任意整理
2026.03.11 ー 2026.03.11 更新
1回目の任意整理後に返済が再び苦しくなったために、2回目の実施を検討している方もいるでしょう。また任意整理の実施にあたり、同じ債権者に再度交渉できるのか、断られたらどうすればいいのか、気になる方は少なくありません。
2回目の任意整理は1回目よりもハードルが高くなる場合があるものの、注意点を押さえれば問題なく実施できます。
この記事では、2回目の任意整理が認められる条件や再和解の交渉準備について解説します。個人再生や自己破産への切り替え判断まで紹介しているため、あらゆる選択肢を検討している方も参考にしてください。
こんな人におすすめの記事です。
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任意整理には法律上の回数制限がなく、2回目の実施も制度上は認められています。ただし、2回目の和解が成立するかどうかは、債権者の判断や滞納状況に大きく左右されます。
2回目の任意整理にあたり押さえるべきポイントは、以下の4つです。
ご自身の状況に近い項目から、確認してみてください。
任意整理は裁判所を通さない私的な交渉手続きであるため、法律上の回数制限は存在しません。自己破産は免責から7年以内の再申立てが制限される傾向にあり、個人再生も実務上のハードルが存在するのに対し、任意整理にはそうした一律の縛りがない点は、他の債務整理と大きく異なります。
ただし、和解は債権者との合意で成り立つため、相手が応じることが前提条件です。
相手が応じるかどうかの判断が分かれやすいのは、以下2つのケースです。
法律上は何度でも申し入れられるものの、実務では債権者の経営判断と信用評価がすべてを左右します。
2回目の任意整理で交渉の難易度を左右する最大の要因は、相手が1回目と同じ債権者かどうかです。
同一債権者の場合、前回の和解内容や返済実績がすべて社内に記録されています。一度条件を緩和したにもかかわらず再び返済が滞った相手に、もう一度譲歩するのはリスクの高い判断といえます。
異なる債権者であれば、初めての交渉です。ただし任意整理に伴う延滞や契約変更の情報は、CIC・JICC・KSCの各機関に登録され、「CRIN」を通じて一部が相互に交流されています。
登録期間は契約期間中および完済から5年以内が目安で、期間を超過していれば実質的に1回目と同じ状況で臨めるでしょう。
参照:CIC|CRINについて
1回目の任意整理から年数が浅い場合は、異動情報がある前提で準備しておくと安心です。
滞納期間が1か月以内(1回程度)であれば、翌月にまとめて支払うことで和解条件が維持されるケースが多いようです。
問題は2か月以上(2回以上)の滞納です。多くの和解契約では「2回分の滞納」が期限の利益喪失の条件として定められています。期限の利益を喪失すると残債の一括請求が届き、応じられなければ訴訟を経て給与差押えへと進みます。
参照:e-Gov法令検索|民法第137条
滞納することで想定されるリスクについて、滞納期間ごとに以下の表にまとめました。
返済が遅れた日から遅延損害金も発生し、滞納が長引くほど返済総額が膨らみます。
参照:e-Gov法令検索|利息制限法第4条
遅延損害金の上限金利は、営業的な貸付(消費者金融やカード会社など)の場合、年20.0%です(利息制限法第7条)。通常の利息より高率のため、滞納が長引くほど返済総額は膨らみます。
いずれにせよ通常の利息より高率であるため、放置するほど返済総額は膨らみます。
まだ滞納していない段階でも「来月の支払いが厳しい」と感じた時点で、専門家へ相談してください。滞納が発生すると債権者の態度が硬化し、こちらが取れる手段が限られてしまいます。
任意整理した場合、一定期間は指定信用情報機関へ登録されるものの、回数を重ねたとしても登録期間が延びることはありません。異動情報が各信用情報機関から削除されるのは、契約期間中および完済から5年以内です。
参照:CIC|CICが保有する信用情報
参照:JICC|JICCに登録されている信用情報は、どのくらいの期間登録されるのですか?
参照:全国銀行個人信用情報センター|センターの概要
指定信用情報機関の記録が消えた後も、任意整理した相手先やグループ会社が社内データベースに情報を残している場合があります。いわゆる「社内ブラック」と呼ばれ、このような状況では、指定信用情報機関に異動が登録されているかどうかに関係なく、任意整理は困難です。
同一会社はもちろん、グループ会社からの借入やカード発行も難しいと考えてください。
専門家プロファイルに寄せられた、任意整理後のローン審査の期間に関する質問について、ファイナンシャル・プランナーの渡辺さんが回答しています。
引用:専門家プロファイル|任意整理の期間について
任意整理後の生活や将来のローンについて、具体的な見通しが立たず不安に感じる方も多いでしょう。しかし、まずは現在の借金問題を解決することが、未来への第一歩です。借金問題の解決策は一人ひとり異なります。
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2回目の任意整理は、すでに利息カットを受けた状態からの再交渉です。交渉条件・費用・必要書類のすべてで、適用されるためのハードルが上がります。
1回目の任意整理では、将来利息のカットと元金の60回分割が標準的な和解内容でした。2回目の任意整理は、すでに一度利息の免除を受けている状態からの再交渉です。交渉の焦点は分割回数や期間の再調整に移る傾向にありますが、債権者によっては利息の一部の負担を求められたり、交渉自体を拒否されたりと、1回目よりも条件が厳しくなるのが通例です。
残債120万円、1回目の返済回数は120回で2回目が36回の場合を例にすると、月々の返済額は以下のように変わります。
返済が苦しくて再交渉に至ったにもかかわらず、月々の返済額が上がる点が、2回目の任意整理の難しさです。毎月の返済を続けられるかどうかも、再和解を選ぶか別の手続きへ切り替えるかの分岐点になります。
交渉前に、残債総額を想定される返済回数(24〜36回)を基に月額を算出し、毎月の余剰額と比較しておきましょう。不足が明らかなら、個人再生や自己破産も視野に入れるほうが現実的です。
弁護士へ依頼する場合の基本報酬は1社あたり4〜8万円が相場で、回数による変動はありません。しかし別の専門家へ依頼する場合、事務所によっては引き継ぎの事務手数料(例:1〜3万円程度)や資料取得費が上乗せされる可能性があります。
費用の支払いが難しい方は、法テラス(民事法律扶助)も検討しましょう。収入や資産が一定の基準以下であれば、弁護士費用の立替制度を利用でき、月額5,000〜1万円程度の分割払いが認められます。
なお、法テラスを過去に利用して償還(返済)が残っている場合などは、再度の利用について個別の判断が必要になることがあります。現在の利用可否については、法テラスの窓口や相談先の弁護士に確認することをおすすめします。
参照:日本司法支援センター法テラス
2回目の任意整理では、1回目にはなかった書類を準備しておくと、債権者との交渉をスムーズに進めやすくなります。
1回目の和解書(和解契約書)は、前回合意した条件や返済期間などを正確に把握するために役立ちます。また、滞納に至った経緯の説明資料も重要です。収入減少や病気、離婚などの事情を時系列で整理し、説得力を増すために給与明細や前回の和解書などの客観的な資料を添えると良いでしょう。
準備しておくと有効な 主な書類は、以下の5つです。
和解書の再取得や経緯書面の作成には時間がかかるため、早めに手元の書類を確認してください。
現在依頼している専門家とのやり取りに疑問を感じ、他の専門家への変更を検討されているのですね。専門家プロファイルでは、CFP・1級FP技能士の小林治行さんがこのお悩みに回答しています。
引用:専門家プロファイル|債務整理・弁護士さんを替えたい
遠方の専門家とのやり取りで不安を感じたり、このまま任せて良いのか疑問に思ったりすることもあるでしょう。現在の状況に少しでも不満があるなら、別の専門家にセカンドオピニオンを求めるのも一つの方法です。
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2回目の任意整理を成功させるには、1回目以上に周到な準備と和解後の管理体制が必要です。
貸金業者によって利益構造やリスクの取り方が異なるため、交渉する際は債権者の種類に応じて戦略を変えましょう。以下の表にて、債権者のタイプごとに再和解の応じやすさと注意点をまとめました。
銀行系ローンでは滞納が発生すると債権が保証会社へ移り、回収専門の組織が交渉相手になります。信販会社のショッピング利用分は過払い金が発生しにくく元本減額の余地が小さいため、将来利息カットが中心となるキャッシング利用分から交渉を進める方が大幅な減額を見込める現実的な戦略といえます。
弁護士が受任通知を送付すると、貸金業法により本人への直接取り立てが禁止され、督促の電話や郵便がストップします。
参照:e-Gov法令検索|貸金業法第21条
返済計画書を記載する際は「理想の数字」ではなく「確実に払える数字」を示すようにしてください。手取り収入から固定費を差し引いた余剰額の範囲内で月額を設定します。
一般的には、返済計画の裏付けとして以下の収入証明書類を併せて提出することで、交渉の成功率を高めることが可能です。
2回目の任意整理では、収入証明は状況説明の補助資料として有効ですが、それ以上に「前回の失敗理由(病気やリストラ等)」を客観的に証明する書類を優先し、収入証明を併用して提示することが推奨されます。
2回目の和解が成立しても、再び滞納すれば債権者の信頼は失われ、再度の任意整理が難しくなります。
盤石な状態で返済を進められるように、固定費の削減に努めてみてください。具体的なアクションは、以下のとおりです。
浮いた金額のうち数千円でも「予備費」として別口座に自動振替しておくと、急な出費で返済が止まるリスクを下げられます。弁護士事務所の積立金管理サービスも「つい使ってしまった」という人的ミスを防ぐ仕組みとして、検討する余地はあるでしょう。
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引用:専門家プロファイル|家計の立て直しについて
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2回目の任意整理が成立したにもかかわらず、2か月以上にわたり滞納すると和解が無効となり一括請求通知が届きます。その場合でも、早めに動けば対応の余地は残されています。
和解が無効になった後でも、分割払いの再交渉を申し入れること自体は法的に制限されていません。ただし、滞納期間が2ヶ月を超えると、債権者が再交渉に応じない可能性が高く、応じた場合でも遅延損害金の上乗せにより月々の返済額は1回目より増加と考えてください。
債権者が再交渉に応じるかどうかは「返済できなくなった理由に納得できるか」で大きく左右されます。
書類を提出する際は「〇月に失業→収入が〇割減→〇月から返済不能」のように、因果関係を時系列で明記してください。
ギャンブルや浪費が原因でも、隠すのは逆効果です。自己破産では裁量免責(裁判所の判断による免除)の可能性がありますが、債権者との直接交渉においては個別の判断に委ねられます。正直に開示し、家計簿や貯蓄計画など「返済意思が変わった証拠」を添えて、誠実に交渉に臨むことが大切です。
また、滞納が1か月分にとどまる場合は、まだ任意整理していない債権者を対象に加える「追加介入」を行うことで、全体の返済負担を軽減し、既存の和解を維持できる可能性があります。ただし、既存の債権者の了承が必要になるなど、状況によっては影響が出る場合もあるため注意が必要です。
成功率は1回目より下がるため、個人再生や自己破産への切り替えも並行して検討しておきましょう。
一括請求が届いても、即座に給与差押えへ進むわけではありません。差押えされるまでの段階ごとに、そこに至るまでの期間とできる対応について、以下の表にまとめました。
判決前に弁護士を通じて和解や債務整理の手続きを進めれば、差押えを回避できる見込みがあります。
給与差押えに至ると、裁判所から勤務先へ直接通知が送られ、実行されます。差押えは完済まで続き、対象となる金額は原則として手取り給与の4分の1(手取りが月額44万円を超える場合は、33万円を差し引いた金額)です。
参照:e-Gov法令検索|民事執行法第152条
法律上、差押えを理由とした解雇は認められていませんが、借金の事実が勤務先に伝わることから、信用の低下につながることは考えられます。一括請求を受け取った時点で、弁護士・司法書士への連絡を最優先にしてください。
再和解を拒否された場合、裁判所を通す法的手続きへの切り替えが現実的です。個人再生も自己破産も法律が認めた生活再建の制度であり、債権者の同意がなくても債務を減額・免除できる点が任意整理との大きな違いになります。
個人再生および自己破産の特徴は、以下のとおりです。
※1 減額の程度は借金の総額、保有財産の価格等によって異なります(例:総額100万円超500万円以下なら最低弁済額は100万円)。
※2 自己破産は裁判所の免責許可決定により、税金などの非免責債権を除く債務の支払い義務が免除されます。
例えば個人再生の場合、借金総額500万円なら最低弁済額100万円まで圧縮できる見込みがあります。住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用すれば、自宅を手放さずに他の借金だけ減額が可能です。
参照:e-Gov法令検索|民事再生法第196条
個人再生後に返済が困難になった場合も、再生計画の変更(返済期間の最長2年延長)やハードシップ免責といった救済制度が用意されています。
参照:e-Gov法令検索|民事再生法第234条、民事再生法第235条
一方の自己破産は、免責許可が確定すると税金や養育費など一部の例外(非免責債権)を除き返済義務がなくなります。ただし、持ち家も含めた一定以上の価値を手放すことになるため、債務整理の中でも最終手段として位置づけられます。
個人再生や自己破産がご自身にとって最適かどうかは個々の状況で異なるため、弁護士に相談したうえで判断してください。
専門家プロファイルでは、10社以上から700万円を超える借金を抱え、自己破産以外の解決策を探している方からの相談に、弁護士の馬場龍行さんが回答しています。
引用:専門家プロファイル|自己破産以外の道
700万円もの借金を抱え、自己破産を避けたいと考えるお気持ちは、痛いほどよく分かります。しかし、一人で悩み続けても解決の糸口は見えにくいものです。
専門家は、過払い金調査や個人再生など、あなたの状況に合わせた最適な解決策を提案してくれます。多くの事務所では相談無料、初期費用0円で対応しており、全国の弁護士・司法書士の中からあなたに合った専門家を見つけられます。
まずは勇気を出して、専門家に相談してみませんか?
任意整理には法律上の回数制限がなく、2回目も制度上は認められます。ただし、同一債権者への再交渉は条件が厳しくなりやすく、滞納が2か月を超えると一括請求や差押えへ進むリスクが高まります。
返済が苦しいと感じた段階で、弁護士や司法書士へ早めに相談してください。相談が早いほど選択肢が広がり、月々の返済額や財産への影響を抑えた解決につながります。
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