個人再生後もクレジットカードは使える? 仕組みと対処法を解説
お金の悩み
2026.04.26 公開 ー 2026.06.12 更新
個人再生を行うと、クレジットカードは原則としてすべて強制的に解約され、新規カードを作成することもできなくなります。
そのため、クレジットカードが使えなくなることを過度に恐れて、個人再生の申し立てを躊躇している方もいるのではないでしょうか。
たしかに、個人再生により、クレジットカードが強制解約されることによって、日常生活に影響が出ることはありますが、代替手段があるのも事実です。
そのため、個人再生のクレジットカードへの影響を正確に把握し、代替手段を事前に準備しておくことによって、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
本記事では、個人再生後のクレジットカードへの具体的な影響と、その対処法について詳しく解説します。
この記事の目次[開く]
1. 個人再生をするとクレジットカードはどうなる?

1-1. カードが強制解約される仕組み
個人再生の申し立てを行うと、クレジットカードは原則としてすべて解約扱いになります。
これは、すべての債権者を平等に扱う「債権者平等の原則」という法的なルールが適用されるためです。
「生活に必要だから」と、特定のカードのみを残して返済を続けることは法律上認められていません。また、特定の債権者のみに返済する行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とみなされ、個人再生の申立て自体が不認可となる恐れがあります。
1-2. 事故情報の登録と期間
クレジットカードが解約されるのは、信用情報機関のデータベースに「事故情報」が登録されるためです。
信用情報機関は主に3つあり、事故情報が残る期間の目安は以下の通りです。
CIC・JICC:減額された借金の完済から約5年間
KSC(銀行系):個人再生の申し立て開始から約7年間
債務者の信用情報は各機関で共有されているため、どこか一つに「事故情報」の記録がある場合は、原則としてカードの新規発行の審査には通りません。
また、CICとJICCについては、事故情報の登録期間のカウントが「手続きを始めた日」ではなく「借金を完済した日」から始まる点にも注意が必要です。
2. カードが使えない期間の代替手段

クレジットカードがなくても、代替となる決済手段を活用すれば日常生活の維持は十分に可能です。
ご自身の生活スタイルに合わせて、最適な代替手段を選んでみてください。
代替手段 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
デビットカード | 口座残高の範囲内で即時引き落とし | ガソリンスタンドのセルフ給油機などでは使えない |
プリペイドカード | チャージ金額の範囲で利用可能で使いすぎを防げる | 月額料金などの継続的なサブスク支払いに非対応が多い |
スマホ決済 | 手元のスマートフォンで手軽に決済できる | クレジットカード紐付け以外の現金チャージが必要 |
2-1. デビットカードやプリペイドカードの問題点
「デビットカードやプリペイドカードがあれば生活に困らない」と思う方もいるかもしれませんが、日常生活の中で、それらの利用が難しい場面もあります。例えば、格安SIMの通信量や月額サブスクリプションの支払いなどが挙げられます。
生活インフラの支払いが滞ると、生活再建への悪影響となりかねません。そのため、通信費や光熱費などの固定費は早急に口座振替や現金払いへ変更しましょう。
また、キャッシュレス非対応の店舗に備えて少額の現金を携帯したり、コンビニ払いや銀行振込へ切り替えたりするなどの対策も有効です。
2-2. 家族カードなら利用できる?仕組みとリスク
ご自身がブラックリスト状態になっても、家族が本会員の「家族カード」は利用可能です。クレジットカード会社が審査するのは、あくまで本会員である家族の支払い能力だからです。
ただし、家族の信用を借りる以上、迷惑をかけない慎重な運用が不可欠となります。具体的には以下のようなリスクを理解したうえで利用を検討してください。
家族のカード利用限度額を圧迫してしまう
支払いを滞納した場合、家族のクリーンな信用情報に傷がつく
利用明細はすべて本会員へ届くため、利用内容を隠すことはできません。そのため、使った分の返済方法について事前に家族とルールを話し合っておきましょう。
2-3. 審査なしで発行できる「ETCパーソナルカード」
個人再生の申し立てを行うと、ETCカードの支払いに利用しているクレジットカードが解約されるためETCカードも使えなくなります。
しかし、クレジットカードの審査に通らない状態でも、高速道路会社6社が共同で発行している「ETCパーソナルカード」は利用可能です。個人再生の手続き中や完済直後でも、高速道路を利用できます。
「ETCパーソナルカード」は、「デポジット(保証金)」を事前に預けことで利用できる仕組みになっています。クレジットカードを利用するわけではないので、個人再生後も安心して利用することが可能です。
発行までの具体的な手順は以下の通りです。
サービスエリア等で申込書を入手し事務局へ郵送
届いた払込票でコンビニや郵便局からデポジットを入金
入金確認後、自宅へカードが郵送されてきます。解約時にはデポジットが全額返金される仕組みです。
3. カード再作成の時期と注意点

個人再生後にクレジットカードが再び作れるようになる目安は、以下の通りです。
・CIC とJICC: 完済から約5年後
・KSC: 手続き開始から約7年後
再作成までの流れを以下の表で把握しておきましょう。
ステップ | 時期や状態 |
|---|---|
再生計画の認可 | 支払い期間(原則3年・最大で5年)の開始 |
計画案に基づく完済 | 事故情報クリアの起算点 |
完済から5〜7年 | 事故情報の消去 |
この期間中は、原則として新たなカードの審査には通りません。
3-1. 事故情報が消えているかを確認してから申し込みを行う
クレジットカードはいきなり申し込まず、信用情報機関に情報開示請求を行い、事故情報が消えているか必ず確認しましょう。
3-2. 過去に利用したことがないカード会社を選ぶ
事故情報が消えたあとでも、どこでもカードが作れるわけではありません。
過去に個人再生の対象としたカード会社やそのグループ会社には、「社内ブラック」として記録が残り続けてしまうため、再発行の審査に通らない恐れがあります。
そのため、カードの申し込みは、個人再生の対象としたカード会社とは異なる会社を選ぶと良いです。
4. 弁護士への相談が生活再建への近道

個人再生を検討しているものの、不安のあまり、申し立ての判断を後回しにすることは、さらに債務状況を悪化させる事態につながりかねません。
取り返しのつかない状況になる前に、弁護士や専門家に相談し、利用できる手続きを確認することが大切です。
4-1. 「受任通知」で督促を止め生活を立て直す
弁護士に依頼する最大のメリットは、金融機関からの督促から解放されることです。
受任通知には取り立てを止める強力な法的な効力があり、金融機関に届いた時点で自宅や職場への連絡が止まります。
同時に、裁判所での手続きが終わるまでの間は、毎月の債務返済も一時的に停止となります。これまで返済に使っていた資金を手元に残すことが可能になります。
4-2. 早期解決が自己破産を回避する手段
「カードを手放したくないから」と、専門家への相談を先延ばしにするのは非常に危険です。
他社から借金をして返済に充てる自転車操業を続けると、個人再生の条件である支払い能力を超過してしまいかねません。
その結果、マイホームや車などの財産を手放さざるを得ない「自己破産」しか選択肢が残らなくなる恐れがあります。
傷口がより深くならないうち弁護士へ相談することが、生活再建への有効な手段となります。
借金の減額手続きを早く始めれば、「ブラックリスト」から回復する時期も前倒しになります。
一人で悩みを抱え込まず、まずは無料相談を行っている法務事務所へ連絡してみましょう。
早期の決断こそが、経済的再建への第一歩となります。
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