録期間
CIC約5年
JICC約5年
全銀協(KSC)最大7年

登録期間中は「ブラックリスト入り」の状態となり、金融機関の審査で不利になるため以下のような取引が難しくなります。

  • クレジットカードの新規発行や家族カードの作成
  • 住宅ローンや自動車ローンの契約
  • カードローン・キャッシングの利用
  • 事務機器やコピー機などの事業用リース契約

法人破産だけであれば代表者個人の信用情報には影響しません。あくまで代表者自身が自己破産した場合に登録される点は押さえておいてください。

登録期間が過ぎれば事故情報は削除され、金融取引も通常どおり利用できます。

合わせて読みたい
5年以内にクレカ復活?自己破産後に使えるクレジットカードのつくり方を解説

5年以内にクレカ復活?自己破産後に使えるクレジットカードのつくり方を解説

クレジットカードの利用に関する自己破産の問題について、どのように対応すべきか悩ん...

【専門家の回答】家族の協力で自宅を残したい!任意売却の名義はどうすべき?

専門家プロファイルでは、不動産コンサルタントの藤原 鉄平さんが、破産する父親の自宅を任意売却で買い取る際の名義に関する相談に回答しています。

質問
父が経営していた会社が倒産し破産宣告を受けます。せめて住み慣れた自宅だけでも残してあげたいと、私と弟で資金を出し合い、任意売却にて買い取ることにしました。 私は出した額に応じて共有名義にすべきと思っていますが、父が管財人弁護士に聞いたところによると、弟からお金を借りたことにし、私の単独名義にしたほうが良いとのことでした。(借用書などはちゃんと作った上で) 私は父と別居ですが、弟は同居で住民票が一緒だから任売では買い取れないと言われたそうなのですが、本当ですか。 今回のような場合、名義はどうするのが最適なのでしょうか。
回答(要約)
破産を前提とした任意売却では、裁判所の許可を得るために取引の客観性が重要です。同居している弟様の名義では、破産するお父様と住所が同じため客観性が保たれないと判断される可能性があります。そのため、管財人弁護士は別居しているご相談者様の単独名義を推奨していると考えられます。弟様から資金援助を受ける場合は、税務上の問題を避けるためにも、正式な借用書を作成することが不可欠です。

引用:専門家プロファイル|任意売却時の名義について

法人破産では、ご自身の財産だけでなくご家族の生活にも大きな影響が及ぶため、不安な気持ちになるのは当然です。

今回のように、専門知識を借りて適切なアドバイスをもらうことで、不要な損害や被害を防ぎ、家族の資産を守れるというメリットや利益を得られるケースもあります。まずは、お一人で悩まず専門家に相談してみませんか?全国の弁護士・司法書士が対応しており、多くの場合、相談無料、初期費用0円から始められます。最適な解決策を見つける第一歩として、ぜひご活用ください。

借金問題の専門家を探す

免責確定まで代表者が受ける3つの制限

免責確定まで代表者が受ける3つの制限

代表者が自己破産を申し立てると、免責確定までの間は日常生活にいくつかの制限がかかります。

免責確定まで代表者が受ける、日常生活における制限は以下の3つです。

  1. 一部の職業や役員就任が制限される
  2. 長期の旅行や引っ越しに許可が必要になる
  3. 郵便物が破産管財人に転送される

いずれも一時的なもので、免責確定とともに解除されます。法人破産と同時に申し立てた場合、免責確定までの期間は半年〜1年程度が目安です。

1. 一部の職業や役員就任が制限される

破産手続中の代表者は、法律で定められた一部の職業に就けなくなります。制限対象となる代表的な職業は以下のとおりです。

  • 警備員(警備業法14条)
  • 生命保険募集人・損害保険代理店
  • 宅地建物取引士(宅建業法18条)
  • 貸金業者
  • 弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの士業

一般的な会社員やアルバイト、飲食店勤務、工場勤務などには影響がありません。

会社の取締役・執行役については破産開始決定により委任契約が終了し(民法653条2号)、従前の役員としての地位は一旦失われます。2006年の会社法改正で自己破産は取締役の欠格事由から外されており、株主総会で再選任されれば手続中でも就任できます。

合わせて読みたい
自己破産の手続き完全ガイド|流れ・必要書類・費用までわかりやすく解説

自己破産の手続き完全ガイド|流れ・必要書類・費用までわかりやすく解説

毎月の返済が苦しくて、もうどうしていいか分からない。そんな状況でも、自己破産とい...

2. 長期の旅行や引っ越しに許可が必要になる

破産手続中の管財事件では、破産者(法人破産では代表者等を含む)は、裁判所の許可なく居住地を離れることができません。これは破産法37条の規定で、39条により法人の代表者等にも準用されます。

制限の対象は、引っ越しや宿泊を伴う旅行・出張などで、通常の通勤や買い物、日帰りの外出までは含まれません。実務上は、国内なら2泊以上の旅行・出張、海外渡航は原則として1泊でも事前許可が必要と整理されることがあります。

許可申請は通常、破産管財人の同意を得たうえで裁判所に提出します。親族の葬儀ややむを得ない帰省などは、手続に支障がない範囲で許可されることがあります。

3. 郵便物が破産管財人に転送される

管財事件では、裁判所が必要と認める場合、破産者宛の郵便物が破産管財人に転送されます。実務上は、破産者の財産や債務の調査のため、原則として転送が行われることが多いです。

管財人は破産者宛ての郵便物を開封して内容を確認でき、未申告の財産や債務に関係する情報がないかを調べます。調査に不要と判断された郵便物は、面談時の手渡しや郵送で破産者に返還されます。

なお、通常は破産者宛ての郵便物のみが対象で、同居家族宛ての郵便物は転送されません。転送措置は、破産手続中に限って行われます。

【Yahoo!知恵袋の声】破産手続き中の職業制限に悩む人の声

Yahoo!知恵袋では、自己破産の手続き中に、職業制限によって仕事の継続や再就職に不安を抱える方の声が見られました。

質問
現在、破産免責の申立て中ですが、数ヶ月前に測量設計会社に再就職できましたが、 “自己破産により制限を受ける職業、資格”の中に現在の会社の許可業務である 建設業・測量業者が含まれています。 これによると、退職しなくてはいけないのでしょうか? また、破産の免責決定までは、所得している土木施工管理技士・測量士の資格で就職活動は出来ないのでしょうか?

現在、役員として経営参加していた会社が倒産し、連帯保証等の関係で自己破産の申請(破産免責の申立)を弁護士を通して行っています。 無職のままでは生活できず、年齢(50代)的なものもあり必死の就職活動でやっと就職できましたので、出来ることならこのまま仕事が出来ればとも思います。しかし、会社に迷惑をかけられませんし・・・

引用:Yahoo!知恵袋

自己破産の手続き中は職業制限がどこまで及ぶのか、ようやく見つけた仕事を続けられるのかと、不安が次々に湧いてきます。対象となる職種・資格は法律で限定されていますが、自分の業界が該当するかどうかは個別判断が必要です。

法人破産と代表者個人の自己破産に詳しい専門家であれば、再就職や資格活用の可否、復権までのスケジュールまで踏み込んで助言してくれます。

相談無料、初期費用0円で対応する全国の弁護士・司法書士事務所もあります。手続き中の生活設計も含めて、まずは状況を共有してみてください。

借金問題の専門家を探す

【まとめ】法人破産は専門家へ早めに相談しよう

法人破産と代表者の責任に関するよくある質問

本記事では、法人破産で代表者個人が負う責任の範囲と連帯保証や財産・生活への影響について解説しました。

法人と代表者は法律上別人格であり、原則として会社の借金が個人に及ぶことはありません。ただし連帯保証や個人名義の借入がある場合は、代表者自身の自己破産が現実的な判断になります。

99万円以下の現金や生活必需品は手元に残せ、免責確定後は再起業も可能な制度設計です。状況が苦しいほど取れる手段は狭まるため、早い段階で破産に詳しい弁護士へ相談して自身と家族の生活を守る準備を進めてください。

代表者個人の責任範囲や自己破産の要否に迷っている方は、債務急済を活用すれば、自身の状況に合った専門家を無料で探せます。

気になることがあれば、ぜひ無料相談から始めてみてください。

債務整理や借金問題の相談先をお探しならこちら|債務急済

この記事の監修者

この記事に関係するよくある質問

法人と個人の同時破産にかかる費用はいくらですか?
合計で100万〜300万円程度が目安です。裁判所への予納金は、東京地裁の同時申立てで約20万〜40万円、負債額や裁判所によってはさらに高額になります。弁護士費用は法人・個人あわせて100万円前後が相場です。弁護士費用の分割払いに応じている事務所も多いのですが、予納金は原則一括払いのため、早めに資金を確保しておくと安心です。
法人破産の手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?
申立てから終結までおおむね半年〜1年が目安です。少額管財なら半年〜8ヶ月で完了する例もあります。代表者個人の自己破産を同時に申し立てても、並行して進むため総期間は6ヶ月〜1年に収まるのが一般的ですが、負債額や資産状況で大きく変わります。
法人破産すると官報に掲載されますか?
必ず掲載されます。破産法10条・32条の法定事項なので、回避することはできません。破産手続開始決定時と手続終結時に会社名・所在地・代表者氏名が官報に載ります。代表者個人も自己破産を申し立てている場合は、氏名だけでなく住所も別途掲載されます。
破産直前に家族へ財産の名義変更や特定の債権者への返済をしてもいいですか?
いずれも絶対にやってはいけません。自宅や預金を配偶者名義に書き換える行為は破産法265条の詐欺破産罪に該当し、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。特定債権者だけへの返済も偏頗弁済として管財人に否認されるため、必ず弁護士の指導のもとで判断してください。
従業員の未払い給与は代表者個人が立て替えるべきですか?
立て替える法的義務はありません。独立行政法人労働者健康安全機構が運営する未払賃金立替払制度により、従業員は退職日の6ヶ月前までの未払い賃金(退職金を含む)について、総額の8割を立替払として請求できます。代表者の負担はゼロのため、制度の存在を従業員へ伝えて労働基準監督署の手続きへつなげてください。
会社から代表者への貸付金は破産後も返済が必要ですか?
返済を求められる可能性が高いようです。会社から代表者への貸付金(役員貸付金)は法人の「資産」として扱われ、破産管財人が債権を回収して債権者への配当に充てます。応じなければ管財人から支払督促や訴訟に発展するケースもあるため、貸付金の有無や金額は弁護士への相談段階で必ず確認しておきましょう。

※当社(株式会社WEBY)は直接債務整理のサービスを提供しておらず、債務整理の相談や依頼については紹介事務所へのリンク先で対応となるため、当サイトでは債務整理に関する個人の相談や質問にはお答えできません。
当サイトのコンテンツは事実に反しないよう尽力していますが、内容の正確性や信頼性、安全性を担保するものではありません。
債務整理の無料相談や依頼にお申し込みされる際は各弁護士事務所・司法書士事務所等の公式ホームページに記載されている内容をご確認いただき、自己判断していただけますようお願いいたします。
当サイトは株式会社WEBYと提携する企業のPR情報が含まれます。
当サイトで掲載しているコンテンツは個人および法人へ向けた情報提供が目的であり、債務整理を提供する事業者との契約代理や媒介、斡旋を助長するものではありません。

SIMULATION

借金がどのぐらい減額できるかを無料で診断致します。

CONSULTATION

エリアから専門家を探す