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任意整理で自動車ローンはどうなる?|車を残せる条件と手続きの注意点を解説

債務整理

2023.09.292025.10.25 更新

任意整理で自動車ローンはどうなる?|車を残せる条件と手続きの注意点を解説

「車のローンもあるけれど、借金がもう手に負えない……」と任意整理を検討している方は多いのではないでしょうか。

「大切な車を手放したくない」という場合、自動車ローンを任意整理の対象にすることで車がどうなるのか、引き上げのリスクや他の債務整理との違いも気になるポイントです。

この記事では、自動車ローンを任意整理に含めた場合の影響や車を残すための方法・注意点、さらに個人再生や自己破産との違いについてわかりやすく解説します。

こんな人におすすめの記事です。

  • 任意整理を検討しているけれど、「車だけは絶対に手放したくない」と強く願っている方
  • 自動車ローンが残っているせいで、借金解決への一歩が踏み出せずに不安を感じている方
  • 毎月の借金返済に追われ、生活に必要な車まで失うかもしれないと心配している方
  • 車を残しながら借金問題を解決するために、具体的な方法や相談先を探している方

記事をナナメ読み

  • 自動車ローンの種類別に「車を残せるローン」なのか「引き上げリスクが大きいローン」なのかがわかります。
  • 任意整理で車を残すための具体的な方法と、その際に注意すべき重要なポイントを理解できます。
  • もし車を手放すことになっても、生活への影響を最小限に抑えるための現実的な対策が見つかります。
  • 専門家への無料相談を活用し、あなたに合った最適な解決策を見つけ、安心して借金問題を解決できる第一歩を踏み出しましょう。
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任意整理で自動車ローンを整理対象にするとどうなる?

任意整理で自動車ローンを整理対象にするとどうなる?

自動車ローンを任意整理の対象に含める場合、車を手放す可能性が高いです。

ここでは、なぜ車を手放すことになるのか、そしてローン会社との交渉でどんな問題が起こりうるのかを解説します。

自動車ローンを任意整理に含めた場合、車は手放す必要がある

自動車ローンを任意整理の対象に含めると、基本的に車は手放すことになります。なぜなら、自動車ローン契約には「所有権留保」という仕組みがあるからです。

所有権留保とは、ローンを完済するまでの間、車の所有権がローン会社に残っている契約のことです。

このため、ローンの返済が滞ったり、任意整理の対象になったりした場合には、ローン会社が所有者として車を引き上げることができます。

任意整理の手続きを開始すると、ローン会社は契約に基づき車を回収して売却します。車の売却額でローン残高を全額返済できない場合は、その差額(残債)分は引き続き返済する義務が残ります。

例えば、ローン残高が100万円で、車の査定額が60万円だった場合は、残りの40万円を任意整理の対象として分割で返済していくことになります。

ローン会社との交渉で起こりうる問題

自動車ローンを任意整理に含めると、車の引き上げリスクだけではなく、他の借金と比べて交渉が難しくなる傾向があります。

  • 交渉の難航
    ローン会社は車を担保に持っているため、交渉に応じる必要性を感じにくいのが実情です。

    車を引き上げて売却すれば、一定の額を回収できると考えているため、返済額の減額交渉には応じないことがほとんどです。
  • 車の返却と残債交渉
    実際の交渉では、「車を返却して、残ったローンだけを分割払いにする」という提案がされることがよくあります。これは実質的に車を諦めることを意味します。
  • 査定額の低評価
    ローン会社が引き上げた車の査定を行う際、市場価格よりも低い金額で評価されるケースも多く、結果として残債が思った以上に多くなる可能性があります。

このような問題を避けるためには、自動車ローンを任意整理の対象から外すか、早めに専門家へ相談し、最適な解決方法を見つけることが重要です。

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自動車ローンの種類別|車を残せるケースと残せないケースの違い

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自動車ローンと一口に言っても、「どこで借りたか」「車の名義が誰になっているか」で、任意整理をしたときの結果は大きく変わります。

ここでは、ローンの種類別に、「車を残せるケース」と「手放さざるを得ないケース」の違いとそれぞれのリスクについて解説します。

銀行系マイカーローンなら車を残せる可能性が高い

銀行や信用金庫、労働金庫などで組んだマイカーローンは、車を手元に残せる可能性が最も高いタイプです。

  • 所有権が本人
    銀行系マイカーローンは、通常、車の所有権を担保として取りません。

    そのため、車検証の「所有者」欄にはあなた自身の名前が記載されていることがほとんどです。
  • 任意整理対象からの除外
    任意整理では整理する借金を選択できるため、銀行のマイカーローンを除外し、今まで通り支払いを継続すれば、車を手放さずに済む可能性が高いです。

ただし、銀行によっては車を担保に取る場合もあるため、契約書や車検証で所有者を確認することが不可欠です。

ディーラーローン・信販会社ローンは引き上げリスク大

トヨタファイナンス、オリコ、ジャックスなどの信販会社や、ディーラーを通じて組んだローンは、車を引き上げられてしまうリスクが非常に高いタイプです。

  • 所有権留保
    これらのローンでは、完済するまで車の所有権が信販会社やディーラーに留保されています。車検証の「所有者」欄には信販会社名やディーラー名が記載されているはずです。
  • 引き上げのリスク
    ローンを任意整理の対象に含めると、信販会社は契約に基づき車を引き上げる権利を行使してきます。

    車を売却し、ローン残債の一部を回収しようとするため、車を手元に残すことは困難です。

車が生活や仕事に必要不可欠で、ローンの残額が少ない場合は、親族に一括返済を肩代わりしてもらうなどの方法で車を残せる可能性もありますが、基本的には引き上げを覚悟する必要があります。

自社ローンやリース契約の場合の注意点

中古車販売店が提供する「自社ローン」や「カーリース契約」は、通常のローンとは異なる性質を持つため、さらに注意が必要です。

  • 自社ローン
    厳密にはローンではなく「分割払いによる車の売買契約」であり、完済するまでは車の所有権が販売店にあります。

    支払いが滞れば車を引き上げられる可能性が高いです。金利が高めに設定されていることも多く、任意整理に追い込まれやすい特徴があります。
  • カーリース契約
    車を「借りている」状態であるため、契約違反になれば当然、車を返却しなければなりません。

    リース料の支払いが困難になったからといって任意整理の対象にすると、リース会社は契約を解除し、車の返却を求めてくるでしょう。
  • 期限の利益喪失条項
    これらの契約には、「他の借金で債務整理をした場合に期限の利益を失う」という条項が盛り込まれていることがあります。

    この場合、自社ローンやリース契約を任意整理の対象から外しても、他の借金を整理したことを理由に契約を解除され、車の引き上げや一括返済を求められる可能性があります。

任意整理を検討する際は、これらの契約内容を詳しく確認し、専門家と相談してリスクを把握することが非常に重要です。

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自動車ローンを任意整理から除外する方法と注意点

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車のローンがあるけれど、他の借金の返済が難しくなっている場合、任意整理では車のローンだけを残して、他の借金を整理することが可能です。

ここでは、その仕組みと注意点、そして支払いが困難になった場合の対処法を解説します。

特定の債権者のみ除外できる任意整理の仕組み

任意整理の大きな特徴は、整理したい借金を自分で選べる点です。

  • 選択的整理
    任意整理は裁判所を通さない任意の交渉であるため、借りている人が「この借金は整理したいけれど、この借金は今まで通り払いたい」という希望を通すことができます。
  • 車のローン除外
    車のローン会社には受任通知を送らず、交渉対象から外すことで、大切な車を手元に残しながら、クレジットカードや消費者金融などの高金利の借金のみを整理し、返済負担を軽減できます。

この仕組みを活用すれば、生活に必要な車を維持しながら借金問題の解決を目指すことが可能です。

自動車ローンを除外する際の注意点

車のローンを任意整理から除外する場合、いくつか大切な注意点があります。

  • 所有権留保の確認
    最も重要なのは、車のローンが所有権留保になっているかどうかです。

    車検証の「所有者」欄がローン会社や販売店名になっている場合は、任意整理の対象にすると車を引き上げられるリスクがあります。
  • 除外したローンの返済継続
    除外した車のローンは、今まで通りの条件で返済を続ける必要があります。

    任意整理によって他の借金の返済額が減っても、車のローンの支払い額は変わりません。
  • 信用情報への影響
    任意整理後は信用情報に事故情報(いわゆるブラックリスト)が記録されるため、新たなローンやクレジットカードの利用は難しくなります。

    車の修理費用や車検代、自動車保険料などは現金で支払う必要が出てくるため、維持費も含めて返済計画を慎重に検討しましょう。
  • 家計の再確認
    月々の収入から車のローン、任意整理後の返済額、生活費を差し引いて、家計が成り立つかどうかの計算が不可欠です。無理な返済計画は、結局支払いが滞る原因となります。

除外しても支払いが困難な場合の対処法

車のローンを除外して任意整理を行っても、やはり支払いが厳しいという状況になることもあります。そのような場合でも、いくつかの対処方法があります。

  • ローン会社との直接交渉
    任意整理とは別に、車のローン会社に対して返済条件の見直しを直接相談できる場合があります。

    返済期間の延長や一時的な利息のみの支払いなど、柔軟な対応を引き出せる可能性があります。
  • 個人再生の検討
    どうしても車のローンも含めて整理が必要な場合は、個人再生
    という方法があります。

    個人再生では、住宅ローン特則と同様の考え方で、車のローンを特別扱いできる場合があります。
  • 車の売却検討
    車の価値がローン残高を下回っている「オーバーローン」の状態であれば、維持費も考慮すると、むしろ車を手放して残債を整理した方が経済的に合理的な場合もあります。

    車の査定額とローン残高を比較し、どちらが得策かを判断しましょう。

最終的な判断は、専門家と相談しながら決めることをおすすめします。

弁護士や司法書士は、あなたの生活状況や収入を総合的に判断し、最適な解決方法を見つけるサポートをしてくれます。

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車を手放すことになった場合の現実的な対応策

車を手放すことになった場合の現実的な対応策

もし車を手放すことになったとしても、生活を立て直す方法はあります。ここでは、残債を減らす方法や、車のない生活への移行、そして家族名義での車保有について解説します。

任意売却や下取りで残債を減らす方法

車を手放すことが決まったら、できるだけ高く売却して残っているローンの負担を軽くすることが重要です。

  • 任意売却
    ローン会社と相談し、車を売却する方法です。売却額がローン残高を下回る場合、その差額を分割で支払う交渉を行います。
  • 複数の査定
    ディーラーでの下取りも選択肢ですが、買取専門店の方が高い値段がつく傾向にあります。
    インターネットの一括査定サービスなどを利用し、複数の業者から見積もりを取り、一番良い条件のところで売却しましょう。

車を売却したお金でローンの全額が返済できない場合(オーバーローン)でも、残った借金は引き続き支払う必要がありますが、車という担保がなくなった分、月々の返済額を減らしてもらえる可能性があります。

車のない生活への移行|カーシェアなどの代替手段を使う

車を手放した後の生活を想像すると不安になるかもしれませんが、公共交通機関の利用やカーシェアなど、代替手段は多くあります。

  • 公共交通機関の活用
    電車やバスの定期券は、ガソリン代、駐車場代、車検代などを考えると、車の維持費より安く済むことがあります。
  • カーシェアリング
    必要な時だけ車を借りられるサービスです。近所の買い物や病院への通院など、一時的な利用に便利で、費用を抑えられます。
  • 自転車
    健康的で経済的な移動手段です。電動アシスト自転車なら、坂道も楽に、買い物の荷物も運べます。
  • タクシー
    どうしても車が必要な場面でのみ利用すれば、結果的に車を所有するより安く済むこともあります。

家族名義で車を保有することはできる?

「自分の名前では車を買えないが、家族の名前なら大丈夫ではないか」と考える方もいるかもしれません。技術的には可能ですが、いくつか注意点があります。

  • ローン審査と支払い義務
    家族名義で車を購入する場合、その家族の収入や信用情報でローン審査が行われます。
    ローンの支払い義務は名義人にあるため、もし支払いが滞れば名義人の信用情報に傷がついてしまいます。
  • 保険契約の見直し
    名義人以外が主に運転する場合、保険料が高くなったり、事故の際に保険が適用されない可能性もあるため、保険会社に相談し、適切な契約を結ぶことが重要です。
  • 家族に迷惑をかけるリスク
    任意整理中や直後は収入が不安定になりがちです。
    無理に車を持とうとするよりも、まずは借金の整理に集中し、生活が安定してから車の購入を検討する方が賢明です。
  • 現金での中古車購入
    ローン審査の心配がない現金一括購入も選択肢の一つです。予算に応じて、走行に問題のない中古車を見つけることも可能です。
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任意整理後に新しく自動車ローンを組むときの注意点

任意整理後に新しく自動車ローンを組むときの注意点

任意整理を終えて「そろそろ車を買い替えたいけど、ローン審査に通るのか心配…」と感じている方もいるでしょう。

ここでは、任意整理後の信用情報への影響期間と、ローン審査を通すための対策、そして代替の車購入方法について詳しく解説します。

信用情報への影響期間と審査の影響

任意整理を行うと、その記録が信用情報機関に「事故情報」として登録されます。

  • 登録期間
    この事故情報は、完済から約5年間は残り続けるのが一般的です。この期間は、銀行や信販会社、ディーラーローンなどの審査で不利な状況が続きます。
  • 審査への影響
    ローン会社は申込者の信用情報を必ず確認するため、任意整理の記録があると「返済能力に問題がある」と判断される可能性が高まります。
  • 信用回復のポイント
    任意整理中および完了後も、携帯電話の分割払いやクレジットカードの支払いなど、他の支払いを遅延させないことが信用回復を早める上で重要です。

ただし、これは「絶対にローンが組めない」という意味ではありません。金融機関によって審査基準は異なるため、対策次第で通る可能性もあります。

任意整理完了後にローン審査を通すための対策

任意整理後に自動車ローンの審査に通りやすくするためには、次のような準備が有効です。

  • 安定した収入の確保
    正社員として長く勤め、安定した収入を証明できるようにしましょう。転職を繰り返すと収入が不安定と見られやすい傾向があります。
  • 頭金の用意
    車両価格の2~3割程度の頭金を用意することで、借入額を減らせるだけでなく、「計画的に貯蓄できる人」と評価され、信用度が上がります。
  • 保証人を立てる
    安定した収入がある家族や親族に保証人になってもらうと、ローン会社のリスクが減り、審査が通りやすくなります。

    ただし、保証人には大きな責任が伴うため、十分な相談が必要です。
  • 信用情報が回復するまで待つ
    任意整理の情報が信用情報機関から消えるまで、最低でも完済後5年間は待つのが最も確実な方法です。
  • 「申し込みブラック」を避ける
    短期間に複数のローンに申し込むと、かえって審査に悪影響が出ます。まずは1社ずつ、慎重に申し込みを進めましょう。
  • 任意整理を依頼した法律事務所に相談
    任意整理の対象から外したローン会社があった場合、その金融機関では審査に通りやすいケースもあります。事前に専門家に相談し、安心できる方法を見つけましょう。

車を持つための代替策(現金・中古・親族名義など)

自動車ローンの審査に不安がある場合、他の購入方法を検討することもできます。

  • 現金一括購入
    最も確実な方法です。任意整理後の家計管理で貯蓄習慣が身についていれば、中古車であれば比較的手の届く価格帯で良質な車を見つけることができます。
  • カーリース
    リース契約は厳密にはローンではないため、自動車ローンよりも審査基準が緩やかな場合があります。

    月々の支払額が一定で家計管理しやすく、車検やメンテナンス費用が含まれるプランもあります。
  • 親族からの借り入れ/親名義でのローン
    親族から資金を借りるか、安定した収入がある親族名義でローンを組む方法です。

    トラブルを避けるため、返済条件や責任の所在を明確にしておくことが重要です。
  • 中古車販売店の独自ローン
    比較的審査が緩やかとされることがありますが、金利が高めに設定されている場合が多いため、返済計画をしっかりと立ててから利用することが大切です。

任意整理後の車購入はハードルが高くなりますが、適切な準備と対策により実現可能です。

無理のない返済計画を立てることが何より重要ですので、不安な点があれば専門家へ相談することをおすすめします。

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任意整理前にやってはいけないNG行動

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借金の返済が厳しくなってきた時、「なんとか車だけは残したい」と思うのは当然です。

しかし、任意整理を検討している段階で間違った行動を取ってしまうと、かえって状況が悪化してしまう可能性があります。

ここでは、絶対に避けるべきNG行動を解説します。

車の名義を変更して隠そうとすること

「車の名義を家族に変更すれば、任意整理の対象から外せるのでは」と考えるのは危険な行為です。

  • 財産隠しとみなされるリスク
    任意整理の手続きが始まる前に財産を隠す目的で名義変更を行うことは、「財産隠し」とみなされる可能性があります。

    これは法的に問題のある行為であり、発覚した場合にはローン会社との信頼関係が完全に破綻します。
  • 所有権の問題
    車のローンが残っている場合、所有権はローン会社にあることが一般的です。あなたには名義変更する権限がそもそもありません。

    無断で行えば契約違反となり、一括返済を求められる可能性が高まります。

結果的に、信頼を失うだけで何の解決にもならないため、このような行為は絶対に避けましょう。

ローン会社に虚偽の申告をするのはNG

返済が苦しくなった時、ローン会社に対する嘘の申告は絶対に避けなければなりません。

  • 発覚のリスク
    金融機関は信用情報や収入状況を詳細に調査する能力を持っています。
    給与明細や源泉徴収票の提出を求められた際や、信用情報機関の記録との矛盾があれば、すぐに発覚します。
  • 信頼関係の喪失
    嘘の申告が判明すると、契約違反として一括返済を求められるだけでなく、今後の金融取引にも大きな影響を与え、ローン会社との信頼関係は完全に失われます。

正直に状況を説明することで、ローン会社も現実的な解決策を一緒に考えてくれる場合があります。

誠実な対応を心がけることが、最終的には最善の結果につながります。

専門家に相談せずに自己判断すること

借金の問題は複雑で、専門知識なしに任意整理を進めることは大きなリスクを伴います。

  • 判断ミスの危険性
    どの会社を対象にするか、どのような条件で交渉するか、車のローンをどう扱うかなど、専門的な判断が必要です。

    これらの判断を間違えると、借金問題が解決しないだけでなく、かえって状況が悪化する可能性があります。
  • 最適な解決策の見逃し
    任意整理以外にも、個人再生や自己破産といった他の選択肢が適している場合もあります。

    あなたの収入状況、借金の総額、車の必要性などを総合的に考慮して、最も適した方法を選択することが重要です。

専門家に相談することで、あなたの状況に応じた最適な解決方法を見つけ、将来への不安を和らげることができます。

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借金問題を解決する方法は任意整理だけではありません。

車を残したいという希望があるなら、他の債務整理方法も含めて比較検討することが大切です。

ここでは、任意整理、個人再生、自己破産のそれぞれの特徴と車の扱いについて詳しく見ていきましょう。

任意整理と他の債務整理方法との比較検討

債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があり、それぞれ車の扱いが大きく異なります。

債務整理の種類車の扱い主なメリット主なデメリット
任意整理残せる可能性あり(※条件付き)将来利息をカットできる整理する
債権者を選べる
元本は減らない
信用情報に登録される
個人再生残せる可能性が高い(※条件付き)借金を大幅に減額できる
家や車を残せる場合がある
手続きが複雑
信用情報に登録される
自己破産手放す可能性が高い借金がすべてゼロになる財産を失うことが多い信用情報に登録される
※車のローンが「所有権留保付き(ローン会社が名義を保有)」の場合は、車を残すためにローンの支払いを継続するか、整理対象から除外するなどの対応が必要です。

この表からわかるように、債務整理の種類によって車を残せる可能性や手続きの負担が大きく異なります。

次からは、個人再生や自己破産の場合の車の扱いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

個人再生なら車を残せる可能性が高い理由

個人再生は、借金を大幅に減額しつつ、車を手放さずに済む可能性が最も高い債務整理方法です。

  • 車のローンを特別扱い
    個人再生では「住宅ローン特則」と同じように、車のローンだけは今まで通り支払いを続け、他の借金は大幅に減額してもらえる場合があります。
  • 清算価値保障の原則
    ただし、車の価値がローン残高よりも大幅に高い場合、その価値以上に最低でも返済する必要があります。
  • 継続収入の条件
    個人再生を利用するには、安定した収入があり、継続的に返済を行う見込みがあることが条件です。

自己破産での車の扱いとリスク

自己破産は借金をゼロにできる強力な方法ですが、車を残すのは非常に困難です。

  • 所有権留保の車
    ローンが残っている車は、所有権は信販会社にあるため、自己破産手続きが始まると信販会社が車を引き上げて売却することになります。
  • 財産の処分
    自己破産では、20万円を超える価値のある財産は原則として売却され、借金の返済に充てられます。
    車の年式や車種によっては、20万円以上の価値があると判断されることが多いでしょう。
  • 自由財産の拡張
    例外的に、生活や仕事に絶対に必要な財産として裁判所の許可を得て車を手元に残せることもありますが、認められるケースは稀です。

あなたに最適な債務整理方法の選び方

債務整理方法を選ぶ際は、車を残したいという希望だけでなく、収入や借金の総額を総合的に考える必要があります。

  • 返済可能額の計算
    毎月の収入から生活費を差し引き、どれくらいの金額を返済に回せるかを計算しましょう。
  • 借金総額と年収の比較
    借金の総額が年収の3分の1を超える場合は個人再生、年収を大幅に上回り返済の見込みが全く立たない場合は自己破産が適している可能性が高くなります。
  • 専門家への相談
    どの方法が最適かは、専門家でなければ正確に判断するのは困難です。弁護士や司法書士に相談し、あなたの状況に応じた解決策を提案してもらいましょう。
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まとめ

まとめ

自動車ローンがある状況での任意整理は複雑で不安を感じるかもしれませんが、適切な知識と専門家のサポートがあれば、車を維持しながら借金問題を解決できる可能性は十分にあります。

任意整理を検討する際は、まず車のローンを対象から外すことで、愛車を手放すリスクを避けられる場合があります。

しかし、この判断には専門的な知識が必要であり、ご自身だけで決めることは危険です。お金を貸してくれた会社との交渉や、どの借金を整理対象にするかの判断は、経験豊富な専門家でなければ適切に行えません。

また、任意整理後の生活設計も重要なポイントです。車を維持する場合は、ローンの支払いと整理後の返済計画を両立させる必要があります。無理のない返済プランを立てることで、再び借金で苦しむ状況を防げます。

一方で、車の価値や維持費を考慮し、売却した方が経済的に楽になるケースもあります。この判断も、あなたの収入状況や生活環境を総合的に分析した上で決めるべきです。

借金問題は一人で抱え込まず、弁護士や司法書士に相談してください。専門家は、あなたの状況を詳しく聞いた上で、車を維持できる可能性や最適な解決方法を提案してくれます。

多くの事務所では初回相談を無料で行っています。まずは気軽に話を聞いてもらい、解決への第一歩を踏み出しましょう。

この記事の監修者

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債務急済運営事務局

株式会社WEBYの債務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に債務整理の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。

この記事に関係するよくある質問

任意整理の成功率は?
任意整理の成功率は、弁護士や司法書士といった専門家に依頼した場合、おおむね9割と非常に高い水準にあります。成功率が高い理由は、専門家が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや過払い金の返還など、依頼者に有利な条件を引き出しやすいためです。手続きもスムーズに進みやすく、結果として高い成功率につながっています。
任意整理をしない方がいいケースは?
任意整理を選ばない方が良い場合もあります。たとえば、借入額が少ないとき、金利が低い借金だけを抱えているとき、担保付きのローンがあるとき、あるいは今後クレジットやローンを利用する予定があるときです。こうしたケースでは、任意整理によるメリットよりも、費用や信用情報への影響といったデメリットの方が大きくなるおそれがあります。
任意整理で失うものは?
任意整理では、原則として財産を失うことはありません。任意整理は、将来の利息を免除してもらい、残った元金を3〜5年ほどで分割返済する手続きです。そのため、自己破産のように借金自体が免除されるわけではありませんが、生活に必要な財産を手元に残したまま返済を続けることができます。
任意整理のデメリットは?
任意整理の主なデメリットは、信用情報機関に事故情報が登録され、一定期間はクレジットカードやローンの新規利用ができなくなる点が挙げられます。また、借金の元金は減額されず、利息のカットと返済期間の延長が中心となること、連帯保証人に請求が及ぶ可能性があることも注意が必要です。さらに、銀行のカードローンを整理すると口座が凍結される場合や、家賃保証会社が信販系の場合は入居審査に影響が出ることもあります。

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