お金の悩み
2026.04.27 ー 2026.04.24 更新
借金の返済に追われ、債務整理を検討している場合、一般的に考えられる手続きは、任意整理や個人再生、自己破産でしょう。
しかし、債務整理の手法はこれらのみにとどまりません。「特定調停」という手法があるのを知っていますか。
「特定調停」は、専門家への依頼をせずに手続きを行うことが可能で、他の債務整理と比べても費用を安く抑えることのできる手法です。
ただ、「費用を安く抑えられるから」と安易に申し立てを行うことは危険です。
本記事では、特定調停のメリットとデメリットや、他の債務整理との違い、自分で申し立てを行う際の注意点などについて詳しく解説します。
特定調停は、簡易裁判所を介して債権者と無理のない返済方法について話し合う手続きです。
専門家への依頼を行わずに手続きを進めることができるため、費用を安く抑えられることが最大の特徴です。
まずは、任意整理や個人再生といった他の債務整理との違いを、以下の表をもとに整理しましょう。
[図解:特定調停は裁判所(調停委員)が債務者と債権者の間に入り、話し合いを仲裁する仕組み]
特定調停の最大の目的は、生活を立て直すための返済計画を作り直すことです。
簡易裁判所から選ばれた調停委員が仲裁役となり、貸金業者などの金融機関と話し合いを進めます。
話し合いがまとまると、裁判所が作成した「調停調書」という公式な書類が発行されます。
この調書には、裁判の確定判決とまったく同じ強力な法的強制力が与えられます。
手続き後に借金の返済が滞った場合、債権者側は直ちに給料や財産の差し押さえを行うことが可能となるので注意しましょう。
特定調停を検討する方が最も期待するのは、手続きにかかる費用の大幅な節約でしょう。
弁護士や司法書士を通さずに自分で行えば、1社あたり数万円の高額な専門家報酬をゼロに抑えることができます。
手持ちの現金がまったくない状態でも、すぐに動き出せるのが大きな利点です。 ただし、自分ですべての手続きをこなさなければならず、大きな労力と精神的負担を伴うのも事実です。
具体的な費用の内訳については、後述のメリットの章で詳しく解説します。
借金問題を解決する手続きには、それぞれ明確なルールと違いが存在します。
特定調停と任意整理の最大の違いは、裁判所という公的な機関を通すか通さないかという点です。
また、自己破産や個人再生を行うと、国の機関紙である「官報」に名前や住所が掲載されますが、特定調停では載りません。
特定調停には明確な向き不向きがあります。 以下の条件を満たしている方が、手続きを最後まで成功させやすいです。
特定調停は「今後も返済を続けること」が前提となります。 条件に一つでも当てはまらない場合は、申し立てを行う前に専門家へ相談すると良いでしょう。
特定調停における最大の焦点は、抱えている借金がどこまで減るのかという点です。 自己破産のように借金の元本そのものがゼロになるわけではありません。
利息制限法に基づく「引き直し計算」によって、法的に支払い義務のある「本当の元本額」を確定させます。 その元本に対して、これから発生する将来利息のカットを相手方へ交渉します。
しかし近年、金融機関側が将来利息のカットに強硬に反対する事例が増加しているのも事実です。 調停委員に強制的な決定権はないため、業者が拒否すれば利息を付けたままの合意になる恐れもあります。
特定調停には、メリットとデメリットが存在します。
以下にそれぞれまとめたので、申し立てを検討する際の参考にしてみてください。
特定調停は、唯一自分で手続きを進めることのできる債務整理の手法です。十分な法的知識がなくても簡易裁判所を介して申し立てを行うことができます。
特定調停を選ぶ最大のメリットは、手続きにかかる費用を圧倒的に安く抑えられることです。
専門家に支払う着手金や成功報酬が発生しないため、手元の資金がなくても着手できます。 裁判所に納める具体的な費用の目安は以下の通りです。
仮に5社から借金がある場合でも、トータルで5千円から1万円程度の出費で済みます。 専門家に依頼した場合の「1社あたり数万円」という相場と比べると、コストの差は歴然です。
個人再生や自己破産を行うと、国の機関紙である「官報」に氏名や住所などの情報が掲載されます。
特定調停の場合は、官報に情報が掲載されることはなく、外部に情報が漏れる心配もありません。
特定調停は費用が安い反面、合意に至る「成功率」が非常に低いのが実情です。
調停委員はあくまで中立な進行役であり決して債務者の味方をしてくれるわけではありません。
金融機関の担当者が「将来利息はカットしない」と強硬な姿勢を見せた場合、調停委員は法的に説得する力を持たず、「この条件で妥協しませんか?」と債務者側に無理な返済計画を押し付けてくるケースもあります。
他の債務整理と同様、特定調停を行うと、信用情報機関に「事故情報」が登録されます(ブラックリスト入り)。
「事故情報」が登録されている間は、原則として、クレジットカードが解約され、再作成を行うこともできなくなります。
特定調停で合意が成立したとしても、その後の返済を怠ると、「強制執行」を受ける恐れがあります。
裁判での話し合いがまとまると、裁判所が作成した「調停調書」という公式な書類が発行されます。
この調書には、裁判の確定判決とまったく同じ強力な法的強制力が与えられるため、約束通りの返済が滞った場合、債権者は直ちに給料や財産の差し押さえを行うことが可能です。
長期間にわたり高い金利で借金を返済してきた方は、特定調停を選ぶ際に注意が必要です。 特定調停の手続きの中では「過払い金の返還請求」を同時に行うことができません。
裁判所の計算で過払い金が発生していると判明した場合でも、特定調停内では「借金はゼロになった」という確認のみで終了します。
払いすぎたお金を取り戻すには、別途自力で「不当利得返還請求訴訟」を起こす必要があり、精神的・肉体的疲労を伴うでしょう。
特定調停を自力で完遂するには、裁判所が求める厳格なルールを事前に把握しておく必要があります。
手続きの流れや必要書類に少しでも不備があれば、申し立て自体が却下される恐れもあります。
特定調停の手続きは、事前の書類準備から最終的な合意成立まで、数ヶ月に及ぶ長丁場の対応になります。 具体的な流れは以下の通りです。
会社員の場合は有給休暇を取得するなど、仕事のスケジュール調整が不可欠です。
調停期日では、調停委員を介して債権者との直接交渉を行います。以下に交渉に臨む上での要点をいくつかまとめました。
交渉に向けて、事前に綿密な準備を行うことが成功への肝となります。
話し合いが完全に平行線をたどり、合意に至らないケースも珍しくありません。
その場合、裁判所の職権によって最終的な解決を図る「17条決定」が下されることがあります。
不成立になれば、債権者からの督促が即座に再開されるので注意が必要です。
費用の安さだけを基準に特定調停を選択すると、結果として想定外の負担が生じる可能性もあるため、債務整理を行う際には総合的かつ慎重な判断が重要です。
初期費用のみで判断するのではなく、最終的な返済総額まで含めて検討することが大切です。特定調停では、金融機関との交渉において将来利息のカットが認められないケースも一定数見られます。
その結果、初期費用を抑えたつもりでも、完済までの将来利息によって総支払額が増えてしまう可能性があります。一方、任意整理を専門家に依頼した場合には、将来利息の減免を含めた条件交渉が進みやすく、結果として返済負担が軽減される可能性があります。
督促がいつ停止するかは、精神的な安心感にも大きく関わります。
手続き準備に時間がかかる場合、督促が続くことで心理的な負担を感じる方も少なくありません。状況に応じて、迅速な対応が可能な専門家への相談も選択肢の一つといえるでしょう。
今後の返済負担をどの程度軽減できるかは、交渉内容によって大きく左右されます。
最終的な選択では、費用だけでなく、手続きがうまく進まなかった場合のリスクも含めて検討することが重要です。
特定調停が成立しない場合、返済条件が厳しくなる可能性や、その後の対応を改めて検討する必要が生じることもあります。
専門家への依頼費用は一定の負担ではありますが、手続きを円滑に進め、将来の不安を軽減するためのサポートとして位置づけることもできます。
状況に応じて専門家の助言を受けながら、安定した生活再建を目指すことが望ましいでしょう。
特定調停は本人のみで進めることも可能な制度ですが、手続きの内容や状況によっては難しさを感じる場合もあります。無理なく進めるためには、適切なタイミングで相談することが大切です。
専門家のサポートがあることで、手続きをより円滑に進められる場合があります。以下のような状況に当てはまる場合は、相談を検討する一つの目安となります。
少しでも手続きに不安を感じる場合は、特定調停以外の債務整理の方法も含めて検討してみるとよいでしょう。
手続きを進める前に、よくある疑問点を整理しておくことで安心につながります。
ご自身の状況に合った手続きかどうか、事前に確認しておくことが重要です。
自力での手続きに難しさを感じた場合には、任意整理への切り替えを検討するのも妥当な判断です。近年では、費用面の負担に配慮した制度を設けている法律事務所も見られます。
まずは、ご自身の状況で返済額がどの程度見直せる可能性があるのかを知るために、無料相談を活用して情報収集を行うことも有効な選択肢といえるでしょう。
この記事の監修者
株式会社WEBYの法務急済運営事務局。全国400以上の弁護士・司法書士のWEBマーケティング支援に従事。これまでに法律ジャンルの記事執筆・編集を1000記事以上担当。WEBコンサルやHP制作、SEO対策、LMC(ローカルマップコントロール)など様々な支援を通じて法律業界に精通。これらの経験を基に企業法務の際に必要な情報や適切な弁護士・司法書士を紹介している。
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