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給与所得者等再生とは?特有の条件を詳しく解説!

個人再生(民事再生)

2023.11.162023.11.15 更新

借金に追われ、毎月の返済に苦しんでいる方は、将来のことを考えると不安でいっぱいになることでしょう。そのような状況から抜け出す選択肢の一つとして、「個人再生」があります。

なかでも「給与所得者再生」という方法は、安定した収入をもつ方々にとって、借金の問題をクリアに導いてくれる可能性があります。

ただし、手続きが複雑で、そのプロセスにおいて多くの知識が求められます。専門家の手を借りながら正しく理解し、適切な手続きをしていくことが重要です。この記事では、給与所得者等再生について詳しく解説し、新しい一歩を踏み出すためのポイントをお伝えします。

給与所得者等再生とは?

「給与所得者等再生」とは?

「給与所得者等再生」とは、安定した収入を有する借金返済に苦しむ人々への救済策です。法的に借金を減額し、返済計画を立て直すことができる制度で、自己破産とは異なり、大事な資産を守りながら経済的な自立を目指すことができます。

給与所得者等再生の特徴を以下に簡潔にまとめます:

  • 対象者の明確化
    定期的な給与収入がある方が対象です。
    自営業者やフリーランサーなど、一定の収入が見込める方も対象者となります。
  • 借金の減額
    返済が困難な借金を減額し、月々の返済額を減らします。
    利息のカットや返済期間の延長など、返済プランを再構築します。
  • 財産の保護
    自宅や車などの必要な資産を手放さずに、借金問題を解決する道を提供します。
  • 法的手続き
    裁判所を通じて行われ、弁護士や司法書士が手続きをサポートします。
    借金整理における正式な契約として、債権者との間に新たな合意が成立します。

重要なのは、この制度が一種の再チャンスであるということです。しかし、手続きの複雑さから、専門家に相談し、正しい情報と支援を受けることが不可欠です。安易な決断は避け、しっかりとした計画と準備をもって、新たなスタートを切りましょう。

給与所得者等再生を利用すべきケース

「給与所得者等再生」を利用すべきケースは、借金返済に頭を悩ませているが、一定の収入があり、これからも継続して働く見込みがある方に適しています。

具体的な状況は以下のとおりです。

  • 返済総額が収入を超えている:月々の返済が収入を上回り、生活費に充てる金額が不足している場合に利用できます。
  • 重要な資産を持っている:自宅や車など、手放したくない貴重な資産がある方が対象です。
  • 安定した収入が見込める:現在、安定した職に就いているか、将来的に安定した収入が得られる見込みがある方が利用できます。
  • 借金の総額が一定額以上:大きな借金があり、一括返済が困難でも、分割して返済する能力はある方が対象となります

これらの状況に当てはまる方は、「給与所得者等再生」の適用を検討することが推奨されます。重要なのは、自分の状況に正直であり、早期に専門家への相談を行うことです。適切なアドバイスと支援を受けることで、借金問題を健全な方法で解決することが可能です。

給与所得者等再生を利用できる人、できない人

「給与所得者等再生」制度を利用できる人とできない人の条件を明確に説明します。

利用できる人の条件

以下の条件に一致する方が「給与所得者等再生」を利用できます。

  • 安定した収入がある:定期的な給与収入があり、返済計画に基づく支払いが見込める人。
  • 借入総額に限度がある:借入れ総額が一定額を超えていない、またはその範囲内である人。
  • 財産を持っている:自宅などの資産を有し、それを手放したくない人。

利用できない人の条件

以下のような状況の方は、この制度の適用を受けられません

  • 不安定な収入しかない:フリーランスやパートタイムで収入が不規則、または収入がない場合。
  • 大規模な借金を抱える:借入総額が制度の上限を大幅に超えている場合。
  • 返済の見込みが立たない:収入が少なく、長期的な返済計画にそっての返済が困難な場合。

「給与所得者等再生」は、借金に苦しむ多くの人々にとって有益な選択肢ですが、制度を利用するには一定の要件を満たす必要があります。ご自身がこの基準に当てはまるか不安な方は、専門家に相談し、個別の状況に最適なアドバイスを受けることをおすすめします。

給与所得者等再生のメリット、デメリット

「給与所得者等再生」は、借金の返済をしやすくするための手段ですが、メリットとデメリットが存在します。この制度の利点と欠点を理解することで、自分にとって最適な債務整理方法を選ぶことにつながります。

メリット

給与所得者等再生」を利用する大きな利点は以下の通りです

  • 返済プランの再編成:月々の返済額が減少し、経済的な負担が軽減します。返済期間が明確になり、経済的再建が計画的に行えます。
  • 財産の保護:自宅など大切な財産を手放さずに済む場合が多いです。
  • 利息の停止:手続きが始まると、追加の利息が発生しなくなります。

デメリット

しかし、以下のようなデメリットも認識しておく必要があります。

  • 手続きの複雑さ:「給与所得者等再生」の手続きは、一般的な自己破産手続きよりも複雑です。必要書類の準備や、緻密な返済計画の策定が求められます。
  • 制限の存在:手続き中は、新たな借入ができないなど、経済活動に一定の制約がつきます。
  • 失敗リスク:返済プランに従えない場合、手続きが失敗に終わる可能性があり、最悪の場合、自己破産を余儀なくされます。

「給与所得者等再生」は、一見すると非常に魅力的な選択肢に見えますが、デメリットも無視できません。この手続きを選ぶ際には、自分の経済状況を精査し、専門家としっかり相談した上で決断することが大切です。

給与所得者等再生と小規模個人再生の違い

手続きのための要件が異なる

「給与所得者等再生」を選ぶ場合、他の手続きとは異なる特別な要件が求められます。この手続きをスムーズに進め、希望する結果を得るためには、以下の重要な条件を満たす必要があります。

  • 安定した収入があること
    「給与所得者等再生」は、毎月一定の返済が必要です。
    そのため、定期的で安定した収入を証明できることが必須条件です。
  • 債務総額の範囲内であること
    債務の総額が一定額を超えている場合、この手続きが適用されません。
    各ケースによって違いますが、債務の上限額を事前に確認し、要件に適合するか検討する必要があります。
  • 返済計画の提出
    専門家(弁護士や司法書士など)と協力して、現実的な返済計画を策定します。
    この計画は裁判所に提出され、承認される必要があります。
  • 誠実な過去の借入れ歴
    過去の借入れが不正でないこと、適切な返済努力があったことなど、信用情報に重大な問題がないことが望ましいです。

これらの要件は、手続きの成功と債務の適切な管理を確保するために設けられています。しかし、これらを満たすだけではなく、専門家との綿密な相談や計画立案がこのプロセスを円滑に進める鍵となります。

給与所得者等再生は債権者の決議が不要

「給与所得者等再生」を利用する大きな利点の一つは、債権者の決議が必要ない点です。これは、多くの債務整理手続きとは異なり、借り手の利便性を大きく向上させる特徴です。

以下にその主な理由とメリットを説明します。

  • 迅速な手続き開始
    債権者の同意を待つ必要がないため、手続きがより迅速に進みます。これにより、返済計画に早く着手し、経済的な再建を早めることができます。
  • ストレスの軽減
    債権者との交渉や合意形成のプロセスがないため、借り手の精神的な負担が軽減されます。直接的な対立や交渉によるストレスから解放され、より冷静に次のステップに進むことができます。
  • 計画の自由度:債権者の意向に左右されることなく、借り手の状況に最も適した返済計画を立てることが可能です。これにより、返済計画が現実的かつ適切に管理される可能性が高まります。
  • プライバシーの保護:多数の債権者との交渉が不要なため、個人の財務情報が外部に漏れるリスクが減少します。プライベートな情報をできるだけ保護しながら、手続きを進めることができます。

これらの利点により、「給与所得者等再生」は、返済に苦しむ多くの人々にとって有効な手段となり得ます。

小規模個人再生に比べ借金の減額幅は小さくなる可能性がある

「給与所得者等再生」を選択する際の考慮点の一つとして、小規模個人再生に比べて借金の減額幅が小さくなる可能性があります。これは、手続きの性質上、返済の柔軟性がありますが、それには一定の制約が伴います。

以下、小規模個人再生に比べて借金の減額幅が小さくなる点について詳しく解説します。

  • 返済額の確定
    「給与所得者等再生」では、収入と支出を基に計算された返済能力に基づき、返済計画が立てられます。そのため、小規模個人再生と比較して、減額率が低く設定されることが多いです。
  • 債務の種類
    保証人や連帯保証人がいる借入金は、減額の対象外となることがあります。また、公的な借金や罰金など、特定の債務は減額の対象にならないことが多いです。
  • 手続きの違い
    小規模個人再生は、負債の総額が一定額以下の借り手を対象にした制度です。この制度では、借金を一定の割合でカットすることが可能ですが、「給与所得者等再生」では、個々の返済能力に合わせた計画が求められます。

これらの点から、「給与所得者等再生」を利用する場合、小規模個人再生と比べて減額幅が小さい可能性があることを理解しておく必要があります。しかし、それでも返済プランは個人の経済状況に合わせて調整されるため、無理なく継続的な返済が可能です。

給与所得者等再生のプロセスと必要条件

給与所得者等再生の特有の条件

「給与所得者等再生」には特有の条件がいくつかあり、これらを満たさないと手続きを進めることができません。

給与所得者等再生の特有の条件について詳しく解説します。

  • 収入が安定していること
    定期的な給与収入があり、返済計画に基づく支払いが見込める状況であることは重要な条件です。自営業やフリーランスの場合、収入が一定であることを証明する必要があります。
  • 借金の総額
    手続きを行うためには、債務の総額が一定範囲内であることが求められます。
    あまりにも借金の額が大きいと、この制度を利用できない場合があります。
  • 居住状況
    一定期間、同じ場所に住んでいる安定した居住状況であることが望ましいです。
    居住状況が不安定である場合、返済の継続が困難と判断される可能性があります。
  • 過去の破産歴
    過去に自己破産や個人再生などの手続きを利用したことがある場合、一定期間が経過していなければ新たに手続きを行うことができません。

これらの条件を満たしているかどうかを確認した上で、「給与所得者等再生」の手続きを考えることが大切です。また、これらの条件は一般的なものであり、個々の状況によって異なる場合があるため、専門家に相談することをおすすめします。

給与所得者等再生の流れ

「給与所得者等再生」の手続きは、複数のステップに分かれています。

以下に、給与所得者等再生の手続きと流れについて説明します。

  1. 専門家への相談
    最初に、弁護士や司法書士などの専門家に相談します。
    現在の借金状況や収入、支出などを詳しく話し、最適な解決策を探ります。
  2. 必要書類の準備と提出
    「給与所得者等再生」を行うためには、収入や借入れの状況が分かる書類が必要です。専門家の指示に従い、必要な書類を集め、裁判所に申立てを行います。
  3. 返済計画案の作成
    自分の月々の収入と支出を基に、返済計画案を作成します。
    この計画は裁判所に提出し、承認を受けなければなりません。
  4. 裁判所からの承認
    裁判所は提出された返済計画を審査し、問題がなければ承認します。
    この段階で、法的に返済計画が確定し、債権者に対する支払いが開始されます。
  5. 返済の開始
    承認された計画に基づき、定期的な返済を開始します。
    返済期間中は収入の変動などがある場合、裁判所や専門家に相談することが重要です。
  6. 手続きの完了
    全ての返済を終えると、法的に借金がなくなり、手続きが完了します。

このプロセスは一般的な流れを示しており、個々のケースによっては異なる部分があります。また、各ステップには専門的な知識や経験が必要となるため、専門家と密に連携し、適切なアドバイスを受けながら進めることが大切です。

手続きに要する期間は?

「給与所得者等再生」の手続きに要する期間は、ケースバイケースで異なります。しかし、一般的な流れに基づいて大まかな期間を説明します。

  1. 申立て前の準備期間
    弁護士や司法書士との最初の相談から、必要書類の収集、返済計画案の作成にかかる時間です。
    通常、数週間から数ヶ月が必要とされます。
  2. 裁判所への申立てから承認まで
    申立てが行われてから裁判所が返済計画を承認するまでの期間です。
    多くの場合、3ヶ月から6ヶ月程度かかることが一般的です。しかし、書類に不備がある場合や債権者との交渉が必要な場合は、これ以上の時間がかかることもあります。
  3. 返済期間
    裁判所に承認された返済計画に基づき、実際の返済が始まります。
    返済期間は、個人の経済状況により異なりますが、通常、3年から5年の間で設定されることが多いです。

【注意点】

  • 手続き期間中、新たな借入や大きな経済的変動があると、手続きが遅れる原因となります。
  • 返済計画案の承認を得るためには、正確かつ詳細な書類の提出が求められます。そのため、準備期間に十分な注意を払うことが重要です。

このように、「給与所得者等再生」手続きの期間は、準備、審査、実際の返済の各フェーズに分けられ、個々の状況に応じて変動します。プロセスをスムーズに進め、早期の解決を図るためには、専門家の指導を受け、適切な準備と計画を行なうことが大切です。

給与所得者等再生申立てにかかる費用は?

「給与所得者等再生」の申立てにかかる費用は、以下の項目に大別されます。これらの費用は、手続きを円滑に進めるために必要なものです。

給与所得者等再生の申立てにかかる費用は以下のとおりです。

  • 弁護士費用:法律専門家に依頼した場合の報酬です。
    相談内容や手続きの複雑さによって変動しますが、一般的に数十万円から数百万円が目安です。
  • 裁判所費用:申立て手数料や印紙代など、裁判所に支払う必要がある費用です。
    これらの費用もケースごとに異なりますが、数万円程度が一般的です。
  • その他の経費:書類の作成や郵送費、移動費など、手続きに伴う様々な経費が含まれます。

以下の重要な点をしっかり確認しましょう

  • 弁護士や司法書士に依頼する場合、初めに明確な見積もりを求めることが重要です。それにより、予期せぬ追加費用に悩まされることなく、計画的に手続きを進めることができます。
  • 費用の支払いは、分割払いが可能な場合もあります。これは、申立人の経済状況を考慮したうえで、専門家が柔軟に対応してくれるケースが多いです。
  • 費用を抑えるためには、事前の準備が大切です。必要書類の収集や、正確な情報提供によって、手続きがスムーズに進むよう努めましょう。

借金問題は精神的にも経済的にも負担が大きいものです。しかし、「給与所得者等再生」は適切な解決策となる可能性があります。手続きにかかる費用やプロセスを理解し、専門家との正確なコミュニケーションによって、最善の道を選択しましょう。

自分・家族・保証人への影響は?

「給与所得者等再生」を行う際、自分や家族、さらには保証人にもさまざまな影響が及びます。たとえば、次のような影響が考えられます。

自分への影響

  • 信用情報:手続きを行うと、信用情報機関に記録され、一定期間(最大5年)新たな借入が難しくなる場合があります。
  • 心理的負担:借金問題の解決に向けて行動を起こすことで、精神的な安堵感を得られる一方で、手続き期間中は一定のストレスが伴います。

家族への影響

  • 家計:返済プランが変わることで家計が安定し、生活水準の向上が期待できます。しかし、手続き中は支出を抑える必要があるかもしれません。
  • プライバシー:手続きには家族に関する情報の開示が求められる場合があり、プライバシーに配慮する必要があります。

保証人への影響

  • 責任の転嫁:原則として、「給与所得者等再生」は本人の債務を対象とし、保証人に対する返済義務は免除されません。そのため、保証人が返済を求められる可能性があります。

アドバイスとして次の3点が挙げられます

  1. 手続きを始める前に、影響を受ける可能性のある家族や保証人と十分に話し合い、理解を得ることが大切です。
  2. 法的な影響だけでなく、心理的、社会的な影響も考慮に入れ、専門家の意見を参考にして全体的な影響を把握しましょう。
  3. 個人再生手続きは、長期にわたるプロセスです。その間、家族関係や生活環境に変化があるかもしれません。進行状況に応じて、定期的なフォローアップや相談を行うことが重要です。

経済的な問題が人間関係に影響を与えることは少なくありません。「給与所得者等再生」のプロセスと影響を正しく理解し、関係者とのコミュニケーションを大切にしましょう。

可処分所得を具体的に計算してみよう!

可処分所得とは?

「可処分所得」とは、生活をする上で本当に自由に使えるお金のことです。給料などの収入から、税金や社会保険料を引いた後、さらに固定的な支出(住宅費や食費など)を引いた残りの金額のことを指します。

債務整理の際、この「可処分所得」はとても重要なキーワードになります。なぜなら、返済プランを立てる上で、月々いくら返済に充てられるかを判断する基準となるからです。

可処分所得の計算方法

  1. 総収入の算出:給料、ボーナス、副業など、すべての収入を合計します。
  2. 必要経費の差し引き:税金や社会保険料、住宅費、教育費、食費など、毎月の固定支出を総収入から差し引きます。
  3. 可処分所得の算出:総収入から必要経費を引いた金額が、あなたの可処分所得です。

注意点

  • 生活必需品や緊急時の資金も計画に含めることが大切です。予期せぬ出費があるため、全ての可処分所得を返済に充てるのではなく、一定の余裕を持たせる必要があります。
  • 収入の変動に対応するため、収入が不安定な場合は、より慎重な計画が求められます。特に自営業など収入が不規則な方は、収入の変動を考慮した上で返済プランを練る必要があります。

「可処分所得」を正しく理解し、自分の実情に合った返済プランを作ることが、返済を続けていく上でのストレスを減らし、計画的な債務返済への道を開く鍵となります。

可処分所得算出シートの書き方

「可処分所得算出シートの書き方」を理解するには、まず、自分の収入と支出を正確に記録し、一目で状況が把握できるよう整理することが重要です。

以下に、可処分所得算出シート作成のステップを説明します。

ステップ1:テンプレートの作成

  • ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを開き、新しいシートを作成します。
  • 「月間収入」「固定費」「変動費」「可処分所得」などのカテゴリーを含むテンプレートを用意します。

ステップ2:収入の詳細を入力

  • 「月間収入」のセクションに、以下の項目を記入します。
  • 給与
  • 残業代
  • ボーナス
  • 副業収入
  • その他の収入

ステップ3:支出の詳細を入力

「固定費」と「変動費」のセクションに、それぞれの支出を詳細に分けて記入します。以下に例を挙げます。

固定費
  • 家賃や住宅ローン
  • 光熱費
  • 保険料
  • 子どもの学費
変動費
  • 食費
  • 交際費
  • 趣味・娯楽費
  • 医療費
  • 美容費
  • その他日用品費

ステップ4:可処分所得の計算

「可処分所得」のセクションには、「月間収入」から「固定費」と「変動費」を引いた金額を記入します。ここでの数値が、実際に自由に使える金額となります。

ステップ5:見直しと調整

実際の生活と比較し、支出のカテゴリーや金額に不備がないか確認します。計算した可処分所得に基づき、支出を見直したり、貯蓄計画を立てるなどの調整を行います。

シートを毎月更新することで、財政状況の変動を把握し、必要に応じて予算の調整や支出の見直しが行えます。常に現状を正確に把握することが、健全な金銭管理と将来の計画につながります。

給与所得者等再生での借金の減額可能性

給与所得者等再生で借金はいくら減額できる?

「給与所得者等再生で借金はいくら減額できる?」について、この手続きでは、返済計画に基づいて借金を減額することができます。しかし、減額される金額は個人の状況によって大きく異なり、以下の要因が挙げられます

  • 収入の総額:収入が多いほど、返済能力があると見なされ、減額率が低くなる可能性があります。
  • 生活必需経費:家賃や食費、医療費など、生活を維持するための基本的な支出がどれだけかかっているかが考慮されます。
  • 借金の額と種類:借入総額や債権者の種類、保証人の有無など、借金自体の条件も減額の可能性に影響します。
  • 支払い計画の期間:返済計画の期間が長ければ長いほど、月々の返済額は少なくなりますが、その分、減額の幅に制限が出ることがあります。

具体的な減額例を挙げると、以下のようなケースが想定されます

Aさんの場合

  • 年収:400万円
  • 借金総額:1000万円
  • 生活必需経費(家賃、食費など):月20万円
  • 減額結果:借金を600万円に減額。月々の返済を5年間、10万円に設定。

Bさんの場合

  • 年収:600万円
  • 借金総額:1000万円
  • 生活必需経費(家賃、食費など):月30万円
  • 減額結果:借金を700万円に減額。月々の返済を5年間、15万円に設定。

このように、個々の状況によって減額の結果は異なります。給与所得者等再生を検討する際は、専門家に相談し、個人の状況に最適な計画を立てることが重要です。

給与所得者等再生が失敗(不認可)になる理由って?

給与所得者等再生が失敗(不認可)になる理由はいくつかあります。これらの理由を知っておくことは、手続きをスムーズに進め、成功への道を確実にするために重要です。

以下に、給与所得者等再生が不認可になる主な理由を説明します。

  • 提出書類の不備:再生手続きに必要な書類が不足していたり、書類に誤りや偽りがあった場合、不認可の原因となります。正確かつ詳細な情報提供が必要です。
  • 返済計画の不適切さ:提案された返済計画が収入や支出、借金の状況と矛盾している、または現実的ではない場合、認可されないことがあります。現実的で実行可能な計画を立てることが求められます。
  • 収入の不安定性:定期的または安定した収入がない場合、将来的に返済が継続できるとは見なされず、計画は不認可となる可能性があります。
  • 債権者との合意不成立:一部の債権者が再生計画に反対し、合意に至らない場合、計画全体が不認可となることがあります。
  • 法的な制限の違反:再生手続きの申立てにあたって法的な制限(再生の申立て回数の制限や、破産宣時の規制など)に違反している場合、不認可の理由となります。

以上の状況を避けるためには、事前に専門家としっかりと相談し、必要な書類の準備、適切な返済計画の立案、そして手続きの進め方を理解することが重要です。

給与所得者等再生に失敗した場合のおもな対処法

給与所得者等再生に失敗した場合、落胆することなく、次のステップに進む準備をしましょう。失敗した理由を理解し、適切な対処法を選択することが大切です。

下記の対処法を参考にしてみてください。

  • 再申立ての検討:不認可の原因が書類の不備や返済計画の問題であれば、それらを修正し、再度申立てをすることができます。この際、原因を明確にし、専門家と相談しながら適切な修正を行うことが重要です。
  • 他の債務整理手続きへの切り替え:給与所得者等再生が適さない状況であれば、自己破産や民事再生、任意整理など、他の債務整理手続きに切り替えることを考えましょう。それぞれの手続きには異なる条件や影響があるため、専門家の意見を聞いて最適な方法を選ぶことが大切です。
  • 債権者との個別交渉:再生手続きが不認可となった場合、直接債権者と交渉する道もあります。支払い条件の見直しや一部免除など、債権者との合意によって借金の返済が容易になる可能性があります。
  • 法的助言の活用:法的な問題や複雑なケースでは、弁護士や司法書士などのプロフェッショナルに相談することをおすすめします。法的助言を受けることで、自分に最適な解決策を見つけることができます。

現状を正確に把握し、可能性を広げるためにも、専門家との継続的な相談が重要です。新しい解決へのステップに向けて前向きな対処を心がけましょう。

まとめ

給与所得者等再生とは、一定の収入がある借金返済に困っている人が、法的に借金を整理し、生活を再建するための手続きです。返済が困難な借金を一部免除し、残りを分割して返済する計画を立て、裁判所の認可を得るものです。

しかし、この手続きには進むための特有の条件があります。

特に注意すべき条件は以下のとおりです。

  • 収入が安定していること:この制度は、安定した収入を持つ人向けです。給与所得者や年金受給者など、一定の収入が見込める方が対象となります。
  • 返済計画の提出:裁判所に認めてもらうための返済計画を提出する必要があります。この計画は、借金の総額、収入額、生活費などを考慮して、専門家と一緒に慎重に作成します。
  • 借金の総額:借金の額によっては、手続きが認められない場合もあります。大きすぎる借金には対応できないことがあり、その場合は他の手続きを検討する必要があります。

給与所得者等再生は、手続きが複雑で多くの書類が必要となるため、弁護士などの専門家と協力し、正確な手続きを進めることが大切です。精神的な負担を軽減するためにも、積極的に専門家へ相談していきましょう。

この記事の監修者

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株式会社WEBYの債務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に債務整理の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。

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