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「債務整理をすると人生終わり」は本当か?債務整理のデメリットとその対処法

お金の悩み

2026.04.232026.04.23 更新

借金の返済に悩み、債務整理を検討する中で「人生が終わるのでは」と不安を感じていませんか。

ネット上にはさまざまな情報が溢れていますが、債務整理は借金返済の悩みから解放され生活を再建するのための正当な手続きです。 債務整理は確かにデメリットを伴うものですが、種類ごとのデメリットやそれぞれの生活への影響を正しく把握すれば、過度に心配する必要はありません。

本記事では、債務整理の種類ごと(任意整理・個人再生・自己破産)に、そのデメリットや対処法を解説します。

債務整理に関する誤解と共通するデメリット

債務整理に関する誤解とデメリット

債務整理と聞いて、「生活が完全に破綻してしまうのでは」と不安を感じる方もいるかもしれません。 しかし、ネット上には誤解に基づいた虚偽の情報が数多く流れているのが実情です。

この制度は多重債務で苦しむ人々を法的に救済し、経済的な生活を再建するための手続きです。     漠然とした不安を解消するために、まずはそれぞれの手続きに共通するリスクと正しい仕組みを把握していきましょう。

債務整理に関するよくある誤解

「債務整理をすると人生が終わる」という極端な認識は、事実と異なる大きな誤解です。

戸籍や住民票に履歴が残ることや、選挙権や年金受給権を失うといった日常生活に支障をきたす致命的なペナルティは一切存在しません。 これは多重債務で苦しむ人々を法的に救済し、健全な社会生活を取り戻すために国が正式に定めた正当な手続きだからです。 実際に借金問題を適切に解決し、平穏な日常を取り戻して社会復帰を果たした人は全国に数多く存在しています。

解決策が見えないまま専門家への相談を躊躇し、借金の利息がさらに膨らむことこそが、生活再建を遠ざける最大の要因となります。正しい知識を持ち、現在の収入や支出のバランスに合った最適な解決策を選択しましょう。

信用情報機関に事故情報が登録される仕組み

債務整理をすると、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が登録されます。

ブラックリストという言葉には強い恐怖心を感じるかもしれませんが、実際のリストや名簿の冊子が存在するわけではありません。 信用情報機関と呼ばれる専門のデータベースに、個人の金融事故情報が記録されている状態を指しています。

信用情報機関とは、銀行やクレジットカード会社が個人の客観的な返済履歴を共有するために構築したシステム。 債務整理の手続きを開始すると、契約通りに借金の返済ができなかったという事実が事故情報として登録されます。

  • 金融機関が新たな貸付を行う際に、申込者の現在の返済能力を客観的かつ正確に判断するため
  • 個人の過剰な借り入れを未然に防ぎ、健全な金融市場の安全性と秩序を維持・保護するため

これは決して個人を社会的に罰するためのものではなく、借金に頼らない生活を立て直すための安全装置です。 信用情報機関に登録されている期間は、原則として新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなる点に注意してください。 しかし、データベースの仕組みと運用ルールを正しく理解すれば、不必要に心配する必要はありません。

ブラックリストの掲載期間と生活への制限

信用情報機関に事故情報が登録される期間は、利用する債務整理の手続きの種類によって明確に定められています。 各手続きにおける一般的な掲載期間の目安を、以下に整理しました。

手続きの種類信用情報機関への掲載期間の目安
任意整理手続きが完了してからおおよそ5年間
個人再生手続きが完了してからおおよそ5年〜10年間
自己破産手続きが完了してからおおよそ5年〜10年間

ブラックリストに登録されている間に、日常生活において制限される代表的な事項を把握しておくことが重要です。

  • クレジットカードの新規作成、および現在保有している既存カードの契約更新や継続的な利用
  • 住宅ローンや自動車ローンなど、高額な商品を購入するための新規の各種ローン審査への通過

一方で、信用情報機関に事故情報が登録されても、日常生活における基本的な権利や行動が制限されることはありません。

  • 賃貸アパートの契約や更新に関する基本的な手続き(信販系保証会社を利用する場合を除く)
  • 銀行口座の新規開設や、パスポートおよび運転免許証といった公的な身分証明書の申請と発行

制限される範囲をあらかじめ正しく理解することで、現金払いや代替サービスを賢く活用した生活設計が十分に可能です。 規定の期間が経過した後は事故情報が自動的に抹消され、再びクリーンな状態で健全な金融取引を再開できます。

種類ごとの特徴とそれぞれのデメリット

種類ごとの特徴とデメリット

債務整理には主に3つの手続きがありそれぞれ特徴とデメリットが異なります。 ご自身の状況に合った最適な解決策を選ぶために各手続きの違いを比較しましょう。

手続き名借金の減額幅財産への影響周囲へのバレやすさ
任意整理将来利息のカット整理する対象を選べるため影響は最小限裁判所を通さないため家族に知られにくい
個人再生借金を5分の1から10分の1程度まで大幅に減額条件を満たせば持ち家や車を残すことが可能裁判所を通すことや、官報への掲載により知られるリスクがある
自己破産税金などを除くすべての借金の支払い義務が免除価値の高い車や不動産などの財産は処分対象裁判所の手続きと官報への掲載に加えて一部の職業制限がある

任意整理で将来利息をカットする際のデメリット

任意整理は裁判所を通さずにカード会社等と直接交渉して将来利息をカットする手続きです。

毎月の返済負担を軽くできる一方で、必ずしも交渉が成立するとは限りません。 最近では会社側が和解条件を厳しくする傾向にあります。

例えば、取引期間が1年未満と短い場合は十分な利益を得ていないため交渉を拒否されやすい傾向です。また、過去に何度も支払いを遅延している場合は、信用がないと判断され和解が難航する可能性があります。

仮に和解が成立しなかった場合は、他の解決策へ切り替える必要があります。          

具体的には、元本自体を減額できる個人再生への変更が有効な選択肢です。 どうしても返済の目処が立たない場合は自己破産も視野に入れてください。 早めに専門家へ相談し、会社ごとの対応傾向を把握することが大切です。

個人再生で住宅ローンを残すための条件

個人再生は借金を大幅に減額しながら持ち家を守ることができる有効な手続きです。 この際に活用するのが「住宅ローン特則」という制度。 ただし、この制度を利用して家を残すためには、以下の条件をクリアしなければなりません。

  • 住宅ローンの支払いが遅延し保証会社による代位弁済から6ヶ月以内であること
  • 対象の住宅にローン以外の抵当権などの担保が一切設定されていないこと

この制度はあくまで住宅ローン以外の借金のみを減額する仕組みです。 そのため住宅ローン自体はこれまで通り毎月全額を支払い続ける必要があります。 住宅ローンに加えて減額された他の借金も並行して返済するための継続的な支払い能力が求められます。返済が途絶えてしまうと、手続きが取り消され、最終的に持ち家を手放す恐れもあるので注意しましょう。

自己破産で処分される財産と手元に残せる財産

自己破産をするとすべての財産を失って人生が終わるというイメージは大きな誤解です。 法律では生活を立て直すために最低限必要な財産は手元に残すことが認められています。

具体的には、99万円以下の現金であれば没収されることなく当面の生活費として維持できます。    また、テレビや冷蔵庫などの一般的な生活家電や衣類も処分の対象外です。 パソコンやスマートフォンについても仕事や日常生活に不可欠なものとして残せることが多いでしょう。

一方で、処分される財産には査定額が20万円を超える自動車や不動産などが含まれます。 解約返戻金が20万円を超える生命保険も原則として解約し債権者への支払いに充てられます。 ただし古い年式の車で価値が20万円を下回る場合はそのまま乗り続けることが可能です。 自己破産は決して身ぐるみ剥がされる手続きではなく、経済的再起を支援するための制度。 手元に残せる財産の明確な基準は裁判所ごとに異なるため、専門家への事前の確認が欠かせません。

保証人がいる借金を整理する場合の注意点

奨学金や一部のローンなど保証人が設定されている借金を整理する際は慎重な対応が必要です

主債務者が債務整理を行うと、保証人に残りの借金を支払う義務が移行してしまいます。 債権者は分割払いの権利が失われたとして、保証人に対して残金の一括請求を行います。 突然高額な請求書が届くことで、親族や友人である保証人とのトラブルが生じる恐れがあるので注意しましょう。

こうした事態を防ぐためには、弁護士へ依頼する前に必ず保証人へ直接事情を説明してください。 現在の厳しい経済状況と債務整理によって迷惑をかけてしまう事実を誠実に伝えることが重要です。

保証人自身も一括返済が難しい場合は、一緒に債務整理の手続きを行うという選択肢も検討する必要があります。 任意整理であれば保証人がついている借金を手続きの対象から除外して払い続けることが可能です。

保証人への影響を最小限にしたい場合は整理する対象を選べる任意整理の活用がおすすめです。 独断で進めずに保証人への影響を最小限に抑える具体的な手順を専門家へ相談することが解決への近道です。

日常生活への影響と対処法

日常生活の影響と対処法

債務整理を検討しながらも、生活への影響を恐れて手続きを躊躇する方は少ないと思います。具体的な影響やその対処法を把握し、不安を最小限にしていきましょう。

「クレジットカードが今後二度と使えなくなるのでは」と不安に思う方がいるかもしれませんが、約5年から10年の間は使用を制限されるものの、デビットカード等で代替することが可能です。

ローン返済中のマイカーについては、任意整理を選択して自動車ローンを手続きの対象から外せばそのまま手元に残すことができます。 スマートフォンの契約についても、通信料の滞納がなく端末代を一括精算していれば解約されず継続利用が可能です。

クレジットカードが使えない期間の代替手段

信用情報機関に事故情報が登録されている期間中は、クレジットカードの新規発行や継続利用が制限されます。 ただし、クレジットカードの利用が制限されたとしても、以下の方法によって対処することが可能です。

  • 銀行口座の残高から即時引き落とされるデビットカードを利用したスムーズな決済
  • 信用情報に問題のない配偶者が本会員となっている家族カードの発行による支払いの維持

高速道路を利用する機会が多い方は、最低2万円のデポジット預託による審査不要のETCパーソナルカードを申し込んでおきましょう。 携帯電話の通信料を遅れずに支払い、毎月の利用料金と合算して請求されるキャリア決済枠をスマホ決済の最終手段として死守するべきです。 キャリア決済枠が十分に確保されていれば、手元に現金がない場面でもカード払いと同等の利便性で買い物を続けることが可能です。 これらの代替手段を自身のライフスタイルに合わせて柔軟に組み合わせることで、日常生活への悪影響を最小限に抑えつつ生活再建を目指せます。

自動車ローンや住宅ローンへの影響を最小限にする方法

ローン返済中の財産がある状態で債務整理を行うと、所有権留保という仕組みによって原則として車や商品は引き揚げられてしまいます。

しかし、手続きの種類を正しく選択し事前に対策を講じることで、生活の基盤となるマイカーや持ち家を手元に残すことは十分に可能です。 借金の減額と引き換えに重要な財産を失ってしまう事態を防ぎ、現在の生活環境を守り抜くための具体的な方法は以下の通りです。

  • 自動車ローンを手続きの対象から外す任意整理を選択し、他の借金のみを計画的に減額する
  • 住宅ローンを抱えている場合、個人再生の特例である住宅資金特別条項を利用して持ち家の処分を回避する

銀行での債務整理による口座の一時的な凍結リスクを防ぐため、ローン引き落とし口座や給与振込先は速やかに変更しておきましょう。 自己破産や個人再生はすべての債務を平等に整理する義務があるため、特定のローンだけを除外して返済を続けることは法律上認められません。 また住宅ローン自体を長期間滞納して保証会社が代位弁済を行っていると、特例の適用が認められず家を失う危険性が高まるため注意が必要です。 失いたくない重要な財産がある場合は手遅れになる前に専門家へ早期相談し、ご自身の状況に最も適した安全な手続きを見極めてもらってください。

携帯電話の分割払いや新規契約に関する注意点

スマートフォンは現代生活の重要なインフラであり、手続きによる回線の強制解約を不安に感じる方は非常に多くいらっしゃいます。 基本的に毎月の通信料を滞納せずに期日通り支払い続けていれば、債務整理をしたという理由だけで通信契約が解約されることはありません。 現代社会で必須となる通信手段を失わないために、携帯電話の契約や端末購入に関する重大なリスクを避ける注意点は以下の通りです。

  • 高額なスマートフォン端末の分割払いが残っている場合、携帯電話会社を対象から外して支払いを継続できる任意整理を活用する
  • 新規契約の際の審査通過に向け、安価な中古のSIMフリー端末を購入し格安SIM事業者と新たな通信契約を結ぶ

端末の分割代金を債務整理の対象に含めてしまうと、未払い処理に伴う回線の強制解約リスクが生じるため徹底的に回避しましょう。 この方法を選択すれば、手続き直後の手持ち資金が乏しい時期であっても、初期費用を大幅に抑えつつ新しい環境でスマホを利用し続けられます。 高額な最新機種の分割購入は制限されますが、一括購入であれば審査の必要がないため新しい端末を手に入れること自体は問題なく可能です。 携帯電話の契約状況は生活再建のスピードに直結するため、分割払いの有無を事前に確認し専門家へ正確な情報を伝えることが重要です。

官報掲載によるプライバシーへの影響と実態

個人再生や自己破産という手続きを選択すると、国が毎日発行している機関紙である官報に氏名や住所などの個人情報が掲載されます。

官報に自分の情報が載ることで、職場や近所の人に借金問題を抱えている事実が一瞬で知れ渡るのではないかと不安に思う方は多いでしょう。 誰かに知られるかもしれないという不安を和らげるために、官報掲載によるプライバシーへの影響に関する実態をいかに整理します。

  • 一般の人が日常生活の中で官報の存在を意識したり、わざわざ毎日の膨大な発行物に目を通したりする可能性は極めて低い
  • 官報に記載された情報を業務として定期的に確認しているのは、信用情報機関の担当者や市役所の税務担当などごく一部に限られる

インターネット上で無料で閲覧できるWeb版の官報でも、過去の膨大なデータから氏名でピンポイント検索するのは非常に困難です。

勤務先が金融機関や警備会社などの特殊な業種でない限り、官報の掲載情報から借金整理の事実が周囲の一般人に気付かれるリスクはほぼありません。 また、裁判所を通さない任意整理を選択すれば、そもそも官報に個人情報が掲載されること自体がないためプライバシーは完全に守られます。

家族や勤務先にバレるリスクと対処法

家族や会社への影響

債務整理を検討する際、家族や職場に知られてしまうのではないかと不安に感じる方は少なくありません。 周囲に発覚してしまう主な原因は、日常生活における些細な変化や手続き上の不注意に潜んでいます。 それぞれの状況に応じた具体的な対策を知ることで、誰にも知られずに借金問題を解決へと導くことが可能です。

家族にバレずに手続きを進めるための工夫

同居する家族に債務整理の事実を知られる原因は、督促状の発見だけでなく自宅での何気ない行動の変化に潜んでいます。 弁護士や裁判所からの郵送物については、郵便局留めや事務所での直接手渡しを指定することで家族の目を確実に回避できます。

しかし、実際には対策が不十分であり、以下のような日常の些細な行動から不審に思われ、家族に発覚するケースが少なくありません。

  • 家族に内緒で急に家計簿をつけ始めたことによる不自然な行動の変化
  • 弁護士費用の積立準備に伴う、普段使っている自分名義の通帳に残る不自然な出金履歴

勤務先に知られるケースと仕事への影響

債務整理の手続きを行ったからといって、原則としてその事実が勤務先の会社へ直接通知されるようなことはありません。

自己破産や個人再生を選択した場合は「官報」に名前や住所が掲載されますが、 一般企業の担当者が毎日発行される官報を隅々までチェックし、そこから会社に発覚する可能性は低いです。 ただし、自己破産の手続きを進める期間中には、一定の職業に就くことが法的に制限されるタイミングが発生します。

  • 警備員や保険外交員など、他人の財産や金銭を直接扱う職業における数ヶ月間の一時的な業務制限
  • 会社の取締役や執行役員といった役職者における、委任契約終了に伴う一時的な退任手続きの発生

これ以外にも、弁護士や税理士などの士業資格を持つ人は、手続きが完了するまで資格を使った独占業務が一時的に停止されます。 自身の職業が制限対象となる場合は、会社に事情を話して配置転換を申し出るか、有給休暇を活用して乗り切るのが現実的な対処法です。

任意整理を選択した場合は職業に対する法的制限が一切かからないため、現在の仕事への影響を抑えることができます。 ご自身の職業が制限の対象に含まれるか不安な場合は、手続きを依頼する前に必ず専門家へ確認しておくことが大切です。

賃貸住宅の契約や更新への影響と注意点

債務整理を行ったからといって、現在住んでいる賃貸アパートやマンションから強制的に追い出されるような心配はありません。 毎月の家賃を遅れずに支払っており、物件の管理会社や大家と直接契約している場合は、これまで通り住み続けることができます。 ただし、賃貸契約において信販系の家賃保証会社が関与しているケースでは、状況によって以下のような注意点が存在します。

  • 毎月の家賃をクレジットカード払いにしていることによる、カード強制解約に伴う支払い遅延の危険性
  • 信販系の家賃保証会社を利用している物件における、契約更新時に行われる信用情報の照会リスク

さらに、長期間滞納している家賃そのものを債務整理の対象に含めてしまうと、保証会社から退去を求められる原因となります。

家賃の支払いが対象のクレジットカード払いになっている場合は、手続き開始前に速やかに銀行振り込みなどの別手段へ変更しておきましょう。 信販系の保証会社を利用している物件でも、過去にその物件で家賃の滞納履歴がなければ無事に契約更新できるケースがほとんどです。

債務整理後に新たに賃貸契約を結んで引っ越す際は、個人の信用情報を確認しない独立系の保証会社を利用する物件を選ぶと良いです。 収入のある親族などに連帯保証人となってもらうことで、保証会社の厳しい審査そのものを回避して契約するのも有効な手段です。

債務整理で後悔するケースと判断基準

失敗例と判断基準

借金問題を解決するための法的な手続きを選んだにもかかわらず、結果的に後悔するケースは少なくありません。 失敗してしまう人の多くは、事前の見通しや返済計画が甘いという共通点を持っています。

手続き後の生活への影響や、毎月の返済負担の重さを正しく理解していないことが主な原因です。 ここでは、よくある失敗例と、適切な判断基準を詳しく解説します。

任意整理しなければよかったと感じる理由

任意整理の手続きをしたことで後悔する最大の理由は、自分の収入に見合わない返済計画を立ててしまうことにあります。 専門家の交渉によって将来の利息を無事にカットできたとしても、借り入れた元本の返済義務自体は残り続けるためです。

債権者と交渉しても毎月の返済額を十分に下げられず、結果として日々の生活費を大きく圧迫してしまうケースが少なくありません。 手続き後も家計の収支を根本から見直そうとせず、生活苦から再びカードローンなどの借金を重ねてしまう人も珍しくありません。 会社のボーナス払いを前提とした無理な和解を結び、業績悪化による支給額の減少によって生活が破綻するのも典型的な失敗例です。

手続きを急いで進める前に、毎月の給与から無理なく捻出できる確実な余剰資金を正確に計算しておくことが大切です。 急な病気や冠婚葬祭などの突発的な支出に備えて、ギリギリの返済額を設定せずに余裕を持たせた計画を立てることが必要不可欠です。

債務整理をすべき人としないほうがいい人の違い

法的な救済措置を検討すべきかどうかは、現在の借金総額だけでなく年収と毎月の支出のバランスによって総合的に決まります。 金額の大きさだけで不安になりがちですが、必ずしも弁護士や司法書士に依頼して法的な手続きを進める必要があるとは限りません。

現在の収支状況から、無駄な支出を切り詰めることで自力での完済が可能かどうかを冷静に見極めることが重要です。 以下の表は、現在の借入状況や生活費のバランスから判断した「債務整理の手続き推奨度」の目安を分かりやすくまとめたものです。

状況の目安収支のバランス手続き推奨度
年収の3分の1を超える借入がある毎月の返済で生活費が慢性的に不足する状態推奨度高
借金総額が年収の3分の1以下節約により月数万円の返済原資を作れる状態推奨度低
複数社からの借入で自転車操業中利息の支払いだけで元金が一向に減らない状態推奨度高
突発的な支出で返済が一時的に遅れたボーナスなどで一括返済の確実な見込みがある状態推奨度低

現在の借入総額が年収の3分の1をすでに超えている場合は、状況が悪化する前に早急に専門家へ相談することを検討しましょう。 一方で、家計の見直しや固定費の削減だけで完済の目処が立つ場合は、急いで信用情報に傷がつく手続きを進める必要はありません。

借金がいくらから手続きを検討すべきか

法的な手続きを検討し始めるべき借金額に明確な基準はありませんが、自分の状況を客観的に判断するための一つの目安は存在します。 月々の無理のない返済可能額と借金総額を比較し、原則として3年から最長5年で完済できるかどうかが非常に重要なポイントです。 具体例として、借金200万円と350万円のケースで任意整理をした後の月々の返済額がどのようになるかをシミュレーションします。

借金総額3年間(36回)での完済目安5年間(60回)での完済目安
借金200万円の場合毎月約5.5万円の確実な返済が必要毎月約3.3万円の確実な返済が必要
借金350万円の場合毎月約9.7万円の確実な返済が必要毎月約5.8万円の確実な返済が必要

シミュレーションの通り、借金が350万円ある場合だと5年間の長期返済であっても毎月約6万円の捻出が求められることになります。 これほど高額な費用を、毎月の限られた給与から生活費を削って安定して支払い続けることは、多くの人にとって非常に困難です。

もし上記の返済額を確実に捻出できないと判断した場合は、任意整理ではなく借金を大幅に減額できる個人再生や自己破産を検討しましょう。 自力での返済や5年以内の完済が現実的に難しいと感じた時点こそが、取り返しがつかなくなる前に専門家に相談する最適なタイミングです。

失敗しない専門家選びと手続きの流れ

専門家選びと手続きの流れ

債務整理を依頼してから借金問題が解決するまでのタイムラインを把握しておくと、精神的な負担を減らすことができます。

  • 手順1: 無料相談を通じて借入状況や家計を整理し、最適な解決方針を決定する
  • 手順2: 契約後すぐに受任通知を発送し、債権者からの督促と返済を一時停止させる

期間の目安は状況により変動しますが、以降の基本的な流れは以下の通りです。

  • 手順3: 1〜3ヶ月かけて債権額の確定と交渉を行い、無理のない返済計画を策定する
  • 手順4: 3〜6ヶ月の期間で各手続きを実行し、和解や免責が確定したのち解決へ至る

弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか

専門家を選ぶ際は、自身の借入残高や希望する法的な解決方法によって依頼すべき相手が明確に異なるため注意が必要です。

司法書士は法律の制限により、1社あたりの借入額が140万円以下となる任意整理の案件のみ代理人として対応可能となります。 そのため1社で140万円を超える借金がある場合や、裁判所を通す個人再生および自己破産を検討するなら弁護士へ依頼しましょう。

司法書士は裁判所の代理人にはなれないため、自己破産などの手続きは書類作成のみのサポートに留まります。 依頼先の権限を知らずに相談してしまうと、手続きの途中で別の専門家に依頼し直す手間と費用が発生するリスクがあります。

初期費用無料を過度に謳う事務所の中には、個別の事情を考慮せず流れ作業で事務的に処理する場所もあるため注意が必要です。 流れ作業の事務所に依頼すると、現在の家計状況に見合わない無理な返済計画で和解を結ばれ、後悔する危険性が高まります。

面談時に丁寧なヒアリングを行い、手続きに伴うデメリットやリスクを包み隠さず説明してくれる事務所を選択しましょう。 費用の安さだけで安易に決断せず、過去の借金問題における解決実績が豊富かどうかも事務所選びの重要な判断材料となります。

まずは無料相談を積極的に活用し、複数の事務所を比較検討しながら自分に最も合う信頼できる専門家を見極めていきましょう。

費用を抑えるための法テラス活用法

経済的な理由で手続き費用を支払う余裕がない方は、国が設立した法テラスの民事法律扶助制度を利用することが可能です。 法テラスの立て替え制度を利用することで、弁護士や司法書士に支払う着手金や報酬金を一時的に肩代わりしてもらえます。

立て替えてもらった費用の返済は、生活状況に配慮し原則として月額5,000円から10,000円の無理のない分割払いで行います。 ただし、利用するためには、毎月の収入や保有している資産が一定基準以下であるという厳格な要件を満たす必要があります。

例えば、単身者の場合、手取りの月収が約18万2,000円以下であることが制度を利用するための収入要件の一つの目安です。 さらに、保有している現金や預貯金などの資産総額が一定基準を下回っていることも、利用を認められるための必須条件となります。

すべての専門家が法テラスの手続きに対応しているわけではないため、相談予約を取る段階で、その事務所が法テラスの制度を利用した契約に対応しているかどうかを必ず確認しましょう。

借金を放置して差し押さえになるリスク

借金の返済に苦しみ解決策が見えないまま督促を放置し続けることは、債務状況をさらに悪化させる、非常に危険な行為です。 滞納が数ヶ月続くと、債権者から裁判所を通じて支払督促や訴状といった法的な手続きの書類が自宅に届くようになります。

裁判所からの書類を無視し続けると、債権者の主張が全面的に認められ、支払い義務が法的に確定してしまう恐れがあります。 最終的には、給与や預貯金などの生活に欠かせない大切な財産が裁判所によって強制的に差し押さえられる事態に陥ります。

給与が差し押さえられると、毎月の手取り額の4分の1が直接債権者への支払いに回され、手元に残る生活費が大幅に減少します。 同時に、勤務先へ裁判所からの通知が送達されるため、借金を滞納し法的なトラブルを抱えている事実が会社に確実にバレてしまいます。

預貯金が差し押さえられた場合、口座残高が突然引き落とされてゼロになり、家賃や光熱費の支払いができず生活が立ち行かなくなります。 督促状が届いている段階であれば、急いで専門家に相談し債務整理に着手することで最悪の事態を回避できる可能性が残されています。 専門家から受任通知が発送されれば、債権者からの直接の督促や取り立て行為は法律によって即座に停止させることが可能です。

手遅れになる前に、少しでも早く専門家へ相談し法的な解決を図ることが、生活再建への第一歩となります。

この記事の監修者

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債務急済運営事務局

株式会社WEBYの法務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に企業法務の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。

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