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個人再生とは?条件やメリット・デメリットを解説

お金の悩み

2026.04.252026.04.24 更新

個人再生を検討しているものの、ご自身の生活や家族、会社への影響を恐れて、なかなか勇気が出ない方もいると思います。しかし、不安のあまり申し立ての判断を後回しにしてしまっては、現在の債務状況がさらに悪化し、債務整理の選択肢が狭まってしまいます。

個人再生には、たしかにデメリットもありますが、借金額が最大10分の1まで減額されるだけでなく、条件を満たせば住宅などの財産を残すことも可能です。そのため、任意整理や自己破産と比べても、現在の生活を最大限維持しながら借金を大幅に減らすことのできる手続きです。

本記事では、個人再生の仕組みやメリット・デメリットを徹底解説します。

1. 個人再生とは

個人再生とは

1-1. 任意整理や自己破産との違い

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、残った金額を原則3年で分割払いする手続きです。最大の強みは、一定の条件を満たせばマイホームを手放さずに済むことです。以下の表をもとに、任意整理や自己破産との違いを把握しましょう。

手続きの種類借金の減額幅マイホームの維持裁判所を通すか
個人再生最大10分の1に大幅減額条件を満たせば残せる裁判所を通す
自己破産全額免除(ゼロになる)原則として手放す裁判所を通す
任意整理将来利息のカットのみ自由に選んで残せる裁判所を通さない

大幅な減額効果を持ちながら、住宅なの財産を残せるのが個人再生の大きな特徴です。

1-2. 大幅減額とマイホームの維持を両立する仕組み

個人再生を利用すると、借金総額が5分の1から10分の1程度まで圧縮されます。減額された借金は、原則3年(最大5年)で分割返済していくことになります。

【例:借金圧縮のイメージ図】

[元の借金] 1500万円
   ↓ 個人再生手続き
[減額後] 約300万円(1/5に圧縮)
   ↓
[返済] 原則3年(最長5年)で分割払い

借金問題の解決とマイホーム維持を両立させる仕組みが「住宅ローン特則」です。この特則を利用することで、住宅を残して従来通りのローンの返済を継続しながら、借金を大幅に減らすことができます。

1-3. 借金総額がどれくらい減るのかの判断基準

個人再生で実際に返済すべき最低金額(最低弁済額)は、借金総額に応じて決められています。

借金総額最低弁済額の基準
100万円未満減額されず全額返済
100万〜500万円未満100万円まで一律減額
500万〜1500万円未満借金総額の5分の1
1500万〜3000万円未満300万円まで一律減額
3000万〜5000万円以下借金総額の10分の1

たとえば借金総額が400万円なら、返済額は100万円。1000万円なら5分の1の200万円になります。ただし、自身の所有する財産の価値(清算価値:車や保険の解約返戻金などをお金に換算した額)が最低弁済額を上回る場合、その財産価値が返済額となる厳しいルールが存在します。

2. 個人再生を利用するための共通条件

個人再生の条件

個人再生を始めるためには、定められた条件を確実にクリアしなければなりません。ご自身が対象者となるか、以下のチェックリストで確認してみてください。

【個人再生の対象者チェックリスト】

 ▫︎住宅ローンを除外した借金総額が5,000万円以下である

 ▫︎毎月途切れることなく継続して安定した収入を得る見込みがある

上記の条件に該当しない場合、個人再生による住宅などの財産の維持は難しくなる恐れがあるため、専門家へ相談して代替手段を検討しましょう。

2-1. 継続的な収入を得る見込みが必要

ご自身の財産を守りながら借金を減額するには、借金総額の制限と継続的な収入の証明が必要です。まずは、住宅ローンを除いた借金(再生債権)の総額が5,000万円以下であることが前提となります。その上で、減額された借金額の返済を続けるための「継続的な収入」を得る見込みが求められます。

裁判所が判断する「継続的な収入」とは、雇用形態の名称ではなく、将来にわたる確実性と安定性です。会社員や公務員はもちろん、長期間同じ職場で働くアルバイトや、公的年金の受給者、安定した売上のある個人事業主も対象になります。一方で、現在無職の方や収入のない専業主婦(主夫)は単独では利用することができません。

2-2. 裁判所に認められる返済能力の証明と確認

収入があっても、実際に借金を返済する余力が家計になければ手続きは認められません。裁判所に対して「家計収支表」を提出し、確実な返済能力を証明する義務が生じます。

家計収支表とは、同居家族を含む世帯全体の収入と支出を正確に記録する書類です。単に収入の多さではなく、生活費を差し引いた後の手元に残る余剰金(返済原資)がいくらあるかが問われます。裁判所は、生活費が収入内に収まっているか、無駄な支出が削減されているか、減額後の返済額を毎月確実に支払えるかを厳しくチェックします。

3. 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い

個人再生の種類

個人再生の手続きには「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。ご自身の状況に合わせて適切な手続きを選ぶことが重要です。まずは以下の表をもとに違いを整理しましょう。

比較項目小規模個人再生給与所得者等再生
主な対象者安定した収入がある個人給与所得者のうち収入の変動幅が小さい個人
債権者の同意半数以上の同意が必要不要
返済額の基準最低弁済額* または 清算価値* の高い方最低弁済額・清算価値・可処分所得* の2年分のうち最も高い金額

* 最低弁済額:借金が減額された後に債権者に対して最低限返済しなければならない金額

* 清算価値:個人再生の申立て時点で申立人が保有している財産の総額

* 可処分所得:収入総額から税金や最低生活費などを差し引いた金額

3-1. 小規模個人再生の仕組み

小規模個人再生は、安定した収入のある人が幅広く利用できる仕組みで、主に個人事業主や給与所得者を対象とした手続きです。条件を満たしており、債権者の半数以上の同意があれば、アルバイトの方や年金受給者でも利用することができます。最大の特徴は、借金減額の計画案(再生計画案)に対して債権者の書面決議が必要になる点です。

反対した債権者の数が「全債権者数の半数以上」に達するか、反対した債権者の借入残高が「借金総額の半分」を超えると、手続きは不認可となり失敗します。借入額の半分以上を1社が占めている場合などは極めて危険です。事前に専門家へ相談しておきましょう。

3-2. 給与所得者等再生の仕組み

給与所得者等再生は、毎月の収入の変動幅が小さい人が利用できる仕組みで、主に会社員や公務員を対象とした手続きです。最大のメリットは、債権者の反対によって手続きが不認可になるリスクが一切ないことです。

しかし、返済額を決める基準に「可処分所得の2年分」が追加される点に注意が必要です。可処分所得とは、手取り収入から税金や最低生活費を差し引いた金額のことを指します。

4. 「住宅ローン特則」でマイホームを残す必須条件

「住宅ローン特則」の条件

個人再生の最大のメリットは、「住宅ローン特則」を利用してマイホームを残すことができる点です。ただし、マイホームを残すためには、いくつかの条件を満たす必要があるため注意しましょう。ご自身の状況が条件に当てはまるか、以下のフローチャートで確認してみてください。

【住宅ローン特則 適用可否フローチャート】

1. 住宅の取得を目的とした住宅ローンであるか? → No: 不可 / Yes: 次へ

*リフォームや不動産投資、事業用資金などを目的とした借り入れは対象外です。

2.ご自身が居住している住宅であるか? → No: 不可 / Yes: 次へ

3. 住宅ローン以外の借金の抵当権が物件についないか? → No: 不可 / Yes: 次へ

4. 代位弁済(保証会社による立て替え払い)から「6ヶ月以内」か? → No: 不可 / Yes: 次へ

5. 税金(固定資産税や住民税など)の滞納による差し押さえがないか → No: 不可 / Yes: 見込み有

4-1. 「住宅ローン特則」を適用できる物件とローンの種類

住宅ローン特則を利用するためには、対象となる物件とローンについて法的要件を満たす必要があります。資金の使途が住宅関連であり、分割払いの契約であること、また、申立人自身が居住している物件でなければなりません。

投資用マンションやセカンドハウスは対象外となります。さらに、住宅ローン債権者の抵当権が設定されており、消費者金融など他の借金の抵当権が設定されていないことも必須条件となります。判断に迷う場合は、曖昧なままご自身で判断せず、早めに専門家へ確認しましょう。

4-2. 代位弁済から6ヶ月以内では遅い!

住宅ローンの滞納が続くと、保証会社が債務者に代わって銀行へ一括返済する「代位弁済」が行われます。法律上は、代位弁済された日から「6ヶ月以内」に申し立てれば特則の利用が可能です。

しかし、申し立てには膨大な書類収集と家計の精査が必要となります。弁護士に依頼してから書類の準備が整うまで一定程度の時間を要します。「まだ猶予があるからしばらく様子を見てから決めよう」と判断を先送りにせず、ご自身の状況が条件に当てはまるのであれば、1日も早く弁護士へ相談しましょう。

5. 個人再生が認められない不認可ケース

不認可ケース

個人再生は申し立てれば自動的に認められるわけではありません。厳しい審査を通過できず、不認可(失敗)となるケースも存在します。不認可となれば自己破産を検討せざるを得なくなる恐れもあるため、不認可となる代表的なケースを知っておきましょう。

5-1. 再生計画案が否決される主な理由

書類の不備や期限遅延、債権者からの強い反対があると、再生計画案は否決されてしまいます。失敗の多くは単純なミスや準備不足によるものです。

具体的には、小規模個人再生で債権者の過半数から反対された場合や、裁判所の指定期限までに必要書類を提出しなかった場合などです。また、履行テスト(返済の予行演習)で期日通りに振り込めなかったり、財産隠しなどの不正が発覚したりした場合なども不認可となります。これらは弁護士や専門家と綿密に連携し、スケジュールを厳守することで回避することが可能です。

5-2. 手続き中にやってはいけないこと

手続き中は、すべての債権者を平等に扱うルール(債権者平等の原則)が適用されます。良かれと思った行動が致命的なルール違反となる恐れもあるので注意しましょう。

特定の債権者のみに返済する行為(偏頗弁済)は絶対にしてはいけません。また、クレジットカードの新規作成や追加の借入れ、財産を隠すために預金を引き出す行為も厳禁です。これらの禁止事項に抵触すると、個人再生が不認可となるだけでなく、一括請求を受けて大切なマイホームを失う危険性が高まるので注意が必要です。

6. 個人再生のメリットとデメリット

メリットとデメリット

最適な解決策を選ぶため、他の債務整理との違いを正確に把握しておきましょう。

比較項目任意整理個人再生自己破産
借金の減額幅将来利息のカットのみ元本を最大10分の1まで減額原則ゼロ(免責)
マイホームの維持ローンを除外すれば可能住宅ローン特則で維持可能原則として処分される
財産の処分処分されない原則処分されない(※)一定以上の財産は処分
借金の理由問われない問われない免責不許可事由がある
職業の資格制限なしなし手続き中のみ制限あり

※清算価値保障の原則により、手元に残す財産額と同等以上の返済が求められます。

6-1. メリット

個人再生の最大のメリットは、生活基盤であるマイホームなどの財産を守れる点です。住宅ローン特則を利用すれば競売を回避できますし、車や保険の解約返戻金なども条件を満たせば残すことができます。

また、ギャンブルや浪費で作った借金でも減額手続きが可能であるだけでなく、。特定の仕事に就けなくなる職業制限もありません。弁護士が受任通知を送付した時点で債権者による過度な取り立てもストップします。したがって、今の生活環境を大きく変えずに多重債務を解決できる強力な手段と言えます。

6-2. デメリット

一方で、避けては通れないデメリットも存在します。手続き開始から約5年〜7年間は、信用情報機関に金融事故情報として記録が残る(ブラックリスト入り)ため、新たな借り入れやクレジットカードの作成ができなくなります。

また、手続き中に国が発行する「官報」に氏名や住所が掲載されます。ただし、一般の人が官報を目にする機会はほぼなく、周囲にバレるリスクは極めて低いです。これらのデメリットは一定期間が過ぎれば解消されるため、過度に恐れる必要はありません。

7. 家族や会社への影響とよくある質問

個人再生後の日常生活への影響

「家族にバレないか」「会社を解雇されないか」という不安を抱える方は少なくありません。原則として、会社からの借入がない限り職場に知られることはなく、個人再生を理由とした解雇は法律上認められていません。家族が保証人になっていない限り、直接返済を迫られることもありません。

7-1. 「家族にバレずに」手続きを行うことは可能か

同居している家族に内緒で手続きを進めることは、実質的に不可能です。裁判所に提出する家計収支表には、配偶者の給与明細や家族名義の通帳コピーなど、同居家族の収入証明も必要になるからです。

家族に隠すために書類を偽造したり不自然な申告をしたりすれば、財産隠しや虚偽申告とみなされ、再生計画が不認可となる恐れがあります。不認可となればマイホームを手放す事態になりかねないので注意しましょう。家族には正直に打ち明け、協力を得ることが大切です。

7-2. ギャンブルや浪費による借金でも利用できる理由

借金の原因がパチンコや過度な買い物であっても、個人再生は利用できます。自己破産にはギャンブルなどを理由に借金がゼロにならない「免責不許可事由」がありますが、個人再生にはその規定が存在しないからです。

ただし、無条件で認められるわけではありません。裁判所は「減額された借金を確実に完済できるか」を厳しく審査します。手続き開始後もギャンブルを続けていれば不認可となります。浪費を完全に断ち切り、安定した返済原資を確保する姿勢を示してください。

8. 自分で迷わず専門家へ相談しよう

専門家への相談が第一

個人再生の申立てには細かな条件があり、自力で行うと失敗する可能性が高まります。専門家に依頼することで確実性が高まりますが、依頼先の選び方を間違えないことが重要です。

8-1. 個人再生を嫌がり「自己破産」へ誘導する専門家の見抜き方

手間がかかる個人再生を避け、事務所の利益を優先して自己破産へ誘導する専門家も存在します。相談者の状況を深く聞かず最初から自己破産を強く推奨したり、住宅ローン特則の複雑な説明を面倒がったりする対応には注意が必要です。

家を守るためには、ホームページで個人再生の解決実績を公開しており、デメリットやリスクも隠さずに説明してくれる専門家を選びましょう。安易な自己破産への誘導に流されず、少しでも疑問を感じたら別の事務所へ相談してください。

8-2. 無料相談を活用して最適な解決策を見つける

債務問題は放置するほど状況が悪化します。とくにマイホームを守る場合、早期の相談が大切です。無料相談を活用すれば、個人再生が認められるかの見通しや、費用の目安が明確になり不安を軽減できます。

住宅ローンの滞納が始まると、代位弁済から時間が経過し、「住宅ローン特則」が利用できなくなる恐れがあります。「まだ大丈夫」と判断を先送りにせず、まずは複数の事務所の無料相談を利用してください。専門家への早期相談が、大切な家族と家を守るための第一歩です。

この記事の監修者

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債務急済運営事務局

株式会社WEBYの法務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に企業法務の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。

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