お金の悩み
2026.04.30 ー 2026.04.30 更新
法人破産を決断すると自宅や車はどうなるのか、連帯保証の責任はどこまで及ぶのか、不安に感じることでしょう。
代表者個人の資産処分や信用情報への登録など、法人破産のデメリットは経営者の生活に直結する深刻な問題です。一方で、正確な知識がないまま判断を先送りすると、財産がさらに目減りし、破産費用すら捻出できなくなるリスクも高まります。
この記事では、連帯保証債務の全額一括請求・自宅や車の換価処分・信用情報への事故登録という3つの影響と、経営者保証ガイドラインを活用した救済策をわかりやすく解説します。
こんな人におすすめの記事です。
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法人が破産して法人の債務消滅と同時に個人への請求が始まります。代表者個人が直面する経済的リスクを3つの観点から解説します。
順番に見ていきましょう。
法人が破産して債務が消滅しても、代表者が負った連帯保証債務はそのまま残ります。会社をたたんだ直後より、債権者は主債務者を飛ばして代表者個人に直接全額を請求できます。
法人の破産手続きが開始されると期限の利益が喪失し、債権者は数ヶ月以内に代表者へ保証債務の全額一括請求に踏み切るのが一般的な流れです。数千万円規模の請求書が届くケースも珍しくありません。
この請求を放置すると債権者は訴訟を提起し、判決確定後に強制執行へ進みます。強制執行で起こることは、以下のとおりです。
一括返済が難しい場合、債権者との分割交渉か代表者個人の自己破産といった重大な決断を余儀なくされます。
連帯保証人への請求の流れや具体的な対処法については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
自己破産すると連帯保証人はどうなる?債務整理の影響と対処法を徹底解説
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代表者個人が自己破産する場合、評価額20万円以上の資産は原則として破産管財人が売却し、債権者への配当に充てます。
処分の結論は住宅ローンの残高次第で変わり、ローン残額が固定資産税評価額の1.5〜2倍を超えるいわゆるオーバーローン状態の場合は、一般的に売却しても配当原資が生まれません。そのため、管財人が処分を見送る運用があります。
自動車については、初登録から6年以上経過した普通乗用車は無価値扱いとなるケースが多く、査定額20万円未満の軽自動車も自由財産として手元に残せます。一方、高級車や投資用不動産のように換価価値が明らかに高い資産は、ほぼ確実に処分対象です。
冷蔵庫や洗濯機、寝具、衣類など生活必需品は法律で差押禁止財産に指定されており、破産後も使い続けられます。資産の評価額によって処分の可否が分かれるため、弁護士に査定書を持参して早めに見通しを確認しておくと安心です。
参照:裁判所|破産・再生
自己破産で処分される財産の範囲や生活への影響については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
自己破産による7つのデメリットとは?|生活への影響を解説
自己破産を検討されているとのこと、そのお気持ちよく分かります。借金からの解放は大...
個人の自己破産であっても、生活再建に必要な最低限の資産は法律で守られます。破産法と民事執行法が定める「自由財産」の枠組みにより、現金99万円以下は手元に残せます。衣類・寝具・台所用具といった日常生活に不可欠な動産も差押禁止財産の対象外です。
資産ごとの保護基準を、以下の表にまとめました。
裁判所の自由財産拡張制度を利用すれば、全財産合計99万円以内の範囲で保護対象を広げられるケースもあります。
一方、連帯保証債務が数百万円程度と少額で代表者の収入から返済できる見込みがあるなら、個人破産まで踏み込まず任意整理や個人再生で保証債務を含む全債務を整理する道も残されています。
参照:裁判所|よくある質問(東京地方裁判所民事第20部)
自己破産の手続きの全体像や必要書類については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
自己破産の手続き完全ガイド|流れ・必要書類・費用までわかりやすく解説
毎月の返済が苦しくて、もうどうしていいか分からない。そんな状況でも、自己破産とい...
Yahoo!知恵袋では、法人破産をしようにも、高額な予納金が用意できず困っているという声が見られました。
引用:Yahoo!知恵袋
法人破産の申し立てには予納金をはじめとする費用の準備がかかります。「お金がないから破産したいのに、そのための資金がない」という状況は、本当につらいものでしょう。一人で悩みを抱え込まず専門家に相談することで、費用の分割払いや他の解決策の提案が見つかることもあります。相談無料、初期費用0円で全国の弁護士・司法書士に24時間相談できます。まずは気軽にサポートしてくれる専門家を探してみてはいかがでしょうか。
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法人破産にはデメリットがある一方で、現実的なメリットも存在します。破産によって得られる具体的な救済効果を3つ解説します。
一つずつ見ていきましょう。
弁護士に依頼すると、早ければ1~3日で受任通知が各債権者へ送付されます。貸金業法21条1項9号の規定により、受任通知を受け取った債権者は代表者に対して直接の取立てができなくなるため、電話・訪問・督促状のすべてが止まります。
取立て電話が止まり、自身で債権者へ返答・交渉が不要となります。
参照:e-Gov法令検索|貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)
資金繰りに追われ続けると判断力が鈍り、今後取るべき手段を適切に選べなくなります。督促が止まることで、家族との今後や事業再起の方針を落ち着いて検討できる環境が整うでしょう。
受任通知から債権者交渉までの具体的な流れについては、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
任意整理の流れを7ステップで解説|弁護士・法律事務所でかかる費用と手続・期間も照会
毎月の返済が追いつかず、任意整理の手順がわからないと悩んでいませんか。 弁護士へ...
法人が破産手続きを経て消滅すると請求先がなくなることから、法人税をはじめとした税金や社会保険料の未納分は事実上消滅します。つまり、支払い義務はありません。
ただし、代表者が第二次納税義務者に該当する場合は国税徴収法第32条により、法人の滞納税金を負担しなければならないケースもあります。第二次納税義務とは、国税を滞納した人が税金を納付できない場合に、第三者が納税義務を負う制度です。第二次納税義務者には税務署より納付通知書が送付され、滞納すると納付催告書による督促が届きます。
参照:e-Gov法令検索|国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)
滞納処分の時効は原則5年とされており、この期間内に課税庁が第二次納税義務の告知処分に踏み切れば、代表者個人の財産が差押え対象になり得ます。破産手続き開始決定後も法人の税務申告義務は継続し、破産管財人がこれを行う必要があります。代表者個人は第二次納税義務を負う可能性があり、申告漏れが後のトラブルにつながるリスクがあります。
第二次納税義務のリスクを回避するには、破産申立て前の段階で弁護士と税理士の双方に相談しておくと安心です。
法人と代表者個人の責任範囲については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
会社が倒産した時に残った借金は誰が負う?法人と代表者の責任を解説
「倒産を考えているが、会社の借金はどうなるのか不安…」そんな悩みを抱えている経営...
「破産したら二度と会社は作れない」と誤解されがちですが、法律上の答えは明確に「NO」です。
会社法の改正で、破産者の取締役欠格事由は削除されました。免責が確定すれば、新たに会社を設立することも別法人の取締役に就任することも法的には問題ありません。
もちろん現実的なハードルはあり、信用情報に異動が残る期間は銀行融資の審査が厳しくなります。登録期間の目安はCIC・JICCで約5年、全国銀行個人信用情報センター(KSC)で5〜7年です。
銀行融資が難しい方の選択肢となるのが、日本政策金融公庫の「再挑戦支援融資」を利用する方法です。廃業歴のある方を対象とした公的制度で、やむを得ない事情による廃業であり、なおかつ負債が整理済みといった要件を満たせば融資を受けられる可能性があります。
信用情報の登録が消えた後は、銀行融資やクレジットカード契約も再び利用できるようになります。
参照:日本政策金融公庫|再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
Yahoo!知恵袋では、会社の法人破産に伴い、代表者個人が連帯保証人として抱える借金や今後の生活について、専門家に相談しつつも解決策が見えず悩んでいる、といった声が見られました。
法人破産と個人の連帯保証という複雑な分野の問題は、一人で抱え込むにはあまりに重いものです。投稿者のように、一度専門家に相談しても不安が解消されない理由から、途方に暮れてしまう気持ちはよく理解できます。しかし、諦める必要はありません。あなたに合った、親身になってくれる実績ある専門家はきっと見つかります。
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経営者保証ガイドラインを活用すれば、法人破産と代表者個人の保証債務整理を同時に進められます。ガイドラインの適用で得られる代表者個人への保護は、以下の3つです。
経営者保証ガイドラインを活用すると、法人の債務整理と代表者個人の保証債務整理を「準則型私的整理」として同時に進められます。裁判所を通じた個人破産ではなく、債権者との合意にもとづく私的整理で保証債務を処理する仕組みのため、代表者は破産者としての法的制約を受けません。
適用を受けるには、主に以下の要件を満たす必要があります。
2019年の特則策定で、前経営者と後継者への保証の二重徴求が原則禁止されました。事業承継の場面で「先代も後継者も両方保証人」という状態を防げるため、後継者となる家族が過度なリスクを引き継がずに済みます。
要件を満たすかどうかの最終判断には専門的な検討が欠かせませんので、早い段階で弁護士に相談してください。
参照:全国銀行協会|経営者保証に関するガイドライン
合同会社など法人形態ごとの破産手続きと代表者責任については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
合同会社の倒産で危ないのはココ!破産の責任と解決策を解説
合同会社の破産や民事再生は、借金問題を抱えた際に選択される法的手続きです。経営が...
経営者保証ガイドラインを活用した場合、代表者は通常の自由財産である99万円に加えて「華美ではない自宅」をインセンティブ資産として手元に残せる可能性があります。
「華美ではない」かどうかは、以下の項目から総合的に考慮して判断されます。
住宅ローンが残債を上回るオーバーローン状態であれば、弁済計算から除外される扱いとなるため、結果的に自宅を維持しやすくなります。
ただし、判断基準は地域の住宅水準や家族人数など個別事情に大きく左右されるため、自宅が対象になるかどうかは早い段階で弁護士に確認してください。
参照:中小企業庁|経営者保証
住宅ローンが残った自宅を残す方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
個人再生で家を守ることができる?住宅ローン特則の活用法を解説
個人再生することで、借金の返済を無理なく行いながら、家を守ることができます。 こ...
経営者保証ガイドラインを適用して保証債務を整理した場合、個人の信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に異動は登録されません。私的整理として処理されるため、いわゆる「ブラックリスト」に載らずに済みます。
一方、代表者が個人破産を選択すると5~7年程度は異動が登録され、新たな融資やクレジットカードの審査にほぼ通過しません。
信用情報がクリーンな状態を維持できれば、再起業時の資金調達で大きな差が生まれます。公的融資制度を利用する際も、信用情報に異動があると審査のハードルは格段に上がります。
ただし、ガイドラインの適用には厳格な要件があり、すべての経営者が対象になるわけではありません。適用可否の判断は早い段階で弁護士に相談し、確認しておくのがおすすめです。
参照:CIC|CICが保有する信用情報
Yahoo!知恵袋では、経営者保証のガイドラインについて、そもそもどういうものなのか疑問に思う声が見られました。
経営者保証は、会社の借金が個人の責任に直結する可能性のある、非常に専門的で重要な問題です。一人で悩みを抱え込まず専門家に相談することで、ご自身の状況に合った解決策が見つかることもあります。
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破産申立を先送りにすると、代表者自身が深刻な法的責任を負う場合があります。破産の先送りにより起こりうる主な法的リスクは、以下の3つです。
知らないうちに法的責任を負っていた、ということを避けるために、一つずつ見ておきましょう。
破産管財人には、破産手続開始前の不当な財産処分を取り消す「否認権」があります。
対象は、無償譲渡や著しく低額での売却といった詐害行為と、特定の債権者だけに返済する偏頗(へんぱ)行為の2つです。
最も危険なのが、事業停止直後に経営者がやりがちな次のような処分です。
こうした行為は、破産手続開始日から遡って原則1年以内であれば否認の対象になります。無償行為の場合は、支払停止前6ヵ月以内まで遡及されるケースもあるでしょう。
否認権が行使されると、譲渡先の配偶者や親族から不動産や車両が破産財団へ回収され、支払った売却代金も返金されません。「家族に渡せば守れる」という判断が、かえって家族を巻き込む事態を招きます。
独断での資産移動は否認の対象となるため、必ず弁護士に相談してください。
参照:e-Gov法令検索|破産法(平成十六年法律第七十五号)
支払不能に陥った後、特定の債権者だけへ返済する行為は「偏頗弁済」として否認の対象となりえます。破産手続では全債権者を平等に扱う原則があり、一人だけ優遇する返済は認められません。
経営者が陥りやすいパターンには、次のようなものがあります。
親族や役員への弁済は、相手が支払不能を知っていたと推定されるため、否認されやすい可能性は考慮しましょう。
否認権が行使されると、親族や仕入先へ返済した金額は破産財団へ回収されます。返済を受けた相手は破産管財人から返金を求められ、結局お金が戻ってこないうえに親族や取引先との関係も悪化するという二重の負担を招きかねません。
誠意で親族や仕入先に返済しても法的に取り消され、かえって相手を巻き込む結果になります。返済の優先順位は自己判断せず、必ず弁護士の指示を仰いでください。
偏頗弁済の判定基準ややってはいけない返済行為については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてお読みください。
偏頗(へんぱ)弁済とは?自己破産や個人再生でやってはいけない「偏頗弁済」を徹底解説!
自己破産や個人再生を考えているが、どうしても気になるのは、偏頗弁済の問題です。偏...
破産法265条は、債権者を害する目的で財産の隠匿や損壊、虚偽の債権届出などをした場合に詐欺破産罪が成立すると定めています。法定刑は10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金で、両方が同時に科される場合もあります。
破産手続の開始前・開始後を問わず処罰対象となる点に注意が必要です。
経営者が意図せず抵触しやすい行為には、次のようなものがあります。
「少しでも手元に残したい」という心理から不動産や通帳を隠した場合でも「債権者を害する目的があった」と認定されれば刑事責任を問われます。
詐欺破産罪のリスクを防ぐには、事業停止の直後に弁護士へ相談し、不動産・在庫・通帳などすべての資産と負債を正確に洗い出すことです。対応が遅れるほど刑事責任のリスクが大きくなるため、早めに弁護士へ相談してください。
参照:日本弁護士連合会|倒産・事業再生
Yahoo!知恵袋では、詐欺破産罪の疑いがある債務者に対し、刑事告発を検討している債権者の切実な声が見られました。
このように、虚偽の申告による自己破産の事例は「詐欺破産罪」という犯罪にあたり、債権者から刑事告発される可能性もある深刻な問題です。借金問題で精神的に追い詰められて混乱すると、つい不正な考えがよぎるかもしれませんが、一人で悩む必要はありません。
相談無料、初期費用0円で対応してくれる全国の弁護士・司法書士もいます。まずは専門家に正直に詳細な状況を説明し、正しい手続きで問題を終了させることが大切です。
法人破産にはたしかにデメリットはあります。しかし、精神的な負担が軽減したり未納の税金・社会保険料の支払い義務から解放されたりといったメリットは見逃せません。
代表者個人には連帯保証債務の全額一括請求が及ぶものの、現金99万円以下は自由財産として手元に残せます。経営者保証ガイドラインを活用すれば、個人破産を回避しつつ華美でない自宅を維持し、信用情報に異動が登録されることも避けられる可能性があります。
判断が遅れるほど否認権の行使や偏頗弁済、詐欺破産罪といった法的リスクが高まるため、事業停止の直後に弁護士へ相談することが大切です。
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