COLUMN

個人再生のメリットとデメリットは?自己破産や任意整理との違いも解説!

個人再生(民事再生)

2023.09.012023.11.02 更新

個人再生とは

個人再生と債務整理の関係

個人再生と債務整理とは、共に借金を整理する手段であり目的も一緒で借金問題を解決することにあります。しかしその中でも具体的な方法や進め方、結果に差が出てきます。

債務整理の種類とその特徴

まずは、債務整理の中にはどのような種類があるのか、その特徴を見てみましょう。

  1. 自己破産:全ての借金をなくすことができますが、財産も一緒になくす必要があります。また、破産することにより、社会的信用を一時的に失います。
  2. 任意整理:自分の借金の状況に合わせて、返済方法や金額を個別に交渉することで、返済負担を軽減します。ですが、一部の借金は対象外となる可能性もあります。
  3. 特定調停:裁判所を通じて、借金の減額交渉を行います。
    しかし、一定の条件を満たす必要があります。

個人再生と自己破産の関係

個人再生と自己破産は、共に法的な債務整理の手段です
それぞれ異なる特性を持っており、どちらを選ぶかは個々の状況によります。

個人再生と自己破産の選択基準


以下のような点を考慮し、個々の状況に合わせて手続きを選ぶと良いでしょう。

  1. 返済能力:一定の収入があって返済が可能な場合、個人再生を選ぶと良いでしょう。無収入や返済が難しい状況では、自己破産を選ぶケースが多いです。
  2. 保有資産:自己破産の場合、資産が処分される可能性があります。住宅などを保持したい場合、個人再生の方が適しています。
  3. 信用情報への影響:自己破産は信用情報に大きな影響を与えます。そのため、これから新たに借入れを考えている場合は注意が必要です。

個々の状況により個人再生と自己破産、どちらの手段が適しているかは変わります。

個人再生と任意整理の関係

個人再生と任意整理は、どちらも債務整理の手段で借金問題を解決するという目的が一致しています。しかし、それぞれ手続きの方法や結果、対象となる借金や条件などが異なります。

個人再生と任意整理の選択基準


このように、個人再生と任意整理はそれぞれ異なる特徴とメリット、デメリットがあります。そのためどちらを選択すべきかは、以下のような点を考慮すると良いでしょう。

  1. 借金の総額:借金が多額であるほど、個人再生での大幅な減額が効果的となります。
  2. 住宅ローンの有無:住宅を持っており、それを手放したくない場合は、個人再生が適しています。
  3. 手続きのスピード:時間をかけてでも大幅な借金減額を目指すか、迅速に手続きを進めたいかで選択が変わります。

それぞれの状況やニーズに合わせて、個人再生と任意整理のどちらを選択するかを決めることが大切です。

個人再生の位置付け

これらの債務整理手段の中で、個人再生はどのような位置づけになるのでしょうか。

個人再生は、裁判所を通じて借金の返済計画を立て、借金の返済負担を減らす手続きです。
この手続きを選ぶメリットは大きく2つあります。

  1. 自己破産とは異なり、一部の財産を保持したまま借金を整理することができます。特に、住宅ローンを組んでいる方は、住宅を手放すことなく返済計画を立てることが可能です。
  2. 任意整理や特定調停と比べて、多額の借金を大幅に減額することができます。また、返済期間も長く設定することが可能なため、月々の返済負担を大きく軽減することが可能です。

しかし、逆にデメリットとしては、手続きが複雑であることや、裁判所による審査が必要となるため、全ての人が個人再生を選ぶことができるわけではない点です。以上から、個人再生と債務整理は借金問題を解決する手段として同じでも、個々の具体的な方法や結果に違いがあることがわかります。

個人再生を利用するための条件

個人再生を利用するためには、いくつかの条件が必要となります。これらの条件を満たすことで、債務の一部を免除してもらったり、返済計画を立てて債務を再編することが可能となります。

以下に個人再生を利用するための主な条件を挙げています。

  1. 借金の総額:借金の総額がある一定の金額以下であることが条件となります。この金額は法律で定められており、その上限を超える場合は個人再生を選べません。
  2. 借金の種類:一部の借金は個人再生の対象とならず、また対象となる借金も全額が免除されるわけではありません。たとえば、税金や罰金などの公的な債務は原則として免除されません。
  3. 返済能力:個人再生の手続きを行うためには、一定の返済能力が必要となります。再生計画に基づく返済が可能であることが求められます。
  4. 個人再生の手続きが初めてであること:過去に既に個人再生の手続きを行っている場合、一定期間が経過しないと再度の手続きは認められません。

これらの条件を満たしている場合、個人再生の手続きを行うことができます。

個人再生が向いている人

個人再生が向いている人はどのような人でしょうか。基本的には、借金返済に困っているが一定の収入があり、返済能力がある人に適しています。
しかし、それだけではなく、以下のような特徴を持つ人も個人再生を選択することが考えられます。

  1. 自宅や土地など、手放したくない財産がある人:個人再生ならば、所有する財産を保持しつつ借金の整理ができます。自己破産では財産が売却される可能性があるため、重要な財産を手放したくない人に適しています。
  2. 一定以上の収入があり、返済能力がある人:個人再生では、将来の収入を元にした返済計画が作られます。したがって、安定した収入がある人に向いています。
  3. 事業を続けながら借金を整理したい自営業の人:個人再生は、事業を続けつつ債務整理が可能な手段であるため、自営業の人にとって適した選択肢となりえます。
  4. 長期的な視点で借金の返済を考えている人:個人再生では5年から7年の返済計画を立てるのが一般的です。そのため、短期間での完済を求めるのではなく、長期的な視点で返済を考えられる人に向いています。

以上のような特徴を持つ人が個人再生を選択することが多いですが、それぞれの個別の状況によります。

個人再生のメリット5つ

1、借金が最大10分の1に減額される

個人再生を利用する大きなメリットの一つが「借金が最大10分の1に減額される」可能性があるという点です。しかし、その具体的な内容や条件については、多くの人が理解していないかもしれません。

個人再生では、元の借金額から一定の割合を返済し、残りは法律によって免除されます。ここでいう「最大10分の1に減額」とは、借金の90%が免除され、全体の10%だけを返済すればよいという意味です。しかしこの条件が適用されるのは、一定の条件を満たした場合です。
具体的には、以下のような条件が考えられます。

  1. 借入総額に対する返済額:返済する借金の額は、借入総額、返済可能な収入、生活費などから計算されます。その結果、借入総額の10%程度になることがあります。
  2. 定期的な収入があること:個人再生を利用するには、返済計画に基づいて定期的に返済を行う能力が必要です。つまり、安定した収入があることが条件となります。
  3. 借金の種類:個人再生で免除できるのは、基本的に消費者金融やクレジットカードの借金などの「無担保借金」です。一部の「有担保借金」は免除されません。
  4. 他の債務整理手続きを利用していないこと:自己破産や任意整理など他の債務整理手続きを利用していると、個人再生を選択できない場合があります。

これらの条件を満たす場合、借金が最大10分の1に減額される可能性があります。個人再生のメリットを最大限に活用するには、自身の状況を正確に把握し、専門家と共に適切な計画を立てることが重要です。

2、長期の分割払いが可能

「長期の分割払いが可能」というメリットが、個人再生の手続きを選択する一つの大きな理由です。個人再生を選ぶことで、返済期間を長く設定し、毎月の返済額を低減させることができます。

個人再生の手続きでは、返済計画を立てる段階で、あなたの収入や生活費などを考慮して毎月の返済額が決定されます。そして、その返済計画に従って一定期間(最長で10年)にわたり返済を続けることになります。

この期間は、借金の総額、収入状況、生活費などによって変わりますが、自己破産や任意整理と比べて長期間にわたる分割返済が可能です。これにより、一度に大きな額を返済することなく、日常生活を続けながら返済を進めていくことができます。

長期の分割払いが可能な点は、個人再生の大きなメリットと言えます。しかし、それだけでなく、長期間にわたる返済計画は、借金を返済しながら生活を再建するという視点からも重要です。一度の大きな返済ではなく、計画的な返済により、経済的な自立を目指すことができます。また、個人再生では、返済計画が法律により保護されるため、返済中に取立て行為を受ける心配がありません。

ただし、返済計画は経済状況や生活環境の変化により途中で変更することも可能です。

3、職業制限がかからない

個人再生を選択するメリットの一つとして「職業制限がかからない」という点があります。一部の法的な手続き、例えば自己破産などは、官公庁や法人の役員、弁護士、会計士など特定の職業についている方にとっては、職務を続けられないなどの制限が生じることがあります。しかし、個人再生の手続きではそういった制限はありません。

個人再生は借金の返済計画を立て、それに基づいて長期間にわたって返済を続ける手続きです。この過程で、個人再生手続きが公になることもありますが、その事実が職務遂行に影響を及ぼすことは基本的にありません。そのため、弁護士や公務員、教員、医師など特定の職業に就いている方でも、職業を続けながら返済計画に基づいて借金を返済することが可能です

また、個人再生では返済計画が裁判所によって認められたものであるため、返済中に取立てや職場への連絡が行われることはありません。これにより、職場での人間関係に影響を及ぼすことなく、借金問題を解決することができます。

ただし、個人再生は長期間にわたる返済計画を組むため、安定した収入が必要です。

4、住宅ローンで購入した住宅を維持できる

住宅ローンを抱えているということは、家を手放したくないという強い想いがあるはずです。
そのために個人再生を選択すると、以下のようなメリットがあります。

  1. 自宅を維持できる:個人再生では、自己破産と異なり、自宅を手放すことなく、ローン返済を続けることが可能です。これは住宅ローン特例と呼ばれ、借金の一部を免除しつつも住宅ローンは残し、家を維持することができます。
  2. 長期にわたる返済計画:個人再生では、3年から20年という長期にわたる返済計画を立てることが可能です。そのため、住宅ローンを抱えている人でも、毎月の返済額を大幅に軽減することができます。
  3. 借金の大幅減額:個人再生の過程では、借金の一部が免除されるため、負担が大幅に減少します。これにより、家計の負担が軽くなり、ローンの返済に集中できます。

しかし、全ての人がこれらのメリットを享受できるわけではありません。個人再生には一定の条件があり、それをクリアすることが必要です。また、住宅ローン特例を利用するには以下の要件を満たす必要があります。

  • 住宅ローン以外の債務が250万円以下であること
  • 住宅ローンの残高が家の価値の8割以下であること
  • 返済計画を立て、それが可能であると認められること

これらを満たして初めて、個人再生を選択して住宅を手放さずに済む道が開けます。

5、自己破産をしなくてよい

借金に苦しむとき、自己破産が最後の選択肢となることがあります。しかし、個人再生を利用すれば、自己破産を避けることが可能です。それがどのような事なのかを説明します。

自己破産は一度に全ての借金を帳消しにする強力な手段ですが、それには一定の犠牲が伴います。具体的には以下のようなことです。

  1. 全ての財産を失う可能性 自己破産を行うと、全ての財産が差し押さえられ、売却されることがあります。ただし、生活必需品や就労に必要な物品は除外されます。
  2. 破産者として公表される 自己破産を行ったことは公報に掲載されます。プライバシーが保たれないことが心配されます。
  3. 信用情報機関に記録される 自己破産を行ったことは信用情報機関に登録され、5年間はクレジットカードの取得やローンの借り入れが困難になります。

これに対して、個人再生を行うと、これらのリスクを避けつつ、借金の返済が可能となります。具体的なメリットは以下の通りです。

  1. 一部の財産を保持できる:個人再生では、基本的には財産を手放すことなく、返済計画に基づき借金を返済していきます。
  2. 公表されない:個人再生は自己破産とは違い、公報に掲載されません。プライバシーを保つことができます。
  3. 信用情報機関に登録される期間が短い:個人再生の完了が信用情報機関に登録されますが、登録期間は自己破産の5年に比べて短く、3年となります。

このように、個人再生は自己破産とは異なる手段で、そのメリットとデメリットを理解し、適切な選択をすることが重要です。

個人再生のデメリット5つ

1、ブラックリストに登録される

債務整理をするとき、よく心配されるのが「ブラックリストに登録される」という問題です。これは金融機関がリスクの高い顧客情報を管理するためのリストのことを指します。

個人再生手続きを進めると、その情報は信用情報機関に記録されます。しかし、「ブラックリストに登録される」とは少し違います。信用情報機関には、個人が行った債務整理や遅延情報などのクレジットヒストリーが蓄積され、金融機関はこれを参照して新たな融資を決定します。

個人再生を行った場合、具体的な影響は以下のようになります。

  1. 信用情報の保有期間:個人再生の情報は、債務整理が終了した日から5年間信用情報機関に記録されます。
  2. ローンやクレジットカードの取得:個人再生の情報が信用情報機関に記録されている間、新たにローンを組んだりクレジットカードを取得するのが難しくなります。
  3. 既存のローンやクレジットカード:個人再生が認められると、基本的には既存のローンやクレジットカードは全て解約となります。

以上のように、個人再生手続きを行うと信用情報機関に記録され、それが一定の影響を及ぼします。しかし、その一方で個人再生は借金の返済計画を法的に認めてもらい、一定期間内に全ての借金を返済する手続きです。そのため、完済後には再び新規でローンを組むことが可能になる等、金融生活を再スタートするための一歩となることもあります。

なお、自分の信用情報を知りたい場合は、信用情報機関に対して自己照会を行うことができます。

2、官報に掲載される

官報とは、政府が法律や公告など重要な情報を公表するための公式の新聞のことです。

個人再生の手続きが開始されると、その事実が官報に掲載されます。この掲載は法律により定められており、公平性を保つために必要な手続きです。具体的には、個人再生の申立てがあったこと、再生計画案の内容、債権者に対する異議申立ての期間などが公示されます。

掲載内容の一部例を以下に示します。

  1. 個人再生申立者の氏名
  2. 主な住所
  3. 法的代理人の情報
  4. 再生計画案の概要
  5. 債権者が異議を唱えることができる期間
  6. 債権者集会の日時と場所(開催が必要な場合)

しかし、官報の掲載情報は一般的には閲覧されることは少なく、特に身近な人に見られる可能性は低いと言えます。また、掲載期間が過ぎるとオンライン上からも情報は削除されます。

個人再生手続きは、借金の返済が困難になった個人が法的に保護され、生活を再建するための手続きです。官報への掲載はその一部であり、この手続きを進めることで生活再建への道が開かれます。

3、一定の金額は支払う必要がある

個人再生では、法律家や法務局への手数料、借金の一部など、一定の金額を支払う必要があります。全ての借金がなくなるわけではないので、その点を理解しておくことが大切です。

  1. 手数料:個人再生を進めるためには専門的な知識が必要となります。そのため、弁護士や司法書士に依頼することが一般的です。その際、彼らに支払う手数料が必要となります。この金額は事務所や依頼内容により異なります。
  2. 債務の一部:個人再生の手続きにより、借金の大部分が免除されますが、全てがなくなるわけではありません。再生計画に基づいて一定期間(最長10年)で返済を進めます。この間、再生計画に従った金額を定期的に返済する必要があります。
  3. 法務局への手数料:再生申立を行うためには、裁判所への申立手数料が必要となります。また、手続きが進むと、計画認可決定の際にも法務局への手数料が発生します。

具体的な金額は弁護士や司法書士、借金の総額、生活状況などにより変わるため、具体的な金額を知るには専門家に相談するのが良いでしょう。一見すると負担が大きいように感じるかもしれませんが、それは借金の全額返済に比べればはるかに少ないものです。個人再生は借金に悩む人々が新たな生活をスタートさせるための有効な手段です。

4、保証人に請求される

個人再生は、本人の借金が一部免除され、残りを長期的に分割して返済する手続きです。しかし、この手続きは本人の借金にしか影響せず、保証人に対する債権者の権利はそのまま残ります。つまり、借金の保証人がいる場合、本人が個人再生を行っても保証人に対する請求は続く可能性があります。

  1. 保証人とは:借り手が借金を返せなくなった場合に、その代わりに返済する役割を持つ人です。借金の返済が困難になったとき、保証人は借り手の代わりに債権者に対して返済を行う義務があります。
  2. 債権者の権利:個人再生では、本人の借金の一部が免除されます。しかし、それは本人に対する請求だけで、保証人に対する債権者の権利は影響を受けません。したがって、保証人は個人再生後も債権者から請求を受ける可能性があります。
  3. 保証人の対応:保証人が借金の返済に困った場合、自身も個人再生や自己破産などの手続きを選択することが可能です。しかし、それぞれの手続きには一定の条件があり、専門家の助けを借りて適切な手続きを選ぶことが大切です。

個人再生を検討する際は、借金の保証人にどのような影響が出るのかを理解し、早めに対策を考えることが大切です。

5、手続きが複雑である

個人再生は、負債を整理し、経済的な自由を取り戻すための手段です。しかし、法的な手続きであるため、手続き自体は専門的な知識を要する複雑なものとなっています。

  1. 提出書類の多さ:個人再生手続きでは、再生計画案を含む多くの書類を裁判所に提出する必要があります。その内容は借金の総額、収入、財産、生活費等の詳細な計算に基づいているため、書類作成には専門的な知識が必要です。
  2. 法的な手続き:個人再生は法律に基づく手続きであり、裁判所の審査を経る必要があります。そのため、法律の知識がなければ自力で進めるのは難しいです。
  3. 長期にわたる手続き:再生計画案が認められるまでには数カ月、場合によっては1年以上を要することもあります。また認められた後も定期的に報告が必要となるため、手続きは一定期間続きます。

そのような複雑さを考慮すると、専門家である弁護士や司法書士の助けを借りて手続きを進めることが推奨されます。専門家は手続きの流れを理解しており、また適切な再生計画案を作成し、裁判所とのやり取りも行います。その結果、手続きの負担を軽減し、より良い結果を得られる可能性が高まります。

個人再生は一見複雑に見えますが、適切なサポートを受ければ確実に進めることが可能です。

個人再生でよくある質問

住宅ローン・自動車ローンはどうなるのか?

個人再生の手続きでは、住宅ローンや自動車ローンの扱いも重要なポイントになります。具体的には以下のようになります。

住宅ローン: 住宅ローンは、個人再生手続きにおいて「特例債権」として扱われます。これは、生活に必要な住宅を確保するための措置です。特例債権となった住宅ローンは、借金全体の中で優先的に返済され、その返済条件は再生計画に盛り込まれます。なお、住宅ローンの元金が減額されることはありませんが、利息の一部がカットされる可能性があります。

自動車ローン: 一方、自動車ローンの扱いは、その車が仕事や生活に必要かどうかで変わります。仕事に必要な車であれば、住宅ローンと同様に特例債権となります。しかし、趣味や贅沢のための車であれば、一般債権として扱われ、他の債務と同様に減額されます。

以上が個人再生手続きにおける住宅ローン・自動車ローンの基本的な扱いです。

自分で個人再生はできないのか?

基本的に、個人再生手続きは自分一人で行うことは可能です。しかし、実際には法律の知識が必要だったり、複雑な手続きが必要だったりするため、専門家の支援を受けることがほとんどです。

以下に、自分で個人再生を行う場合と、専門家に任せる場合の違いをまとめました。

  • 法律の知識
    • 自分でやる場合:法律の知識がなければ、手続きの進行が難しくなる可能性があります。また、適切な再生計画の作成も難しくなります。
    • 専門家に任せる場合:弁護士や司法書士などの専門家が法律の知識を持っていますので、適切な手続きと再生計画の作成が可能です。
  • 手続きの複雑さ
    • 自分でやる場合:裁判所に提出する書類の作成や、債権者との交渉など、手続きは複雑で煩雑です。
    • 専門家に任せる場合:専門家が全ての手続きを代行しますので、自身で行う必要はありません。
  • 再生計画の成功率
    • 自分でやる場合:再生計画の作成は難しく、裁判所から認められる計画を作るのは困難です。
    • 専門家に任せる場合:専門家は経験豊富であるため、成功率が高くなります。

以上のように、自分で個人再生を行うことは可能ですが、法律の知識や手続きの複雑さ、成功率の観点から見て、専門家に依頼することがおすすめです。

家族や会社に内緒にできるか?

まずはじめに、個人再生の手続きは基本的には公開されるものではありません。家族や会社に知られることは基本的にありません。しかし、以下の点に注意が必要です。

  1. 官報に掲載される:個人再生の手続きが開始されると、法律上、官報に名前と住所が掲載されます。しかし、官報をチェックすることは一般的には少ないため、これが原因で知られることはほとんどありません。
  2. 保証人に影響:借金に保証人がいる場合、その人に影響が出る可能性があります。個人再生を行うと、原則として保証人への返済義務はなくなりますが、保証人には通知が行くため、この点では家族に知られる可能性があります。
  3. 信用情報機関への登録:個人再生手続きを行った事実は信用情報機関に登録されます。これにより、新たな借入れやクレジットカードの取得が難しくなる可能性があります。ただし、これによって家族や職場に知られることはまずありません。

したがって、基本的には家族や会社に内緒で個人再生手続きを行うことは可能ですが、官報への掲載や保証人への影響など、知られる可能性が完全にないわけではありません。それらを考慮に入れた上で、適切な行動を取ることが大切です。

個人再生の弁護士・司法書士報酬の費用相場は?

個人再生の手続きを進めるには、専門的な知識と経験が必要となります。そのため、弁護士や司法書士の力を借りることが一般的です。その報酬の相場は、個々の案件の複雑さや地域、事務所により異なりますが、大体の相場は以下の通りです。

  • 弁護士・司法書士報酬: 約20万円〜30万円
  • 裁判所への申立料: 約8,000円
  • その他の費用(郵便料金など): 約10,000円〜

ただし、この報酬は、事前に一括で支払う必要があります。また、報酬は個々の事務所によりまちまちなため、相談の際には必ず料金についても確認し、理解した上で契約するようにしてください。

個人再生に強い事務所の特徴は?

個人再生手続きを成功させるには、専門的な知識と経験が必要です。そのため、適切な弁護士や司法書士に支援してもらうことが重要となります。個人再生に強い事務所は以下の特徴を持つことが多いです。

  1. 豊富な経験: 事務所が扱った個人再生の案件数は、その事務所の経験値を示す重要な指標です。多くの案件を成功させてきた事務所ほど、さまざまな状況に対応する能力があります。
  2. 専門性: 個人再生だけでなく、自己破産や任意整理など、債務整理全般に精通している事務所は、個々の状況に応じた最適な解決策を提案することが可能です。
  3. 寧なカウンセリング: 個人再生は複雑な手続きであり、借金についての不安や恐怖感を抱えている人が多いです。そのため、丁寧に説明し、借り手の状況を理解しようとする姿勢は、事務所の品質を示す重要な要素です。
  4. アフターサポート: 個人再生の手続きが終了した後も、借金の返済計画に従って行動する必要があります。そのため、手続き後のサポートも提供している事務所は信頼できます。

これらの特徴を持つ事務所を選ぶことで、個人再生の手続きをスムーズに進め、生活を立て直す一助となるでしょう。

まとめ

個人再生は、個人が抱える借金問題を解決するための法的手続きの一つです。返済計画を立て、一定期間で返済を完了することを目指します。自己破産と異なり、すべての財産を手放す必要がないため、生活の基盤を維持しながら借金を減らすことができます。

メリット

  • 財産の維持: 大切な財産を処分せずに済むため、生活の基盤を保てます。
  • 借金の減額: 返済計画に基づき、借金の一部が免除されることがあります。

デメリット

  • 手続きの複雑さ: 専門的な知識が必要で、弁護士や司法書士の協力が欠かせません。
  • 期間の長さ: 返済計画が長期にわたる場合があるため、精神的に負担がかかることがあります。

特に重要な部分は以下の通りです。

  • 適用条件: 個人再生が適用できるかどうかは収入や借金の状況によるため、事前の専門家との相談が必要です。
  • 返済計画の策定: 返済計画は現実的でなければならず、適切な計画の作成が求められます。

個人再生は、財産を守りつつ借金問題を解決したい方に適した手法です。しかし、手続きの複雑さを考慮し、専門家のサポートを受けることが重要です。借金の減額だけでなく、将来的な生活設計にも対応するため、個別の状況に合った方法を選ぶことが求められます。

この記事の監修者

債務急済運営事務局のアバター
債務急済運営事務局

株式会社WEBYの債務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に債務整理の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。

※当社(株式会社WEBY)は直接債務整理のサービスを提供しておらず、債務整理の相談や依頼については紹介事務所へのリンク先で対応となるため、当サイトでは債務整理に関する個人の相談や質問にはお答えできません。
当サイトのコンテンツは事実に反しないよう尽力していますが、内容の正確性や信頼性、安全性を担保するものではありません。
債務整理の無料相談や依頼にお申し込みされる際は各弁護士事務所・司法書士事務所等の公式ホームページに記載されている内容をご確認いただき、自己判断していただけますようお願いいたします。
当サイトは株式会社WEBYと提携する企業のPR情報が含まれます。
当サイトで掲載しているコンテンツは個人および法人へ向けた情報提供が目的であり、債務整理を提供する事業者との契約代理や媒介、斡旋を助長するものではありません。

SIMULATION

借金がどのぐらい減額できるかを無料で診断致します。

CONSULTATION